ミラノ・スカラ座バレエ団 2013年日本公演
イタリア座随一の名門歌劇場が世界に誇るバレエ団、6年ぶりの来日
舞台芸術の殿堂、ミラノ・スカラ座ならではの優美なマクミラン版プロダクション。 物語の舞台となったイタリア随一のバレエ団と、人気スターたちの華麗なる競演!
18世紀の設立以来、200年以上にわたって世界最高峰の舞台芸術を発信してきたミラノ・スカラ座。その劇場付きのミラノ・スカラ座バレエ団は、「ジゼル」を初演したカルロッタ・グリジ、「眠れる森の美女」を初演したカルロッタ・ブリアンツァを始め、バレエ史に燦然と輝くバレリーナたちを輩出してきました。その由緒あるバレエ団が、世界的人気を誇るケネス・マクミラン振付の「ロミオとジュリエット」を携え、豪華主演キャストによる6年ぶりの日本公演を行います。
主演するのはスカラ座バレエ団と縁の深い2組のゲストと、今スカラ座がイチオシの新星ペアです。
すでに日本において本作で感動の名演を残している英国ロイヤル・バレエ団のアリーナ・コジョカルと、クランコ版で甘く華やかなロミオを披露したフリーデマン・フォーゲル。二人は初共演。
驚異的なテクニックと貪欲な向上心をもって、破竹の勢いで活躍するロシア人ペア─ナターリヤ・オシポワとイワン・ワシーリエフ。オシポワは不世出のマクミラン・ダンサーでありスカラ座のプリマでもあったアレッサンドラ・フェリからこの役の指導を受け、自身でも「ジュリエット役が一番好き」だと語っています。またワシーリエフが役柄に熱く没入することも有名。彼らも本作初共演。
そしてスカラ座にいま新風を巻き起こしている2人の若手─4年前に入団して以来、様々な役をこなしてプリンシパルに昇りつめたペトラ・コンティと、3年前に入団して「薔薇の精」で注目を浴び、めきめき頭角を現したクラウディオ・コヴィエッロ。
バレエ・ファンならすべて見比べたい、3組の主演ペアの競演。そしてスカラ座自慢の工房で創られた、壮麗なオリジナルの美術は、何度見ても溜息を誘うこと請け合いです!
まるで一幅の絵画のような壮麗な美術!
オデッテ・ニコレッティの衣裳、マウロ・カロージの舞台美術による「ロミオとジュリエット」のスカラ座オリジナル・プロダクションは、2010年6月に初演。ケネス・マクミラン夫人はこの舞台を公認しただけでなく、その創造性を高く評価しました。 始まりは希望のない閉鎖性を表現する煉瓦色の緞帳。見上げた先には空。壁が消えると、中世の意匠に彩られたヴェローナの古代ローマ劇場が現れます。この野外劇場が悲劇の舞台。壁と煉瓦が支配的なイメージを生み出す一方で、塔の上に設けられたバルコニーがロミオとジュリエットの神話を表現。地下墓地にもバルコニーがあり、煉瓦はその色を失って青ざめ恋人たちの墓と化すのです。中世とルネサンスのモードが取り入れられ、太陽の赤、暗い赤、紫に近い赤など、あらゆる色彩が綾なす衣裳。この多彩なヴァリエーションには主人公たちの心理の綾が織り込まれ、ジュリエットの娘心やロミオの無垢な心を映し出していくのです。