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2020/11/04 2020:11:04:13:20:23

ハンブルク・バレエ団2021年日本公演 演目変更のお知らせ

 2021年3月に来日を予定しておりますハンブルク・バレエ団ですが、このたび上演を予定しておりました作品に変更が生じましたのでここにご案内申し上げます。

 このコロナ禍の中で、どこの芸術団体も不安定な活動を強いられておりますが、ジョン・ノイマイヤー(ハンブルク・バレエ団芸術監督)の現況下における最良の作品を日本の観客に観てもらいたいという強い希望により、協議を重ねた結果、当初の上演作品を一部変更し、コロナ禍の渦中に生まれた新作『ゴースト・ライト』*(下記をご参照ください)を上演させていただくこととなりました。

 本作は、ヨーロッパ各国がコロナ禍によるロックダウンを余儀なくされた中で創作された、今の"ウィズ・コロナ"の時期に最も観客の心に響くバレエです。ダンサーたちはソーシャル・ディスタンスを守ったパートごとのリハーサルを根気強くすすめ、9月にハンブルク国立歌劇場で初演をむかえました。弊財団としても、「舞台芸術の灯りを絶やしてはならない」という作品が発するメッセージは、まさに今の時代に最も相応しい作品であると確信し、この度の演目変更を決断した次第です。

 また、10月にはバーデン・バーデン祝祭歌劇場の公演が大成功をおさめ、その様子が全世界に配信されました。その舞台は欧州の主要なメディアでも次のように絶賛されています。

"This is Neumeier without decoration. His movement language has seldom been so clear, so radical, so modern." (Die Welt, Manuel Brug, September 8, 2020)

「これぞ飾り気のないノイマイヤー。彼の舞踊言語がこれほどまでに明解で、過激で、モダンであったことはない」(ディ・ヴェルト紙)

"Emotional and intoxicating" (Badisches Tagblatte, Christiane Lenhardt, October 10, 2020)

「感動的そして魅惑的」(バーディシェス・タークブラット紙)

 また、この変更に伴い、日本公演のスケジュール、公演回数等に変更が生じております。詳細は下記にてご確認くださいますようお願い申し上げます。

 当初の作品での公演を楽しみにお待ちいただいておりましたお客様には大変申し訳ございませんが、振付家ノイマイヤー、そしてバレエ団総出演でお贈りする意欲作にご期待いただければ幸いこのうえございません。この度の演目変更についてご理解賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。

(公財)日本舞台芸術振興会

*「ゴースト・ライト」とは、舞台の中央に置かれた裸電球のスタンドのことです。アメリカ演劇界では、舞台上で公演、リハーサル、仕込み作業など、何も行われていないときにスタンドに裸電球が灯されるという伝統があります。これは、"灯りを灯し続けることで観客の熱気が劇場にとどまりますように"という劇場関係者の願いから生まれた慣習だと言われています。コロナ禍においても、劇場の灯りを守っていこうというアーティストたちの想いのこめられた本作を、ぜひ劇場で体感していただきたいと願っております。

『ゴースト・ライト』上演にあたり、ジョン・ノイマイヤーからのメッセージ

 日本での初めての客演以来ずっと、ハンブルク・バレエ団を活気に満ちた、多面的で、クラシックでありながら現代的なバレエ団として紹介したいというのが私の願いでした。ですからツアーのレパートリーは、その時々のカンパニーの最新の、そして真の姿を描く振付でなければならないし、ダンサーと観客の両方に結びつくものでなければなりません。

 そのため、今回の日本公演では「ゴースト・ライト」を是非ご紹介したいと考えています。私のダンサーたちに捧げたこの作品は、ハンブルク・バレエ団の最新の姿を描くものです。プリンシパルとソリストを含む全ダンサーにより上演されるこの「ゴースト・ライト」は、世界がコロナ禍にある困難な時期に、バレエの伝統を引き継ぐ生ける存在として、創造の炎を守り続けようとする私たちの決意と献身を映し出しています。

 去る10月にライブ配信しました「ゴースト・ライト」には、世界中のファンの皆様から、この作品のメッセージに感動したというご感想をたくさんいただきました。まさに今、この時を描く作品に、日本のお客様もきっと共感され、メッセージを読み取っていただけるのではないかと思います。「ゴースト・ライト」は、アーティストの持続力と忍耐力の記録であると同時に、世界のあらゆる舞台でのライブパフォーマンスの重要性と必要性を浮き彫りにしています。

Photo: Kiran West
バーデン・バーデン祝祭歌劇場での公演より
ハンブルク・バレエ団2021年日本公演 変更後の演目・公演日程

※当初の発表より演目・公演回数が下記のとおり変更になっております。『バーンスタイン・ダンス』は今回の日本公演では上演いたしません。

『アンナ・カレーニナ』
振付:ジョン・ノイマイヤー
上演予定時間:約3時間(休憩1回含む)
3月12日(金)18:30
3月13日(土)14:00
3月14日(日)14:00
ガラ公演〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉
振付:ジョン・ノイマイヤー
上演予定時間:約2時間30分(休憩1回含む)
3月20日(土・祝)17:00
3月21日(日)14:00

出演者:ハンブルク・バレエ団総出演
特別公演『ゴースト・ライト』
―ジョン・ノイマイヤーによるコロナ時代のバレエ-

振付・演出・照明・衣裳:ジョン・ノイマイヤー
『椿姫』、『くるみ割り人形』衣裳:ユルゲン・ローゼ
上演予定時間:約1時間45分(休憩なし)
3月17日(水)19:00

出演者:ハンブルク・バレエ団総出演

■会場(全公演共通):東京文化会館
※『アンナ・カレーニナ』、〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉は特別録音による音源、『ゴースト・ライト』はピアノの生演奏で上演いたします。

■チケット料金(全公演共通):
S:¥24,000 A:¥21,000 B:¥18,000 C:¥15,000 D:¥12,000 E:¥9,000
※当初ご案内しておりました〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉のSS席の設定はございません。

主催:公益財団法人日本舞台芸術振興会/日本経済新聞社