2019/02/28 2019:02:28:10:00:00[NBS最新情報]
映画「ボヘミアン・ラプソディ」がメガヒット、ゴールデン・グローブ賞に加えてアカデミー賞4冠に輝き、大ブレイク中のロックバンド、クイーン。そのヴォーカリスト、フレディ・マーキュリーに捧げる奇跡のパフォーマンス「バレエ・フォー・ライフ」が、2020年5月、日本に上陸決定!
ロック・コンサートを思わせるドライヴ感たっぷりの照明の下、「ボヘミアン・ラプソディ」をはじめクイーンの17の名曲にのせて、名門〈モーリス・ベジャール・バレエ団〉が踊る。その鍛え抜かれたダンサーたちが身に着けるのは、イタリアの伝説のデザイナー、ジャンニ・ヴェルサーチの衣裳。何もかもが型破りなこのバレエは、初演(1997)のカーテンコールでブライアン・メイとロジャー・テイラー、ジョン・ディーコン、そしてエルトン・ジョンが登場して「ショウ・マスト・ゴー・オン」をライヴ演奏したという、クイーンお墨付きのパフォーマンスです。
クイーンのフレディ・マーキュリーが、バレエやシアトリカルなパフォーマンスに憧れていたことは、彼がライヴやビデオクリップでバレエタイツを着用したり、英国のバレエ団の舞台に立った経験があるというエピソードでも知られています。
そんな彼の想いを叶えるかのように、このバレエにはフレディと思しき人物が、トレードマークだったタイツやレザーパンツをつけて登場します。ダンサーたちは、おなじみのヒット曲にのって生を炸裂させるように踊ります。あの伝説の「クイーン・ライヴ!! ウェンブリー1986」や「ライヴ・キラーズ」などライヴ音源も交えて、さながらコンサート会場と劇場を行き来するような、バレエのイメージを超えたステージです。
このバレエを創作したのは、20世紀のバレエに革命をもたらしたと言われる巨匠、モーリス・ベジャール。ベジャールはフレディの死後に発表された「メイド・イン・ヘヴン」のジャケット写真を見て衝撃を受けたといいます。そこに写るスイスのモントルー湖畔の風景、それはフレディが晩年を過ごした場所であると同時に、ベジャール自身が別荘から目にしていた風景だったのです。
がぜんクイーンに興味をもったベジャールは、フレディについて調べ、彼らの音楽を聴きこんで、「アイデア、強烈さ、ユーモア、愛...ここにはすべてがある」とほれ込みました。当時70歳だった巨匠の、鋭敏でみずみずしい魂を物語るエピソードです。ブライアン・メイは「もっとも偉大なクリエーターとの素晴らしい交流だった」と語っています。
このバレエにはもう一人の主人公がいます。それが、クイーンのフレディと同じ歳に同じ病で、1年後に亡くなった、ベジャールの最愛のダンサー、ジョルジュ・ドンです。ともにカリスマ的な才能を持ちながら夭折したアーティストたち。フレディのライヴ感たっぷりの伸びやかなヴォーカルと、モーツァルトの晴れやかな天上性が、生の輝きと死の静寂を鮮やかに対比させてゆく中、クライマックスには巨大なスクリーンに生前のドンのコラージュ・フィルムが映し出されます。舞台が一転して、現代の犠牲者たちの追悼式ともいうべき厳かな雰囲気を帯びると、客席の興奮は絶頂に達し、涙と感動の嵐が巻き起こるのです。
「バレエ・フォー・ライフ」は、初演地パリや本拠地ローザンヌで再演を重ね、クイーンの出身地ロンドンやドンの母国アルゼンチン、そして欧州、日本、中国など国境を越えて熱狂的な支持を受けてきました。日本には、パリ初演の翌年1998年に早くも上陸。その舞台はバレエ・ファンとクイーン・ファンを巻き込んで圧倒的な衝撃と感動をもたらしました。その後も3度の日本公演で上演され、ことにベジャールが前年に亡くなった2008年の公演では、フレディとドンに加えてベジャール追悼も重なり、大きな盛り上がりを見せました。その日本公演のパンフレットには、ブライアン・メイも追悼の辞を寄せてくれました。
2020年5月、数々のエピソードと感動の記憶にあふれた伝説の舞台にふたたび出会えます!
クイーン | 音源アルバム |
---|---|
イッツ・ア・ビューティフル・デイ | メイド・イン・ヘヴン |
タイム | ザ・フレディ・マーキュリー・アルバム |
レット・ミー・リヴ | メイド・イン・ヘヴン |
ブライトン・ロック | ライヴ・キラーズ |
ヘヴン・フォー・エヴリワン | メイド・イン・ヘヴン |
ボーン・トゥ・ラヴ・ユー | メイド・イン・ヘヴン |
カインド・オブ・マジック | カインド・オブ・マジック |
ゲット・ダウン・メイク・ラヴ | ライヴ・キラーズ |
シーサイド・ランデヴー | オペラ座の夜 |
テイク・マイ・ブレス・アウェイ | 華麗なるレース |
RADIO GA GA | ザ・ワークス |
ウインターズ・テイル | メイド・イン・ヘヴン |
ミリオネア・ワルツ | 華麗なるレース |
ラヴ・オブ・マイ・ライフ | クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986 |
ボヘミアン・ラプソディ | クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986 |
ブレイク・フリー(自由への旅立ち) | クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986 |
ショウ・マスト・ゴー・オン | イニュエンドゥ |
モーツァルト | |
エジプト王タモス | |
コシ・ファン・トゥッテ | |
ピアノ協奏曲第21番 | |
フリーメーソンのための葬送音楽K.477 |
Photo: Yoshihiro Kawaguchi
1959年、ブリュッセルのモネ王立劇場における衝撃的な『春の祭典』の成功により、20世紀バレエ団(後のモーリス・ベジャール・バレエ団)を設立。肉体の存在を強調した男性中心の舞踊、哲学的なテーマ、スペクタクル性の強い演出などにより、「ボレロ」「春の祭典」「第九交響曲」など多くの傑作を送り出し、バレエ界に革命をもたらした。1997年、最愛のカリスマ・ダンサーだったジョルジュ・ドン、同時期に亡くなったクイーンのフレディ・マーキュリーらを追悼するために、クイーンの音楽を使って創作した「バレエ・フォー・ライフ」が世界中で絶賛を浴びる。2007年11月22日、ローザンヌで死去。享年80歳。