2019/10/18 2019:10:18:12:40:32[NBS最新情報]
第3回世界バレエフェスティバル、アロンソとホルヘ・エスキヴェルによる「カルメン」
photo: Seiichi Hasegawa
20世紀の伝説のバレリーナの一人に数えられ、日本にも1970~80年代に〈世界バレエフェスティバル〉などでたびたび来日したキューバのアリシア・アロンソが、10月17日ハバナで亡くなりました。享年98歳でした。
ハバナでバレエを始め、のちアメリカに渡ってバレエ・キャラバン(のちのニューヨーク・シティ・バレエ)やアメリカン・バレエ・シアター、またバレエ・リュス・ド・モンテカルロを中心に世界的に活躍。1948年にキューバで立ち上げた自身のバレエ団が1955年にキューバ国立バレエ団となり、以後はその芸術監督を務めて、故国にバレエを根付かせた「キューバの至宝」と謳われました。
日本には1972年、東京バレエ団の「カルメン」(アルベルト・アロンソ振付)のために初めて来日。その後1976年に開催された第1回〈世界バレエフェスティバル〉に出演し、世界の頂点にたつ3大プリマとしてマーゴ・フォンテイン、マイヤ・プリセツカヤとともに喝采を分け合ったことはつとに有名です。
若い時から目の疾患を抱えていたにもかかわらず70代まで現役ダンサーとして踊り続けたアロンソは、以後3年に1回開催された〈世界バレエフェスティバル〉の第2回、第3回、第4回、第5回にも出演し、「白鳥の湖」のアダージオや「ジゼル」などの至芸で観客を魅了しました。
アリシア・アロンソさんの死に深く哀悼の意を表するとともに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
公益財団法人日本舞台芸術振興会
第1回世界バレエフェスティバルのカーテンコールより。右から5番目、主宰の佐々木忠次の隣りがアリシア・アロンソ。
photo: Seiichi Hasegawa