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2018/10/19 2018:10:19:16:50:00

アンナ・オサチェンコ(シュツットガルト・バレエ団) スペシャル・インタビュー

 アンナ・オサチェンコは2002年にシュツットガルト・バレエ団に入団し、2008年にプリンシパルに昇進。カンパニーの看板ダンサーの1人として、これまでの来日公演においても様々な役を踊って日本の観客を魅了してきました。そんなオサチェンコが得意とする「オネーギン」、「白鳥の湖」について語ったスペシャル・インタビューをお贈りします。オサチェンコの聡明な人柄のあふれるインタビューです。ぜひご一読ください。



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「白鳥の湖」の登場人物の中で、オデットは唯一、心の純粋な人

 

ーー今回は「白鳥の湖」に主演します。あなたにとってオデット、オディールはどのような女性ですか?それぞれの役の解釈をお話ください。

 オデットは白鳥の姿に変えられてしまった女性です。人の助けを借りなければ白鳥の姿から自由になることはできませんが、内面は、芯の強い女性です。彼女のことを心から、誠実に愛する男性がきっとロットバルトの呪いを解いてくれると信じ、望みを捨てません。彼女はまた、許すということの出来る女性でもあります。ジョン・クランコの「白鳥の湖」のすべての登場人物の中で、オデットは唯一、心の純粋な人なのです。
一方で、実は、オディールは女性ですらないんですよ! クランコ版では、オディールは、オデットの姿に変えられた悪魔で、邪悪な魔法使いロットバルトに操られているのです。オディールはセクシーで魅惑的です。まさに若い男性が惹かれがちなタイプの女性なので、ジークフリートにも魅力的に映ってしまうのです。でももちろん、その美しい見かけの内側はとても邪悪なのです。


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ーーオデット/オディールの視点からみて、クランコ版「白鳥の湖」の王子はどのような男性でしょうか?

 オデットは、ジークフリート王子は自分を愛し誠実でいてくれるものと心から信じています。ですから、そうではないと分かった時には呆然とし途方に暮れるのですが、しかしその時にはすでに、白鳥の姿から解かれたいという望み以上に王子のことを愛していたために、王子のことも許すのです。一方、オディールはジークフリートのことは冷淡に見ており、王子は若く衝動的なので、簡単に操れると分かっています。冷血にふるまい、ジークフリート自身のもっている欲望の罠に捉えてしまいます。


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ーーパートナーのデヴィッド・ムーアはあなたからみてどのようなダンサーでしょうか?

 デヴィッドと踊るのは大好きです。人としても王子のような人ですよ。とても紳士的で、人を思いやり礼儀正しい。それにルックスもまるで王子なので、「白鳥」は彼とはとても踊りやすいんです! 「白鳥の湖」は二人で踊った初めての大作でした。舞台ではデヴィッドはとても落ち着いていて、彼の眼を見れば――この作品の難しい場面でも――彼が落ち着かせてくれます。


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両方の役を踊ることで、それぞれをより明確に理解できるようになります


ーー『オネーギン』は日本ではオリガを踊りますが、タチヤーナもレパートリーにしていらっしゃいます。2役を踊ることで、それぞれの役に対する見方、考え方に変化はありましたか?

 オリガとタチヤーナは全く異なる役柄です。両方を踊ることで、それぞれの役をより明確に理解できるようになります。若く、軽薄でのんきなオリガは、"今が良ければよい"と短絡的に人生を楽しみます。タチヤーナはより賢明で、やや内省的で思慮深く、読書好きです。純真で世間知らず、そしてロマンチックで、完璧な男性との完璧な生活を夢見ており――作品の冒頭では――きっと実現すると信じているのです。


ーー日本のファンに向けたメッセージをお願いします。

 日本に行くことが待ち遠しいです。日本の素晴らしいお客様の前で踊ることを楽しみにしています。行くたびに私たちを迎えてくれる、日本の文化、食べ物、皆さんの温かな歓迎が大好きです。


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