2024/11/18 2024:11:18:09:56:08[NBS最新情報]
追悼 ウラジーミル・シクリャローフ
マリインスキー・バレエのプリンシパル、ウラジーミル・シクリャローフがこの11月16日、急逝されました。ロシアメディアの報道によると不慮の事故による死だったとのことです。39歳の若さでした。
シクリャローフは1985年生まれ。ワガノワ・バレエ学校を経て、2003年にマリインスキー・バレエに入団。2011年にプリンシパルに昇格し、数々のレパートリーで活躍しました。貴公子そのものの容姿と確かな技術、ドラマティックな表現力で日本の舞台でも人気を博し、公益財団法人日本舞台芸術振興会が招聘した公演では、2015年東京バレエ団によるマカロワ版「ラ・バヤデール」のソロル役を、アリーナ・コジョカルを相手役として堂々演じました。2016年の〈バレエの王子さま〉では華麗な「エチュード」のほか、「バレエ101」で親近感あふれるキャラクターを披露。また、いまだコロナ禍にあった2021年の〈第16回世界バレエフェスティバル〉では厳戒態勢の中で「ロミオとジュリエット」「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"の舞台に臨むいっぽう、「このフェスティバルは、私たちが力を合わせればどんな困難も乗り越えていけると教えてくれたと思います。その一部になれたこと、このように大規模なイベントに参加できたことは本当に光栄です。楽屋で僕たちはお互いに『We did it!』って言い合っているんです」と、バレエ文化の灯を絶やさぬようにとのアーティストの心意気を語ってくれました。
シクリャローフ氏のご冥福を、一同心よりお祈り申し上げます。
公益財団法人日本舞台芸術振興会
photo: Kiyonori Hasegawa