ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの2幕のオペラ
「魔笛」
台本 | :エマニュエル・ヨハン・シカネーダー |
振付・演出 | :モーリス・ベジャール |
モーツァルトのオペラの中でも、最高傑作にしてもっとも人気の高い「魔笛」を天才ベジャールがまるごとバレエ化!
物語は、王子タミーノと姫パミーナの冒険と恋を軸に、魔法や神秘の儀式がちりばめられ、個性的なキャラクターたちが活躍するファンタジー。モーツァルトが天衣無縫ぶりを発揮して書き上げた極上の音楽は、ダンスで表現するのにふさわしいとベジャールは考えました。タミーノとパミーナには美しいデュエットを、大僧正ザラストロと夜の女王にはカリスマ的なヴァリエーションを、パパゲーノと女性たちにはゆかいなダンスを、そして試練の儀式には見事なコンポジションの群舞を配して、ベジャールはオペラの音楽をみごとに視覚化したのです。
演劇やオペラの演出を手掛け、映画も創作。のちにはワーグナーの大作「ニーベルングの指環」もまるごとバレエにしてしまったベジャールならではの手腕がきわだつ、奇跡のような舞台です。本作は1982年と2004年の2度、日本で上演。とくに前者はNHKで放映されたこともあり、音楽ファンからも絶賛されて、ベジャールの名を一躍知らしめました。2017年6月、本拠地でのリニューアル上演を経て、奇跡の舞台が日本にやってきます!
※本公演では次の音源を使用しています。(ドイツ・グラモフォン)
指揮:カール・ベーム
管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
合唱:RIAS合唱団
「魔笛」はモーツァルト最晩年の傑作と称され、この天才作曲家の集大成と言われるオペラ。台本のもとになっているのは複数のおとぎ話で、大衆を観客に想定した“ジングシュピール“=歌芝居の形式で書かれています。前半は、王子タミーノが絵姿を見せられて恋をした姫パミーナを悪人から救出しようとする冒険譚。後半は、悪人だと思われたのがじつは徳の高い大僧正とわかり、王子と姫が結ばれるために「試練」を課される過程を描きます。有名なアリアを歌う「夜の女王」や、コミカルな鳥刺し「パパゲーノ」をはじめ、“ハリポタ”やゲームにも似た、個性的なキャラクターが満載の楽しい舞台です。
Photo:GregoryBatardon