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2020/06/27(土)

世界の劇場に緊急アンケート実施! 〜コロナ禍とこれから〜(1)
2020/06/27(土)
2020年06月27日号
世界の劇場を知ろう
特集

世界の劇場に緊急アンケート実施! 〜コロナ禍とこれから〜(1)

NBSニュースでは、欧州の主要な歌劇場にコロナ禍における状況、今後についてのアンケートを実施しました。感染状況や各国施策の違いもあり、対応はさまざまです。
劇場閉鎖期間に行ったこと、再開の予定やプラン、また映像やライブ配信の活用など、6月25日現在で回答されている内容をご紹介します。

モンテカルロ・バレエ団

東京には何があっても行きますので!

劇場閉鎖3月中旬より。リハーサルおよびクラスを停止。今シーズン終了までのモナコ国内公演と海外ツアーのすべてをキャンセル。ただし、7月18日、19日のスペインのグラナダでの野外公演のみ可能性を残している。

再開または再開予定月末より少人数でのクラスを開始。同時に毎週コロナウイルス感染テストを実施している。現在はほぼ通常通りのリハーサルを行っている。次シーズンは10月にグリマルディ・フォーラムでの「Altro Canto(アルトロ・カント)」と「Vers un Pays Sage(ヴェール・アン・ペイイ・サージュ)」で開幕予定。「それまでに事態が収束していると良いですが」とのこと。

閉鎖期間中施策2つのテレビ局、「モナコ・アンフォ」と「フランス3 プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール」がテレビとウェブで全幕作品を放映した(「白鳥の湖〜LAC」「ラ・ベル」「くるみ割り人形」「ファウスト」など)
そのほか、全ダンサーに、各自でアントニオ・カストリニャーノの音楽にシナリオを想像し、「自宅では動けないこと」、「自宅待機の日々のフラストレーション」、「自由の再確認」を表現したビデオを録画してもらい、それらのビデオを編集した「WAKE UP」という作品が出来上がった。これはモンテカルロ・バレエ団のFacebook で紹介し大好評を博している。

再開後のスケジュールへの影響2020/21シーズンは海外ツアー、国内公演とも多くなる予定。我々には影響はさほど大きくないとはいえ、公演を予定している国内外各地の状況の進捗によることになるので、(無事を)とにかく祈っている。

バイエルン国立歌劇場

9月の再開に向け、複数のシナリオを用意しています

劇場閉鎖2020年3月10日が最終公演。4月末までは合唱、オーケストラなしで、感染防止対策ルールのもと、小規模なリハーサルを実施。

再開または再開予定5月末より、距離を保ち、マスク使用のうえリハーサル開始。合唱団のリハーサルはメインホールで行うことにより、歌手同士の距離を確保。
ライブ配信している「月曜コンサート」や「水曜の散歩」、週末のシリーズでは、劇場の部分的使用を開始している。聴衆は1公演あたり100名程度。
7月1日から夏季休暇に入り、9月1日に再開を予定。ただし、事態の変化が激しいので、9月の劇場再開に向け、複数のシナリオを用意している。8月時点での各種規則に照らして調整していく。

閉鎖期間中施策劇場閉鎖直後の3月中旬より、「月曜コンサート」というシリーズで室内楽、歌曲、バレエのライブ配信を開始。シリーズ最終回となる6月29日の第13回は、ヨナス・カウフマンとキリル・ペトレンコが出演。
5月末からは劇場内のさまざまなスペースを使って20人程度の聴衆のための室内楽コンサートシリーズ「水曜日の散歩」を開始。6月初旬からはさらに2つの週末シリーズが加わった。いずれれも50人の聴衆を、無人の客席方向に向いて舞台の奥に着席してもらい上演を行う。週末シリーズの1つは、アンサンブルの演奏家たちとの共演による一人芝居「土曜アンサンブル」、もう1つは、異なるジャンル(パフォーマンス、アート、舞踊、ミュージカルなど)に上演機会を提供する「日曜インデペンデント」などを開催。
一部の「月曜コンサート」は、ビデオ・オン・デマンドで現在も視聴可能。

再開後のスケジュールへの影響次のシーズンは、4月にキャンセルとなった2演目(マリーナ・アブラモヴィッチによるマルチ・パフォーマンス「マリア・カラス7つの死」と新制作のオペラ『ミニョン』)で、通常より早く開幕する予定。また、9月にはモーツァルトを多く取り上げる予定。本来、夏のオペラ・フェスティバルに計画されていた『ファルスタッフ』の新演出は11月にプレミエとなる。

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