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2008年1月 Archive

『マルタ』日本公演に向けての再演が大成功!

昨年年末から1月にかけてウィーン・フォルクスオーパーでは、5月・6月の日本公演に向けて、日本公演とほぼ同じキャストで『マルタ』が再演されました。9年ぶりの日本公演には、歌劇場はもとよりウィーンの人々も注目を寄せているようで、多くの現地新聞に批評が掲載さました。この公演の舞台写真と併せてご紹介いたします。
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(左より)プランケット:ラルス・ヴォルト、ナンシー:ダニエラ・シンドラム
ハリエット(マルタ):メルバ・ラモス、ライオネル:ヘルベルト・リッペルト


【ノイエ・クローネン紙】

マルタ「日本公演へ向け準備万端」拍手喝采

 マイケル・マッカフェリー演出によるフロトー作「マルタ」は、今日もなお新鮮で快活な魅力を失わないフォルクスオーパーでもロングランの人気公演である。

 フォルクスオーパーは日本公演(豪華な舞台はジュリアン・マッゴーワンによる)のために満を持して総仕上げをかけた。指揮者のアンドレアス・シュラーはアンサンブルを非常にダイナミックに率いている。惜しみない拍手を歌手全員に贈りたい。メルバ・ラモスの無鉄砲なレディ・ハリエット、別名マルタの高音域はきらりと光り輝き、ダニエラ・シンドラムは、存在感あるナンシー役を、マティアス・ハウスマンは、変わり者で大仰なトリスタン卿を演じた。今回がウィーン・オペラへのカムバック初舞台であったヘルベルト・リッペルトは、力のこもったライネルを披露している。フロトーのヒット曲は輝きを放っている。

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ハリエット(マルタ):メルバ・ラモスとライオネル:ヘルベルト・リッペルト


【クリーア紙】

日本公演成功も間違いなし

 ウィーン・フォルクスオーパーの日本公演が来年5月から6月にかけて行われる。演目は、シュトラウスの『こうもり』、ズッペの『ボッカチオ』そしてフロトーの『マルタ』である。このビッグイベントの先触れをとして、ウィーン外側環状道路ギュルテルに面したホームグラウンドでフリードリヒ・フロトーのオペラが再演された。日本公演でライオネルを演じるテノールは、ウィーン長期不在後、ウィーン・オペラへのカムバックを果たした。その名はヘルベルト・リッペルト。リッペルトのライオネルは非常に親しみやすく、高音域で確固としているは、言葉の発音が鮮明、正確だからである。ラルス・ヴォルトは面白おかしいプランケット役がすっかり板についており、ヴォルトのプランケット役デビューはフォルクスオーパーに好結果をもたらした。力強い歌唱力のダニエラ・シンドラムによるナンシーとマティアス・ハウスマンの見事気どったトリスタン卿も申し分ない。マイケル・マッカフェリーとジュリアン・マッゴーワンによる現実的で史実に忠実な演出は、どちらかといえば保守的な客層向きであろう。

【ヴィーナー・ツァイトゥング】

 2003年成功裏に終わった初演と変わらない新鮮な演出。つまり田園のロマンチックな物語、貴族階級を描いた通俗作品、ところどころに鋭いアイロニーのスパイス、すべてがスマートで敏捷、といった各要素は、主人公が無理やり女中仕事をさせられ、四苦八苦して糸車の糸を紡ぐ場面においても底流となっている。

(中略)MARTHA_DSC1272.jpg

 初めてライオネルを演じるヘルベルト・リッペルトは、ところどころにはっきりしないところが認められるものの、「マルタ、マルタ、君は消えてしまった・・・」、で始まる超絶技巧的なブラヴォー・アリア(ああ、かくも汚れなき)では一部の隙もない。リッペルトは、最高音域も絶対にはずさない確実さと明るい叙情性を持ち、上演中でも歌唱後の拍手喝采が鳴り止まずに舞台に呼び戻されるほどの人気者である。フォルクスオーパーが今回初めてマルタを託したメルバ・ラモスの最高音はところどころシャープなところもあり、元気の良い演技と歌唱のニュアンスにレガートのテクニックが加わり、さらにそれを補っている。ラルス・ヴォルト演じる(硬派で情愛に満ちたプランケット)とダニエラ・シンドラム(ナンシー)はフォルクスオーパーにデビューする組み合わせとしては、まさに理想的であろう。新鮮な雰囲気と演じる喜び、そして陰影のあるメゾソプラノと濃厚なバスが融和し、おどけた二重唱を堪能させてくれる。マティアス・ハウスマン演じるデフォルメされたどじなトリスタン卿、判事役のライムント=マリア・ナティエスタも笑わせてくれる。

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photo:Dimo Dimov/Volksoper Wien

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「マルタ」舞台映像

「マルタ」のダイジェスト映像をアップロードいたしました。
さわりだけですが、「庭の千草」や「ああ、かくも汚れなき」をはじめとする珠玉のナンバーをお楽しみください。

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