2025/07/02 2025:07:02:13:16:17[NBS最新情報]
既報のとおり、東京文化会館は2026年5月から3年間の工事休館に入ることが発表されています。休館まで1年をきり、早くも6月に来日した英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団が最後の大型招聘バレエ公演、10月のウィーン国立歌劇場日本公演が海外歌劇場による休館前最後のオペラ公演となります。
すでに何十年も同館に通っている方も多いと思いますが、いつだって「初めまして」の方がいらっしゃるのが劇場です。上記公演にも多くの「初めまして」の方がいらっしゃることが予想されます。私ども主催者には日々「どの席を選んだら良いの?」など、様々なお問い合わせが寄せられています。
そこで! 東京文化会館を知り尽くしたNBSスタッフが東京文化会館の座席を徹底解剖! 客席からの写真とともに座席別の見え方・特色をご紹介。ぜひ座席選びの参考にしていただければ幸いです。
席を選ぶ前に・・・
席を選ぶのはとても難しいことです。なぜなら人によって好みが全く異なるからです。バレエであれば「ダンサーの表情をみたい」「群舞のフォーメーションを楽しみたい」。オペラであれば「指揮者をみたい」「歌手の声の響きを堪能したい」...きっと出演者や演目によって席を変えたいこともあるでしょう。そこで! まずはご自身が舞台の何を楽しみたいか?ということをはっきりさせることが重要です。舞台鑑賞の経験がなかったり、あまり慣れていない方については多少舞台から離れていても、舞台全体が見渡せる、見切れのない席がおすすめです。まずは舞台全体を観るところからはじめると「もっと近くで観たい」「オーケストラが気になるから2階以上のピットを見下ろせる席で」「席への出入りが苦手なので通路側」などと、ご自身の嗜好がみえてきます。予算もあると思いますので、上層階のリーズナブルな席を購入し、オペラグラスで補うという方法も1つです。
それでは、さっそく階ごとに客席からの舞台の見え方を確認していきましょう!"
東京文化会館では1~19列までの席が3つのブロックにわかれています(なお、1階席は31列まで)。この中央のブロックはどこからでも舞台がよくみえ、オペラの場合は舞台に近い席でも歌手の声の響きを感じられると人気がある席です。
このように、この中央ブロック内であれば端の席でも非常に快適にみることができます。
ただし、2~4列目は段差がありません! 小柄な方は2~4列目はさけることをおすすめします。
後ろにさがってみました。1階の端の席でもこのように視界良好です。上演中は灯りも落ちていますので、バルコニーのでっぱりも視界には入りません。
やや上手側(舞台に向かって右側)によった席です。舞台全体が見渡せるのも魅力ですが、特にオペラの場合、このくらい舞台から離れた方が劇場全体に響く音のハーモニーを身体全体で感じることができます。音楽好きな方にぜひ試していただきたいエリアです。
こちらは筆者おすすめ、知る人ぞ知る、文化会館1階のねらい目席です。
1階後方で段差がしっかりついているので身長が低い方でも安心。かつ通路側で足も伸ばしやすく、バルコニーのでっぱりも視界に入らないという素晴らしさ。出口にも近いので終演後に予定がある方、お化粧室が気になる方には特におすすめです。
こちらも筆者おすすめの席です。2階正面、ヨーロッパのオペラハウスでいうロイヤル・ボックスに該当します。"ロイヤル"という名称からおわかりのとおり、かつては王族が座る特等席だったわけです。特に音楽公演では圧巻の音色、そして舞台全体を見渡せるのでとても優雅な気持ちになれます。ちなみに東京文化会館の2階正面、最前列には上皇陛下や上皇后陛下もおかけになったことがあります。高貴な気分を味わいたい!という場合にはぜひご利用ください。
2階のL&Rブロックからの眺めです。場合によっては1階よりも舞台を近く感じることができ、かつお値段もA~B席になるというとてもお値打ちなエリアです。2階R3列20番はこのエリアで一番壁際、端の席ですが、それでもここまで舞台がみえます。作品によっては一部が見えないこともありますので注意が必要ですが、お値段もS席よりおさえられるため舞台に近い席が好きな方から人気があります。なお、斜めから観ることに抵抗を感じるかたはこのエリアは避けていただき、正面のブロックをお選びください。
いよいよ3階席。3階正面は特にオペラファンにぜひ一度(一度と言わず何度でも)体験していただきたいお席です。見巧者からは"東京文化会館で一番音が良く聴こえる席"という評価をいただくこともあります
ちなみに、写真のような推定40cmはあろうかという段差がついていることも身長が高くない方には大きな助けとなります。
※3階席はいずれの列も同様に段差がついていますが、身を乗り出してのご鑑賞はまわりのお客様のご迷惑になりますのでご遠慮ください。
こちらは3階のバルコニー席、それぞれのブロックの一番端の席からの眺め。端ということで見切れを心配されていた方もいらっしゃるかもしれません。感じ方は個人差がありますのでなんともいえないところですが、想像よりも見切れは少ないといえるのではないでしょうか?ぜひご参考になればと思います。
3階バルコニー中央からの眺めです。ほぼ見切れの心配もなく視界良好。先にご紹介させていただいたとおり、音響も良いエリアなので「舞台全体を観たいけどS席は出せない・・・」という方はぜひ候補としてお考えください。
東京文化会館デビュー。という方には実はこのエリアが良いかもしれません。オーケストラピットも含めて舞台全体が見渡せます。文化会館の特徴である壁面の装飾も堪能でき、かつ音響にも恵まれ、お値段も控えめなエリア・・・なお、出演者をアップでみたい方はオペラグラスをご活用ください。
こちらは4階のバルコニーの席のうち、中央に近いエリアからの眺めです。「お値段はおさえたいけど舞台全体が観たい!」という方にはぜひご検討いただきたいエリアです。特にオペラの場合は音がとてもよく聴こえる席でもありますので、音を重視される方にとっては理想的な席ともいえるかもしれません。
こちらは4階のそれぞれ一番端からみた風景です。「お値段は控えめに、でもできるだけ舞台の近くで観たい!」という方には大変好まれるエリアです。ただ、どうしてもある程度の見切れが生じるため、"絶対に見逃したくない!"というこだわりの場面がある作品をご鑑賞される場合には避けた方が良いでしょう。また、壁に近いために音を重視される方も要注意です。
いよいよ東京文化会館の天井桟敷、5階席に行ってみましょう!
最上階とはいえ、5階席には様々な魅力があります。
まずは5階席の中でも一番人気な正面からの眺めをご紹介。舞台全体を見切れなく観ることができ、かつ音もよく聴こえるうえ、チケット代もリーズナブルなエリア、舞台から"遠い"ことだけはご容赦ください。全部で28席しかないエリアなので入手が難しい公演があるかもしれませんが、ご興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。
ちなみに、先ほどの正面ブロックから少しずれるとこのような感じになります。
内側、正面に近いエリアには写真のようなしっかりとした手すりもあります。なお、5階席なのでオペラグラスを使用される方も多いと思いますが、ご使用の際はまわりのお客様にご配慮ください。
こちらは文化会館の5階、一番端から観た舞台の様子です。端とはいえ、舞台には近いので、3階や4階の正面席よりは実は舞台までの距離が近いのです。端なのでどうしても見切れは避けられないところですが、リーズナブルにアーティストを近くでご覧になりたい方にはお値打ちなお席ともいえます。
余談ですが、4、5階席にはこのようにしっかりと段差もあり、かつその段差によって足が浮くことを補うために写真のようなバーが足元に設置されています。60年以上前の建物ではありますが、実に"観客にやさしい"劇場なのです。
※小さなお子様をお連れの場合はご注意ください。なお、数量限定ですがキッズクッションもクロークに用意がございます。
いかがでしょうか?やや筆者の主観も入りましたが、座席・階層別に東京文化会館の客席からみた風景をご紹介させていただきました。ぜひ座席選びのご参考にしていただき、これからもたくさんのオペラ&バレエ&オーケストラ公演をお楽しみいただければ幸いです。皆様のご来場をNBS一同、心よりお待ち申し上げております。
東京文化会館の公式ホームページではさらに多くの座席からの舞台の見え方をご確認いただけます。詳しくはコチラ