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2018/10/25 2018:10:25:22:05:27

ジェイソン・レイリー(シュツットガルト・バレエ団) スペシャル・インタビュー

 ジェイソン・レイリーという名前に、これまで日本で披露してきた数々の名舞台を思い出すバレエ・ファンの方も多いのではないでしょうか? 「眠れる森の美女」のエレガントな王子と邪悪なカラボスをあざやかに演じ分けたかと思えば、「じゃじゃ馬馴らし」のペトルーチオで魅せた破天荒な演技と胸のすくようなテクニック......ダンサーとしての円熟期をむかえたレイリーは、今回の日本公演で十八番のオネーギン役を披露します。公演を前に、レイリーの作品への愛あふれるインタビューをお贈りします。ぜひご一読ください!



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オネーギンは身体の一部になっています


―――初めて「オネーギン」を踊られたときのことをお話いただけますか?

 オネーギン役デビューは、ここシュツットガルトで2006年のことでした。相手役はエレーナ・テンチコワ。エレーナはロシア人ですからこの作品を踊るには完璧なバックグランドを持っていましたし、私は彼女と踊るのが大好きでした。加えて、リード・アンダーソンから指導をしてもらえるという幸運にも恵まれました。彼はこの作品のすべて、つまり複雑なリフトのマスターの仕方から、情熱的な演技まで、すべてを知り尽くしていましたから、教えてもらえたことは本当に素晴らしいことでした。
当然ながらデビュー当日はとても緊張しましたが、公演が成功したことで、私はこの役にすっかり夢中になってしまいました。


―――何度もオネーギン役を踊られてきて、この役に関する解釈や想いに変化はありましたか?

 もちろんです! オネーギンへの理解は高まってきていますので、役により深みを持たせることができるようになり、今では踊っている間はとても自由を感じています。リフトなど技術的に難しいことも、今では身体の一部になっていますので自然に感じます。この役が大好きですから常に取り組み続けていますが、ひとたび舞台に上れば、どんなことがおころうとも完全に心地よくいられます。


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私にとってオネーギンは現実の人物です


―――「オネーギン」を演じるうえで大切にしていることはありますか?

 そうですね、この作品は何といっても「壮大なドラマ」!!!ということです。世界的に有名な数多くの全幕バレエの中でも、『オネーギン』はとりわけ人間的な物語です。19世紀を舞台としていますが、現在でも十分に起こりうる話です。私がオネーギン役を大好きなもう一つの理由は、物語が進むにつれて、彼が変化し成長していく点です。私にとってオネーギンは現実の人物です。


―――オネーギンという人物は、どのような人間だといえるでしょうか?

 物語の始めでは、オネーギンは傲慢で、自己中心的な冷たい人間です。その後、物語を通じてだんだんと傷つきやすく、自信を失っていきます。最後のパ・ド・ドゥは、それまで他人や自分に対しあまりに破壊的であった後に、彼の人生にどうにか良いことが起きるようにと必死に起こした最後のあがきだったのです。タチアーナが追いやった後のオネーギンはどうなったのだろうか、と考えることがよくあります......。


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―――今回はディアナ・ヴィシニョーワとの共演です。公演への抱負をお願いします。

 ディアナ・ヴィシニョーワと踊るのは私の夢の一つでした。彼女は現代の生きるダンス・レジェンドですから本当に興奮しています! これまでにも多くの世界的トップ・バレリーナと踊ってきましたが、今回は特別です。オネーギンは充分に踊ってきているので、彼女にパートナーとしていろいろと提案できることがあればいいなと思いますし、彼女に対してきっと私のベストを尽くせるだろうという自信もあります。


―――日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

 日本のファンの皆さまの前で踊れることを心から楽しみにしています。日本の皆さんの声援、エネルギーそして素晴らしい雰囲気が大好きです。


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