日本公演を3週間後に控えた2月13日、ハンブルク・バレエ団は2023/24シーズン・プログラムを発表しました。「2022/23シーズンが芸術監督としての最後のシーズンになると考えていましたが、運命は私にもう1シーズンを与えました。そこで私はこの想定外だったシーズンをハンブルク・バレエ団での芸術監督のエピローグとすることにしました」と、ジョン・ノイマイヤーはコメントしています。
そう、たしかに2022/23シーズンには、ノイマイヤーのハンブルク・バレエ団での50周年を記念した公演が繰り広げられました。ノイマイヤーはこれを「私の個人的な別れのためではなく、私たちの半世紀にわたる芸術活動を祝すものとなりました。次のシーズンはこの昨シーズンの振り返りを超えるつもりではなく、未来を見据えたものです」と語っています。
ではそのプログラムから注目ポイントをご紹介しましょう。
2023/24シーズンは2023年9月、市庁舎前の広場での無料野外ガラ公演〈ダンス・アット・ラートハウスマルクト(Dance at Rathausemarkt)〉で幕を開けます。これに続くのはノイマイヤーがテネシー・ウィリアムズの戯曲をバレエに仕立てた『欲望という名の電車』。10月にはカンパニーは2023年に25周年を迎えるバーデン・バーデン祝祭劇場で、昨年新設されたダンス・フェスティバル〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉で公演を行い、12月には本拠地でキャシー・マーストンによるバレエ『ジェーン・エア』のドイツ初演を行います。マーストンは、ノイマイヤーと同様に文学からインスピレーションを得たバレエ作品で称賛を得ている振付家で、ノイマイヤー自身が"ラスト・シーズン"に彼女の作品を招きました。2024年2月、ノイマイヤーの85歳の誕生日の頃に上演されるのはノイマイヤーがホメロスにインスパイアされてつくった『オデュッセイア』。戦争、故郷の探索、異国の地との出会いをテーマにしたバレエです。
2024年6月30日の開幕から2週間にわたって開催される「ハンブルク・バレエ週間」は、シーズンのハイライトでありフィナーレ。今シーズンのレパートリーが集中的に紹介されるこのフェスティバルのなかで、今回最大の注目は開幕を飾るノイマイヤーの新作でしょう。現時点では『エピローグ』(仮題)ということだけが発表されていますが、冒頭で紹介したノイマイヤーのコメントからもうかがわれる通り、この作品はハンブルク・バレエ団芸術監督としてのノイマイヤーにとって重要な意味をもつものとなるにちがいありません。
6月30日: | 『エピローグ』 |
7月2日: | 『エピローグ』 |
7月3日: | 『ロミオとジュリエット』 |
7月4日: | 『エピローグ』 |
7月5日: | 『オデュッセイア』 |
7月6日: | 『ジェーン・エア』 |
7月7日: | 『椿姫』 |
7月9日: | ゲストカンパニー:未定 |
7月10日: | ゲストカンパニー:未定 |
7月11日: | 『欲望という名の電車』 |
7月12日: | 『ガラスの動物園』 |
7月13日: | 『ドナ・ノービス・パーチェム』 |
7月14日: | 〈ニジンスキー・ガラXLIV〉 |
このほか、ベネフィット・ワークショップ、若い振付家による作品紹介、多様な青少年プログラムなどの予定は公式サイトで発表されています。
ハンブルク・バレエ団公式サイト
https://www.hamburgballett.de/de/news/editorial.php