ラ・バヤデール 全3幕 東京バレエ団初演

イントロダクション

東京バレエ団3年ぶり初演となる全幕バレエは、壮大かつドラマティックなマカロワ版「ラ・バヤデール」

 東京バレエ団は創立45周年記念公演の第7弾として、異国情緒豊かな古代インドを舞台に壮大なスペクタクルが展開する名作、「ラ・バヤデール」に取り組みます。演出・振付は、世界的スターであるナタリア・マカロワ。アメリカン・バレエ・シアター、英国ロイヤル・バレエ団、ミラノ・スカラ座バレエ団など一流バレエ団が採用している名版です。

 濃厚なインドのエキゾティシズムの香りと、そのなかで繰り広げられる、寺院の巫女ニキヤと恋人の戦士ソロルの恋。そして彼らに横恋慕する国王の娘ガムザッティや大僧正が引き起こす、政治的駆け引きと陰謀のドラマ。一転してコール・ド・バレエが清冽な美を放つ、名場面の誉れ高い、幻影の“影の王国”の場。「ラ・バヤデール」にはグランド・バレエの醍醐味が詰まっていますが、とりわけマカロワ版は、長らくロシアで失われていた最終幕を復活させたことで知られています。結婚式に臨むソロルとガムザッティに、死して魂となったニキヤがからむドラマティックなパ・ド・トロワから、寺院の崩壊というカタストロフになだれこむラストは、見る人を興奮と感動の渦に巻き込むにちがいありません。 ミラノ・スカラ座製作による衣裳と装置も見どころ。世界最高峰の職人たちの技が、壮麗で重厚な舞台を現出させます。

 創立45周年記念公演のハイライトの一つでもある本公演にむけて、さっそくリハーサルが開始され、スタジオは連日、熱気に包まれています。東京バレエ団が満を持して挑む「ラ・バヤデール」初演に、どうぞご期待ください!

恋とサスペンスと幻影とカタストロフ。すべてを語ってみせるマカロワ版の魅力。

1877年、古典バレエの巨匠プティパによってロシアで初演された全4幕の壮大なバレエ「ラ・バヤデール」は輝かしい成功を収め、踊り継がれてきました。聖なる火に愛を誓い合った主人公ニキヤとソロルが、周囲の愛憎と政治的思惑に巻き込まれていくサスペンスに満ちた物語性。王宮の華麗な祝典と異国情緒あふれる踊りの数々。ソロルの幻想の中で“影”と呼ばれる精霊たちが織りなす、ロマンティック・バレエの象徴的な名場面。しかし怒れる神によって寺院が破壊される最後の幕は、革命や戦争の時代に大規模な照明や転換がかなわず、削除されてしまいました。1980年、マカロワはその最終幕を新たな振付によって復活させた演出版を発表。結婚式に現れたニキヤの“影”が人々の不安をかき乱し、悲劇的なカタストロフから浄化された魂の世界へと終結するドラマが蘇りました。原点版の魅力を生かしつつ現代的なドラマ感覚にあふれたマカロワ版は絶賛を浴び、いまや世界中で上演されています。

[振付・演出] ナタリア・マカロワ  Natalia Makarova

 ロシア、サンクトペテルブルク出身。キーロフ(現在のマリインスキー)・バレエのスター。1970年に西側に亡命し、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)、英国ロイヤル・バレエ団などで華々しく活躍する。ミュージカルの舞台にも立ち、「オン・ユア・トウズ」でトニー賞最優秀主演女優賞、ローレンス・オリビエ賞を受賞。ダンサー、振付家、女優として多彩な活動ぶりをみせる。また、1980年にABTで「ラ・バヤデール」の演出・振付を行って以来、数々の古典バレエの演出・振付を手がけている。


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