ミラノ・スカラ座バレエ団 2013年日本公演
イタリア座随一の名門歌劇場が世界に誇るバレエ団、6年ぶりの来日
舞台はヴェローナ
第1幕
第1場:市場
モンタギューの息子ロミオはロザラインに愛を打ち明けようとするが失敗し、友人であるマキューシオ、ベンヴォーリオに慰められている。夜が明け、街の人々が市場に集まって来たとき、キャピュレットの甥であるティボルトと、ロミオと友人の間で口論が起こる。キャピュレット家とモンタギュー家は、仇同士とあって、何かにつけていさかいが始まる。モンタギュー公とキャピュレット公が小競り合いに加わるが、ヴェローナ大公が現れ、両家の者たちに争いを止めるように命じ、その場は収まる。
第2場:キャピュレット家のジュリエットの控えの間
ジュリエットは乳母をからかって遊んでいるが、両親にさえぎられる。キャピュレット夫妻は、ジュリエットにパリスという裕福な貴族の若者を紹介する。実はこの若者はジュリエットに求婚している。
第3場:キャピュレット家の外
キャピュレット家で開かれる舞踏会に客たちがやってくる。ロミオ、マキューシオ、そしてベンヴォーリオは仮面で変装し、ロザラインを追って舞踏会に行こうとしている。
第4場:舞踏会場
ロミオと友人たちは、宴たけなわのさなかに到着。客たちは、ジュリエットが踊るのを見守っている。マキューシオは、ロミオがジュリエットに目を奪われているのを見て、ロミオから人々の注意を逸らすために踊る。ティボルトがロミオに気づき、出て行くように命じるが、キャピュレット公が間に入って諌め、ロミオを自分の家の客として歓迎する。
第5場:キャピュレット家の外
客たちが舞踏会から帰るとき、ロミオの後を追おうとするティボルトを、キャピュレット公が止める。
第6場:ジュリエットの部屋のバルコニー
眠ることができないジュリエットはバルコニーに出て来て、ロミオのことを考えている。このとき突然、ロミオが庭に現れる。2人は互いの愛を打ち明ける。
第2幕
第1場:市場
ロミオはジュリエットのことしか考えられない。結婚式の行列を目にしたロミオはジュリエットと結婚する日のことを夢見る。一方ジュリエットの乳母は、ジュリエットから手紙を渡すために、人ごみを押し分けてロミオを探している。ロミオは、ジュリエットが自分の妻になることを承諾すると書かれた手紙を読む。
第2場:教会
ロミオとジュリエットは僧ロレンスのもとで、密かに結婚する。僧ロレンスは、2人が結ばれることで、モンタギュー家とキャピュレット家の争いが終わることを望んでいる。
第3場:市場
市場のお祭り騒ぎを遮り、ティボルトはマキューシオといさかいを起こし、ついにはマキューシオを殺してしまう。友人を殺されたロミオはその仇討にティボルトを殺し、追放されることになる。
第3幕
第1場:ジュリエットの寝室
翌朝、夜が明けての家の者が目を覚まして動き出したので、ロミオは出発しなければならない。 ロミオがジュリエットを抱擁し、急いで去ると、ジュリエットの両親がパリスとの結婚を断固として拒むジュリエット。彼女の固い決意に傷ついたパリスは帰って行く。ジュリエットの両親は怒り、勘当すると言って脅かされたジュリエットは、僧ロレンスのもとへと急ぎ。
第2場:教会
ジュリエットは僧ロレンスの足元へ倒れこみ、救いを求める。僧ロレンスはジュリエットに睡眠薬の小瓶を渡す。この睡眠薬は、飲むと死んだように眠りについてしまうというもの。それを飲んで仮死状態になったジュリエットを見れば、両親は彼女が死んだものと思い込んで、一族の墓に埋葬するはず。その後は、僧ロレンスからの知らせを受けて戻ったロミオが、ジュリエットをヴェローナから連れ去る、という計画を立てる。
第3場:ジュリエットの寝室
その夜、ジュリエットはパリスとの結婚を承諾する。が、翌朝両親がパリスを連れていたときには、ジュリエットは例の薬を飲み、ベッドの上で仮死状態となっていた。
第4場:キャピュレット家の墓室
ロミオはヴェローナに戻ってきたが、僧ロレンスの伝言を受け取ることができなかったため、ジュリエットの死の知らせのみに嘆き悲しみ、茫然とする。ロミオは修道僧に変装し、地下室に忍び込むが、ジュリエットの遺体の傍らにパリスがいるのを見つけ、殺してしまう。ジュリエットが死んだものと思い込んでいるロミオは、毒を飲み干してその場に倒れる。目を覚ましたジュリエットはロミオが死んでいるのを見つけ、剣で自らの命を絶つ。
photos:Marco Brescia e Amisano Teatro alla Scala
敵対するモンタギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエットは、舞踏会で出会って運命的な恋に落ちる。二人は密かに結婚式を挙げるが、親友マキューシオをジュリエットの従兄弟ティボルトに殺されたロミオは、その仇を討ち、追放処分となる。ロミオの出立前夜を共に過ごし、彼を送り出して悲嘆にくれるすジュリエット。そこへ両親から婚約者パリスとの結婚を強要された彼女は、僧ロレンスに救いを求め、死を装う薬を飲む。しかし真相を知らないまま街に戻ったロミオは、地下墓室に横たわるジュリエットを見て絶望し、毒を飲み干す。目覚めたジュリエットは恋人の死を知り、彼女もまた剣で自らの命を絶つ。
Bプロ
17歳のスター、ヴィシニョーワを決定づけたヒロイン再び。アロンソ振付「カルメン」
1994年、ローザンヌ国際コンクールに出場した17歳のヴィシニョーワは、「カルメン」(ベリスキー振付)で強烈なスター性と早熟な才能を見せつけ一躍脚光を浴びた。その同じヒロイン像を、いま大人の女性に成熟した彼女が再び踊る。アロンソ版の初演は、ロシア伝説のプリマ、マイヤ・プリセツカヤ。終始闘牛場を舞台に、命をかけて恋と運命に挑むカルメンは、プリセツカヤ同様、強いオーラと技術をもち、挑戦を続けるヴィシニョーワにふさわしい。ホセはマルセロ・ゴメス。エスカミリオはイーゴリ・コルプ。共演に東京バレエ団が加わり、40分に凝縮されたヴァージョンで上演される。