東京バレエ団の2013年は、子どものためのバレエ「ねむれる森の美女」からスタートします。子どもたちの豊かな感性を育むことを目的とするこの子ども向けバレエは、東京バレエ団が近年とくに力を注ぐものです。2012年初演時の反響に応え、2013年には1月の東京公演のほか、夏休みの7月から8月にかけては全国縦断公演を実施します。1月には、東京バレエ団にとってのもう一つの使命といえるモーリス・ベジャール作品による〈ベジャール・ガラ〉を開催。また、1月から2月には、バランシン、ノイマイヤー、ベジャールといった振付家たちの傑作による〈バレエ・ガラ〉で全国を縦断します。夏の全国公演を挟んではバレエ・ブラン・シリーズ。6月はピエール・ラコット振付「ラ・シルフィード」、10月は「ジゼル」で、ロマンティック・バレエの醍醐味を披露します。11月、スーパー・バレリーナ、シルヴィ・ギエムとの共演は、マッツ・エック振付「カルメン」。東京バレエ団初演となります。12月には、2014年の創立50周年にちなんだ〈創立50周年記念公演シリーズ〉が始まります。その皮切りとなるのは世界に誇る名作「ザ・カブキ」です。古典、モダン、子どもむけバレエ、さまざまなジャンルに力を発揮する東京バレエ団の公演を、どうぞお楽しみに。

1月

子どものためのバレエ
「ねむれる森の美女」

モーリス・ベジャール没後5年記念シリーズ(2)
〈ベジャール・ガラ〉

「ギリシャの踊り」「火の鳥」「ドン・ジョヴァンニ」 「中国の不思議な役人」

1~2月

全国縦断公演
〈バレエ・ガラ〉

「テーマとヴァリエーション」「スプリング・アンド・フォール」「ボレロ」「ギリシャの踊り」

6月

バレエ・ブラン・シリーズ(1)
ピエール・ラコット振付 「ラ・シルフィード」

7~8月

子どものためのバレエ
「ねむれる森の美女」全国縦断公演

10月

バレエ・ブラン・シリーズ(2)
「ジゼル」

11月

〈シルヴィ・ギエム&東京バレエ団〉
マッツ・エック振付「カルメン」初演ほか

12月

創立50周年記念公演シリーズ(1)
「ザ・カブキ」


東京バレエ団が創立50周年に向けて“金字塔”準備中!

 毎年、京都の清水寺で墨書される「今年の漢字」が「金」と発表されました。ロンドン・オリンピックの金メダルや金環食、東京スカイツリーの開業にちなみ、「金字塔づくしの1年だった」からということのようです。前年の「絆」はすんなり合点がいったかと思いますが、2012年は混沌としていて「金」一文字では表しきれないと感じた人も多いのではないでしょうか。肌で感じるのは日本全体がますます元気をなくしているように思えることで、金色に輝いている前向きのイメージはあまりなかったように思います。東日本大震災からの復興も目に見えて進んでいるとは思えず、経済は低迷、政治は混迷の度を深め、日本全体がすっぽり暗雲に覆われているような気さえします。
 2013年は政治も一新され、経済も上向き、暗雲が吹き飛んで陽射しが差し込んでくることを願っています。このところ舞台芸術の世界も同様にどんよりしていましたが、劇場は夢と希望を売るところですから、観客の皆さまに青空を感じ、元気を出してもらえるような公演をどんどん提供したいと、新しい年を迎え気持ちを奮い立たせているところです。
 NBSにとっての2013年は、オペラはミラノ・スカラ座、バレエは英国ロイヤル・バレエ団をはじめ、大きなプロジェクトが目白押しです。加えて東京バレエ団が2014年に創立50周年を迎えることから、50周年記念シリーズが今年の12月からスタートいたします。創立50周年は東京バレエ団にとって大きな節目ですので、これを機にさらなる飛躍を期したいと念じております。そのために、さまざまな50周年企画を準備中です。ノイマイヤー振付の「ロミオとジュリエット」初演(2014年2月)、50周年祝祭ガラ(8月)、ベジャール振付「第九」初演(11月)、古典全幕バレエ新制作初演(2015年2月)、第26次海外公演(5月~7月)をはじめ大型企画満載です。この欄の左に掲げた図が、創立50周年のロゴ・マークです。「ゴールデン・ジュビリー」の文言にちなみ、金色の五角形に50の文字をあしらっています。このロゴ・マークを掲げ、数々の金字塔を打ち立てたいと意気込んでおりますので、これまで以上に皆さまのご支援を賜れれば幸いこのうえありません。
 2013年はどんなことが待ち受けているかわかりませんが、今年こそ皆さまが金色に輝く希望がもてる年になることを願っています。

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