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2018/11/14 2018:11:14:18:00:00

「スプリング・アンド・フォール」公開リハーサルレポート

 昨日(11/13[火])、東京バレエ団のスタジオにてマスコミ向けの公開リハーサルを行いました。今回は11/30(金)~12/2(日)に上演される〈20世紀の傑作バレエⅡ〉の上演作品の中から、ノイマイヤー振付「スプリング・アンド・フォール」のリハーサルを公開。リハーサル後には芸術監督の斎藤友佳理、主役を踊る川島麻実子、柄本弾が出席し、記者懇親会が行われました。その様子を高橋森彦氏(舞踊評論家)のレポートでご紹介します。ぜひご一読ください。

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 東京バレエ団が2018年11月30日(金)、12月1日(土)昼・夜、12月2日(日)に新国立劇場中劇場で催す〈20世紀の傑作バレエⅡ〉では、ジョン・ノイマイヤーの『スプリング・アンド・フォール』(音楽:ドヴォルザーク)、ジェローム・ロビンズの『イン・ザ・ナイト』(音楽:ショパン)、イリ・キリアンの『小さな死』(音楽:モーツァルト)、モーリス・ベジャールの『ボレロ』(音楽:ラヴェル)という4人の巨匠振付家の名作を一度に味わえる。

 初日まで3週間を切った10月13日(火)、『スプリング・アンド・フォール』の公開リハーサルが行われた。同作にはドヴォルザークの「弦楽セレナーデ」が用いられ、10人の男性と7人の女性が踊る。この日は11月30日(金)と12月2日(日)に主演する川島麻実子&柄本弾を中心としたキャストで見ることができた。


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川島麻実子、柄本弾


 第1楽章 モデラートは無音に始まり、ダンサーたちが下手から現れ、上手へとはけていくと、独り残された柄本が音楽と共に踊りだす。そこへ杉山優一、次いで宮川新大が加わり、3人によるゆったりとしたユニゾン(同じ振りを踊ること)が印象に残る。第2楽章 テンポ・ディ・ワルツは川島のソロに続いて女性陣の踊り、男女ペア4組の踊りなどが流れるようなワルツにのせて繰り広げられていく。


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 第3楽章 スケルツォ・ヴィヴァーチェは胸をぶつけ合う男二人からスタートし、男性10人が入り乱れ弾けるように踊り、そこに川島も入る。第4楽章 ラルゲットでは、よどみなく美しい響きと共に川島と柄本が甘く切ないパ・ド・ドゥを見せ、第5楽章 フィナーレ:アレグロ・ヴィヴァーチェでは全員がにぎやかに踊って幕。出演者たちはリリカルさと力強さが絶妙に織り成すノイマイヤー一流の詩的世界に息づいていた。


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指導をする斎藤友佳理(東京バレエ団芸術監督)


 記者懇親会では、まず芸術監督の斎藤友佳理が同作への思いを語る。東京バレエ団初演は2000年2月、ノイマイヤーの新作『時節の色』との同時上演時で、斎藤は両作品の要を踊っている。「ノイマイヤーさんをより理解することができた貴重な時間となりました。それからずっとずっと思い入れのある作品です」。
 川島は「何度か踊っていますが、その時その時の自分の年齢だったり、立場だったりによって思いが変わってきます」と心の内を明かした。川島は日替わりで『イン・ザ・ナイト』の第2、第3パ・ド・ドゥも踊り、「一つひとつの作品に自分の気持ちを込めると、きっとその作品の良さが出てくる」と意欲を示す。


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川島麻実子(東京バレエ団プリンシパル)


 柄本は日替わりで『イン・ザ・ナイト』の第3パ・ド・ドゥと『ボレロ』の主役"メロディ"も踊る。「『スプリング・アンド・フォール』と『ボレロ』では主役として皆を背中で引っ張っていけるようにしたい。燃え尽きずに3日間無事に踊ることが課題なのでがんばっていきたい」と決意を述べた。


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柄本弾(東京バレエ団プリンシパル)


 斎藤が芸術監督に就いて3年余り。今回は現代作品の大切なレパートリーを磨き上げての公演で、斎藤は「3年間の、ある意味での集大成」と自負する。『白鳥の湖』や『眠れる森の美女』だけがバレエではない――。クラシック音楽の名曲と共に贈る巨匠たちの名作に接すれば、人間の身体が奏でるバレエだからこそ伝わる奥の深い表現に心震えるに違いない。


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取材・文:髙橋森彦(舞踊評論家)



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