2019/03/14 2019:03:14:23:10:59[NBS最新情報]
東京バレエ団初演「海賊」の初日まであと1日となりました。会場の東京文化会館では、先ほどまで本番に向けた最終リハーサルが行われていました。
本作の初演にあたり、東京バレエ団では入念な準備を重ねてきました。まずは振付家であるアンナ=マリー・ホームズ氏本人を招き、5週間にもわたって密度の濃いリハーサルを続けてきました。そして、主役の4名(メドーラ、コンラッド、アリ、ギュルナーラ)以外のソリスト役は全て団内のオーディションで選抜。その結果、ベテランのソリストから入団1年目の研究生まで、これまでにない多彩な配役が実現。全5公演ですべてキャストの組み合わせが変わることなりました。
今回の上演では衣裳、舞台装置は芸術の殿堂、ミラノ・スカラ座のものを使用します。世界最高峰の職人たちの手による衣裳、装置は芸術品といえるほどの完成度を誇っています。衣裳は「すごく着心地が良いし動きやすい!!」(山田眞央)と、ダンサーたちもとても嬉しそうです。
また、初演のためにスカラ座から3名のスタッフが来日し、日本側とスタッフと力をあわせて舞台をつくっています。
衣裳部屋の取材の一コマ
仕込みの合間をぬってスカラ座から来日した舞台スタッフにインタビューしました
今回の公演は、リハーサルから本番までの過程をCSテレ朝チャンネル2、およびWOWOWの2つのテレビ番組で異なる角度から取材していただいています。舞台映像も一部番組で放送される予定ですのでどうぞお楽しみに!
そして本日(3月14日)はゲネプロ(舞台総稽古)。オーケストラとマエストロ(ケン・シェ)とは特にテンポを入念に確認しました。幕間の休憩時間には斎藤友佳理(芸術監督)、佐野志織(バレエミストレス)がダンサーたちにかけより、修正箇所を細かく確認していきます。ホームズ氏はマエストロとオーケストラのそばに駆け寄り、「そこはもっと早く!」などと1小節も疎かにせず、細かく指示していきます。
2幕の海賊たちの洞窟の場面。写真は作業灯ですが、照明が当たると非常に美しくなります
3幕の仕込みの一コマ
ダンサーたちは初演のゲネプロでさぞ緊張しているかと思いきや・・・意外にもときおり笑いもこぼれるほどの和やかな雰囲気の舞台袖。「海賊」という作品を踊れることを、皆心から楽しんでいるようです。また、舞台で踊っているダンサーにあわせ、他の日に同じ役で舞台に立つダンサーが音に合わせて舞台袖で踊っているゲネプロならではの光景もみられました。
ただ、やはり楽しいだけではありません。「この作品では踊るか着替えるかしかしていなくて、休む間が全くない」(上野水香)と語る主役陣に加え、「過去最大人数の早替えで、舞台裏は戦場です(苦笑)」(上田実歩)と、1人で何役もこなす群舞のダンサーまで、それぞれの課題を抱えながらも一致団結して作品に取り組んでいます。
3幕の"花園"の場面。女性たちはこのあとの衣裳と頭飾りの着替えが物凄く大変です
そんな「海賊」も、いよいよ明日、3月15日にその全貌が明らかになります。東京バレエ団が総力をあげてお贈りする古典の名作をどうぞお見逃しなく!