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フォルクスオーパー メディア情報

5月22日(木)に行われた、ウィーン・フォルクスオーパー記者会見の模様が@ぴあとYahoo!ニュースで紹介されています。記者会見の後で行われた、「こうもり」舞台稽古の写真も掲載されておりますので、ぜひご覧ください。

◇@ぴあ
◇Yahoo! ニュース

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ウィーン・フォルクスオーパー「ボッカチオ」キャスト変更のお知らせ

ウィーン・フォルクスオーパー、5月31日(土)の「ボッカチオ」に主演予定だったアネリー・ペーボは、腰の神経炎で入院したため、来日することができなくなりました。ペーボに代わりボッカチオ役は、初日に続きアンティゴネ・パポウルカスが演じます。何卒、ご了承ください。

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フォルクスオーパー 「マルタ」指揮者変更のお知らせ( 追記)

6月8日(日)14時30分開演「マルタ」の指揮者が歌劇場の都合により下記のとおり変更となりました。何卒ご了承ください。

 「マルタ」 6月8日(日)    指揮:エリザベス・アットル

*17日付けで、6月7日(土)の指揮者が変更とお知らせしましたが、7日は当初どおりアンドレアス・シェアーが指揮をいたします。

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ウィーン・フォルクスオーパー記者会見開催

 ウィーン・フォルクスオーパー日本公演開幕前日の5月22日(木)、公演会場の東京文化会館にて、フォルクスオーパーのロベルト・マイヤー総裁、ライナー・シューベルト副総裁、クリストフ・ラートシュテッター事務局長、主催者である(財)日本舞台芸術振興(NBS)専務理事佐々木忠次による記者会見が開催されました。

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 多くのマスコミ関係者を前に、佐々木忠次専務理事は、まず「マイヤー総裁は今も俳優として活躍中で、実は来日直前までフォルクスオーパーの舞台に立っていた。終演後に飛行機に飛び乗り、今朝到着されたばかりです」とマイヤー氏を紹介。その後9年ぶりとなるフォルクスオーパーの日本公演実現に至る過程に触れ、「オペレッタには"笑い"だけでなく、音楽的な質の高さが求められる」という点、また「フォルクスオーパーが音楽的に非常に質の高いものを目指している」と指摘しつつ、その采配をふるうマイヤー総裁にマイクを引き継ぎました。

 マイヤー総裁は、2007年9月にフォルクスオーパー総裁に就任。この来日は、新総裁としての最初のシーズンの、最大のイベントとなりました。
「今回の来日は、ルドルフ・ベルガー前総裁が準備を進めてきたもの。そして今、私が総裁として来日できたことを、この場を借りてもう一度佐々木さんに心から感謝します。今回、日本のお客さまには3つの演目を観ていただきます。『こうもり』は私たちが以前からずっと継続して上演している重要な作品。『ボッカチオ』と『マルタ』はベルガー前総裁時代に初演され、大成功を収めたもの。フォルクスオーパーは、オペラ、オペレッタ、ミュージカル、バレエ、演劇を上演していますが、特にオペレッタにおいては随一の劇場と自負しています」
 マイヤー総裁のもとでのこの最初のシーズンで上演された新プロダクションは10演目(新校訂含む)。シーズン開幕を飾ったオッフェンバック『天国と地獄』や、マイヤー自身の一人芝居であるワーグナーのパロディ『タンホイザー80分』、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』、『屋根の上のヴァイオリン弾き』などは完売となり、追加公演も行われたとのこと。
「幸せなことに、このシーズンで多くの成功を収めることができました。私は33年間、ウィーンのブルク劇場で俳優をしてきましたが、1993年からはフォルクスオーパーにも並行して出演しています。その頃から、フォルクスオーパーを愛する気持ちがどんどん高まっていきました。ブルク劇場のような演劇の劇場では、どんどん"音楽"が失われています。私はとても音楽を欲していたので、そういう意味でも、総裁という立場でこの劇場をリードする仕事ができ、今、とても幸せに思います」  質疑応答で、改革に向けて注力した点について問われると、「一番大切なのは、オペレッタをダメにするのではなく、オペレッタを愛する劇場にすること」とも。

 会見の終盤には、『こうもり』の舞台稽古を控えたロザリンデ役のナンシー・グスタフソンはじめ、アイゼンシュタイン役のテイートマール・ケルシュバウム、アルフレート役のルネ・コロ、オルロフスキー公爵役のヨッヘン・コワルスキーなど10名の歌手と指揮者のレオポルト・ハーガーが衣裳を纏って登場。その華やかさに思わず大きな拍手がわき起こりました。

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 最後に、「日本の皆さまもきっと、オーストリアやドイツのお客さまと同じように、存分に楽しんでいただけることと確信しています。素晴らしい音楽、そしてオペレッタには台詞もあるわけですが、それも、字幕を見ていただくことで、十分にお楽しみいただけることでしょう」とマイヤー総裁。さらに、「今回の3作品は、前任者の時代から上演されているものですが、ぜひとも、新総裁ロベルト・マイヤーがどんな演出を手がけるのか、という点にも興味を持っていただいて、できるだけ早く次の日本公演も実現できたら(笑)!」と満面の笑顔に。
 意欲溢れる新総裁のもとでの、9年ぶりの日本公演はいよいよ今日開幕!公演への期待はさらに高まります。

レポート:加藤智子

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ウィーン・フォルクスオーパー まもなく開幕!

9年ぶりのウィーン・フォルクスオーパー日本公演の開幕まであと4日となりました。すでに多くのメンバーが来日し、今日の夕方から東京文化会館でリハーサルと舞台の仕込みが始まっています。
直前予習ということで、ウィーン・フォルクスオーパーといえば、そしてオペレッタといえば、コレ!!開幕を飾る、オペレッタ『こうもり』のハイライト映像をお届けします。!
短い映像ですが、この映像を見ているだけでワクワクしてきませんか? 実際の舞台はもっともっと幸せな高揚感が味わえるはずです。日本でしか味わえないスペシャル・キャストによる舞台をお見逃しなく!

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フォルクスオーパー メディア情報

5月11日のスポーツニッポン「クラシック・コンシェルジュ」に、ウィーン・フォルクスオーパ「こうもり」の記事が掲載されました。詳しい解説を加えた記事が、スポニチ・アネックスに掲載されておりますので、ぜひご一読ください。

スポニチ・アネックス  「クラシック・コンシェルジュ」

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フォルクスオーパーCD情報 2

ウィーン・フォルクスオーパー日本公演開幕まで2週間となりましたが、初日に先駆けて、ウィーン・フォルクスオーパーのオリジナルラ・ライブCD『オペレッタライブ3』が発売となりました。
この『オペレッタライブ3』にはオペレッタ『ボッカチオ』より、序曲と日本公演に出演するアンティゴネ・パポウルカス(ボッカチオ役)、ダニエラ・ファリー(フィアメッタ役)の2重唱2曲が収められています。なんとこのCDには、日本の観客に向けて、日本語のジャケットも用意されています!
『オペレッタライブ3』CDもNBSでお取り扱いをいたしますので、ご購入をご希望の方は、NBSまでメールにてお問い合わせください。

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『オペレッタライブ3』
(「ボッカチオ」「天国と地獄」「サルスエラ・ガラ」ハイライト)

◇お申し込み・お問い合わせは、wien@nbs.or.jpまで。
◇代金:3,150円(税込)

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ウィーン・フォルクスオーパー 第2次発売情報!

いよいよ4月5日(土)より、ウィーン・フォルクスオーパーの第2次発売がスタートします。
各前売所からの回収分等を集めて、NBSとイープラスのみで受付をいたします。一斉前売でチケットが入手できなかった方は、この機会にいま一度お問合せください。


◆ウィーン・フォルクスオーパー 第2次発売◆


2008年4月5日(土) 10:00a.m.より 受付開始!


NBSチケットセンター 03-5721-8888
e+(イープラス) 初日特電:0570-06-9921 (4/5(土) 10:00~18:00)
インターネット:http://eplus.jp/wien/ (パソコン&携帯)
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「ボッカチオ」ハイライト映像

「ボッカチオ」には、「恋はやさし野辺の花よ」や「三馬鹿の歌」で知られる「スカルツァのセレナーデ」など、日本でもおなじみのナンバーがたくさん登場します。そんな明るく美しいメロディのナンバーとともに、フィレンツェを舞台に繰りひろげられる爽快でハッピーな雰囲気に満ちた「ボッカチオ」の世界をお楽しみください。

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『ボッカチオ』主演 アンティゴネ・パポウルカス インタビュー2

取材・文/佐藤友紀(フリーライター)


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―――アンティゴネさんって、名前からするとギリシャ系では?

「父はソティリオスというファーストネームをソトにして、姓もまた字を一つ落としているんだけど(笑)。私は父方の祖母の名前であるアンティゴネも姓の方もちゃんと純ギリシャ系であることを提示しているのよ」


―――マリア・カラスとか、最近で言うとティオドッシュウとか、ギリシャ系の時々すごい歌手が出てくるのはなぜでしょうね。

「アグネス・バルツァもいるわよ(笑)。だけど、マリア・カラスにしたって、最初はギリシャ系の名前は使ってなかったでしょう。それに国の大きさといい歌手が出演する確率だったら、スカンジナビアの方が上じゃないかしら。ただ、ギリシャって音楽に限らず、演劇とかの伝統が長いということはいえるかもしれないな。文化的土壌に関しては」


―――それもあって、あなたのボッカチオは芝居部分も見応えがあるのかな。

「私がラッキーだったのは、音楽学校で、最初の頃にあった演劇の授業で、先生が自然に演じることの重要性を教えてくれたの。カルメンであろうが、ヴィオレッタであろうが、とってつけた演技をするのではなく、ちゃんと役柄の人物に入り込み、その人物の日常のように自然に動けなければいけない、と。もちろん歌の勉強も大事だけど、オペラやオペレッタをやるからには、芝居部分をおろそかにしては台無しだと教わったのよ。特に『ボッカチオ』のような作品の場合、私の歌う声はどうしたって女性よね。でも、芝居をする時は、男っぽい低い声で喋るころもできる。そうなると、そのバランスがとっても大切で、演技はより重要になってくるのよ」


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―――『マトリックス』の例が出たように、オフタイムは芝居や映画を?

「もう映画中毒といっていいくらい!いろんな映画からインスピレーションを得ているわ。例えばウォン・カーウァイ監督の『花様年華』なんて、服からナプキンにいたるディテールに、目線の絡ませ方・・・。もう完璧と言える。ただ、オペラの場合は映画みたいに何カットも撮ってもらえないから(笑)、本番1回で素晴らしい表現にしなくちゃいけないの。でも、映画もオペラやオペレッタからインスピレーションをもらってるのよ(笑)。ロミー・シュナイダーやソフィア・ローレンの出演作の中には『ボッカチオ』的ストーリーのものもある。お互い様ね。実は私がカルメンを演る時、一番参考にしたのは、カルロス・サウラ監督のフラメンコ版『カルメン』なの。もう、あのときはフラメンコ教室にも通いつめたわ(笑)」


―――勉強というか、いろんな方面からヒントを得るのが大好きなんですね。

「ええ。今こうしてカフェにいる間も、向こうの席のおじさん3人は『ボッカチオ』みたいに女性談義しているのでは?って創造したり(笑)。そして、役も作品もどんどん肉厚になっていくのよ」

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ウィーン・フォルクスオーパー キャスト変更のお知らせ

ウィーン・フォルクスオーパーのキャストが歌劇場側の都合により、下記のとおり変更となりました。


『こうもり』

アデーレ: ダニエラ・ファリー(5/23,25,27)
アンドレア・ボグナー(5/24)
『ボッカチオ』
ロッテリンギ: クルト・シュラブマイヤー(5/30,6/1)
サンドール・メネス(5/31)
『マルタ』
リッチモンドの判事: ヨゼフ・フォルストナー(6/6,8)
ライムント=マリア・ナティエスタ(6/7)
*その他の主なキャストは、各作品の「CAST/STAFF」ページでご確認ください。
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『ボッカチオ』主演 アンティゴネ・パポウルカス インタビュー1

『デカメロン』などの著作で知られるイタリアの作家ボッカチオ。そんな彼を主人公にしたスッペのオペレッタ『ボッカチオ』はウィーン・フォルクスオーパーでも人気演目の一つだ。男女の機微を、女性の気持ちをくみ取って描いたボッカチオは、当然あの時代の女性たちの圧倒的支持を得ていたというが、フォルクスオーパー版でボッカチオ役を演じているアンティゴネ・パポウルカスが宝塚の男役トップスター並みの長身、美貌で舞台映えすることといったらない! 素顔の彼女もスポーティなハンサム・ウーマンで、来日公演では一番人気になりそうだ。


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アンティゴネ・パポウルカス(ウィーンにて)


―――舞台もカッコ良かったけど、ご本人も物凄くカッコ良くて、ドキドキしています(笑)。
「ありがとう。おかげさまで・・・かな(笑)」


―――以前、私が観た『ボッカチオ』のタイトルロールは確か男性でテノールだったような・・・。
「初演というか、元々はメゾ・ソプラノの女性の役として書かれているんですけど、その後、男性に変わって、今また女性の手に取り戻したという経緯なのよ」


―――取り戻せてよかった!
「特に、私はね(笑)。というのは、私が得意にしている役って、『フィガロの結婚』のケルビーノ、『ばらの騎士』のオクタビアン。何せ『ヘンデルとグレーテル』のヘンゼル役で男役がスタートしたぐらいで、もうどっちかというと男の役専門といってもいいくらい(笑)」


―――フェンシングのシーンもサマになっていましたし。
「あれは舞台のためだけじゃないのよ。私、スポーツとしてフェンシングをやっていたの。実際に私が10歳か11歳のとき、アニァ・ヒステルというドイツの女性選手がオリンピックで金メダルを取って、それを見て感動しちゃったのよ。とてもアグレッシブなスポーツなのに、でもそのアグレッシブさを自分がコントロールして、速さの中に優雅さもある。集中力もものすごいし。で、1歳下の弟とずっと一緒におもちゃの木の剣とかでフェンシングをやっていたんだけど、どうしても本物のフェンシングがやりたくなって、親に頼んでやるようになったの」

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『ボッカチオ』のフェンシング・シーン(photo:Dimo Dimov/Volksoper Wien)


―――歳がひとつしか離れていない弟というと・・・。
「そう。もう男の子が2人みたいなものね(笑)。実際、弟とはとても仲良しで、いつも走り回っていたから。でも、映画の中の剣ファイトって、『スター・ウォーズ』のライトセーバーとかはSFXをいっぱい使ってて、あまりびっくりしなかったけど、『マトリックス』はちゃんと生身の人間があそこまでやるのは凄いと思った。私は『マトリックス』が好きなのよ(笑)」


―――そういえば、どことなく(『マトリックス』に出演している)キャリー=アン・モスに似ているような。
「それ、一番うれしいお世辞よ(笑)」


―――でも、なぜフェンシングから歌の世界に方向転換したの?
「それは、私の家族の血というか、家系によるものが大でしょうね。私の父はずっとフォルクスオーパーと(ウィーン)国立歌劇場で歌っていて、テノール歌手なの。私自身はフランス語と美術史の先生になりたいと思っていて、そういう特別な学校に行っていたの。ま、それでも学校のコーラスぐらいでは歌っていたけど。それで、高校の最後の学年になって、父が「ちょっとくらいレッスンしてみようか」って(笑)。全然深刻なものじゃなくて、ただ、笑いながらの楽しいレッスンをやってくれたら、なんか「才能がある」ってことになって(笑)。あわてて音楽大学の願書を取り寄せ、試験を受けてみたら受かっちゃったの。それでまあ、音楽をやることにしたのよ」

佐藤友紀(フリーライター)

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『マルタ』日本公演に向けての再演が大成功!

昨年年末から1月にかけてウィーン・フォルクスオーパーでは、5月・6月の日本公演に向けて、日本公演とほぼ同じキャストで『マルタ』が再演されました。9年ぶりの日本公演には、歌劇場はもとよりウィーンの人々も注目を寄せているようで、多くの現地新聞に批評が掲載さました。この公演の舞台写真と併せてご紹介いたします。
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(左より)プランケット:ラルス・ヴォルト、ナンシー:ダニエラ・シンドラム
ハリエット(マルタ):メルバ・ラモス、ライオネル:ヘルベルト・リッペルト


【ノイエ・クローネン紙】

マルタ「日本公演へ向け準備万端」拍手喝采

 マイケル・マッカフェリー演出によるフロトー作「マルタ」は、今日もなお新鮮で快活な魅力を失わないフォルクスオーパーでもロングランの人気公演である。

 フォルクスオーパーは日本公演(豪華な舞台はジュリアン・マッゴーワンによる)のために満を持して総仕上げをかけた。指揮者のアンドレアス・シュラーはアンサンブルを非常にダイナミックに率いている。惜しみない拍手を歌手全員に贈りたい。メルバ・ラモスの無鉄砲なレディ・ハリエット、別名マルタの高音域はきらりと光り輝き、ダニエラ・シンドラムは、存在感あるナンシー役を、マティアス・ハウスマンは、変わり者で大仰なトリスタン卿を演じた。今回がウィーン・オペラへのカムバック初舞台であったヘルベルト・リッペルトは、力のこもったライネルを披露している。フロトーのヒット曲は輝きを放っている。

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ハリエット(マルタ):メルバ・ラモスとライオネル:ヘルベルト・リッペルト


【クリーア紙】

日本公演成功も間違いなし

 ウィーン・フォルクスオーパーの日本公演が来年5月から6月にかけて行われる。演目は、シュトラウスの『こうもり』、ズッペの『ボッカチオ』そしてフロトーの『マルタ』である。このビッグイベントの先触れをとして、ウィーン外側環状道路ギュルテルに面したホームグラウンドでフリードリヒ・フロトーのオペラが再演された。日本公演でライオネルを演じるテノールは、ウィーン長期不在後、ウィーン・オペラへのカムバックを果たした。その名はヘルベルト・リッペルト。リッペルトのライオネルは非常に親しみやすく、高音域で確固としているは、言葉の発音が鮮明、正確だからである。ラルス・ヴォルトは面白おかしいプランケット役がすっかり板についており、ヴォルトのプランケット役デビューはフォルクスオーパーに好結果をもたらした。力強い歌唱力のダニエラ・シンドラムによるナンシーとマティアス・ハウスマンの見事気どったトリスタン卿も申し分ない。マイケル・マッカフェリーとジュリアン・マッゴーワンによる現実的で史実に忠実な演出は、どちらかといえば保守的な客層向きであろう。

【ヴィーナー・ツァイトゥング】

 2003年成功裏に終わった初演と変わらない新鮮な演出。つまり田園のロマンチックな物語、貴族階級を描いた通俗作品、ところどころに鋭いアイロニーのスパイス、すべてがスマートで敏捷、といった各要素は、主人公が無理やり女中仕事をさせられ、四苦八苦して糸車の糸を紡ぐ場面においても底流となっている。

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 初めてライオネルを演じるヘルベルト・リッペルトは、ところどころにはっきりしないところが認められるものの、「マルタ、マルタ、君は消えてしまった・・・」、で始まる超絶技巧的なブラヴォー・アリア(ああ、かくも汚れなき)では一部の隙もない。リッペルトは、最高音域も絶対にはずさない確実さと明るい叙情性を持ち、上演中でも歌唱後の拍手喝采が鳴り止まずに舞台に呼び戻されるほどの人気者である。フォルクスオーパーが今回初めてマルタを託したメルバ・ラモスの最高音はところどころシャープなところもあり、元気の良い演技と歌唱のニュアンスにレガートのテクニックが加わり、さらにそれを補っている。ラルス・ヴォルト演じる(硬派で情愛に満ちたプランケット)とダニエラ・シンドラム(ナンシー)はフォルクスオーパーにデビューする組み合わせとしては、まさに理想的であろう。新鮮な雰囲気と演じる喜び、そして陰影のあるメゾソプラノと濃厚なバスが融和し、おどけた二重唱を堪能させてくれる。マティアス・ハウスマン演じるデフォルメされたどじなトリスタン卿、判事役のライムント=マリア・ナティエスタも笑わせてくれる。

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photo:Dimo Dimov/Volksoper Wien

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「マルタ」舞台映像

「マルタ」のダイジェスト映像をアップロードいたしました。
さわりだけですが、「庭の千草」や「ああ、かくも汚れなき」をはじめとする珠玉のナンバーをお楽しみください。

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フォルクスオーパー CD情報

 フォルクスオーパー日本公演を控え、CDに関してのお問い合わせを多数いただいております。

 そこで、今回日本公演で上演される『マルタ』のライブ収録CD、『こうもり』のナンバーが収録されている『オペレッタ・ライブ2』をご紹介いたします。

 『マルタ』は2003年上演の舞台より、ハリエット(マルタ)とライオネルが恋に落ちる場面で歌われ、日本では「庭の千草」(Letze Rose)の名で知られるテーマ曲、酒場で陽気に飲んでいるプランケットが「イギリスの男が強いのは、バケツでビールを飲むからさ」と歌う「一言訊ねたいがね」、ライオネルがマルタへの忘れらない想いを切々と歌う、「ああ、かくも汚れなき」(Ach! so fromm,ash! so traut)など、15曲が収められています。

 『オペレッタ・ライブ2』は、『こうもり』のほかレハール作曲『ルクセンブルク伯爵』、ベネツキー作曲『白馬亭にて』からの聴きものがズラリ。『こうもり』からは序曲のほか、アルフレートのアリア「いとしい人よ、早くお飲み」、アデーレのアリア「あなたのような方は」、そしてオルロフスキーによる<シャンパンの歌>に続けて一同が声を揃える「親しい仲間よ兄弟、姉妹の間柄になろう」が収録されています。

 近日中に『ボッカチオ』のライブCDの発売も予定されています。NBSで、これらのCDをお取り扱いいたしますので、ご購入をご希望の方は下記までメールにてお問い合わせください。

 

<ウィーン・フォルクスオーパー ライブCD>

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■お問い合わせ先: wien@nbs.or.jp

■販売価格:3,150円(税込・送料別)

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フォルクスオーパーの最新情報をお届けします。

来年5月、9年ぶりの来日を果たすウィーン・フォルクスオーパー。
ウィーン国立歌劇場とともに“音楽の都”ウィーンを代表するオペラハウスで、“オペレッタの殿堂”とも呼ばれるウィーン・フォルクスオーパーの最新情報をお届けいたします。
「こうもり」、「ボッカチオ」、「マルタ」の見どころや舞台映像、出演者のインタビューなども掲載する予定ですので、お楽しみに。

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