Photo:Bill Cooper

「バイ」Bye

振付: マッツ・エック
音楽: ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
ピアノ・ソナタ第32番ハ短調作品111アリエッタ

シルヴィ・ギエム

2010年にストックホルムで初演され、翌年日本でも「アジュー」の題名で上演されたギエムのためのソロ。振付は現代バレエの鬼才マッツ・エック。ギエムが自身の映像と戯れるように踊りながら、超人的なダンスの瞬間を次々見せていく。一人の女性の、自己との対話を通した心の成長を表現した作品で、最後は清々しい感動に包まれる。題名の意“さようなら”は、引退を決意したギエムに重なり、涙なしでは見られないはずだ。

Photo:Bill Cooper

「ヒア・アンド・アフター」 Here & After

振付: ラッセル・マリファント
音楽: アンディ・カウトン

シルヴィ・ギエム、エマヌエラ・モンタナ―リ

ギエムがこの〈ライフ・イン・プログレス〉のために、かつてローレンス・オリビエ賞を受賞した「ブロークン・フォール」以来、コラボレーションを行っている振付家ラッセル・マリファントに委嘱した新作。ギエム自身の初の試みでもある、女性同士のパ・ド・ドゥ。躍動的にして静謐な印象を与えるマリファント作品の例にもれず、本作も二人の女性が絡み合うような繊細な動きから始まり、やがてそれがダイナミックなダンスへと展開していく。

Photo:Bill Cooper

「テクネ」Techně

振付: アクラム・カーン
音楽: アリーズ・スルイター
演奏: プラサップ・ラーマチャンドラ
グレイス・サヴェージ
アリーズ・スルイター

シルヴィ・ギエム

ギエムがやはり今回ツアーのために、かつて「聖なる怪物たち」でコラボレーションを行ったアクラム・カーンに委嘱した新作。カーンは俊敏な旋回を特徴とするインド古典舞踊カタックをもとにしたユニークなダンスで世界的な評価を獲得し、ロンドン・オリンピック開会式の振付も担当した気鋭の振付家。本作はそのカーン流の動きを使いながらも、ギエム自身の環境問題への関心から生まれた。冒頭に照らし出される、生気のない一本の木。その周りで何かを訴えかけるようにギエムが踊る。

写真はフランクフルト・バレエ団公演より
Photo:Dominik Mentzos

「イン・ザ・ミドル・サムホワット・
エレヴェイテッド」
In the Middle Somewhat Elevated

振付: ウィリアム・フォーサイス
音楽: トム・ウィレムス(レスリー・タックとの共同制作)

東京バレエ団(初演)

1987年、ギエムを含むパリ・オペラ座バレエ団によって初演され、翌年全幕作品「インプレッシング・ザ・ツアー」に独立したパートのまま組み込まれた。インパクトの強いポーズ、ぎりぎりまで伸ばされたシャープなラインを用いて、クラシック・ダンスの大胆で刺激的技巧と、行く着く間もない獰猛なパワーを見せる作品。今回が東京バレエ団初演となる。東京バレエ団にフォーサイス作品を取り組ませるべきというギエムのアドバイスがきっかけで実現。

Photo:Kiyonori Hasegawa

「ドリームタイム」Dream Time

振付: イリ・キリアン
音楽: 武満 徹

東京バレエ団

キリアンはかねてより敬愛していた武満徹に音楽を委託。二人がオーストラリア北部のグレート島で行なわれた先住民族アボリジニの祭典を取材し、神聖な体験を共有して生まれたのが本作品。“ドリームタイム“とは、アボリジニの先祖代々の伝承のこと。15年ぶりの上演となる。

「デュオ」Duo(new version 2015)

振付: ウィリアム・フォーサイス
音楽: トム・ウィレムス

ブリーゲル・ギヨーカ、ライリー・ワッツ

男性ダンサーによるデュエット。振付はフォーサイス。沈黙の中、似ているようで微妙に異なる動きで、二人が踊る。