「オネーギン」全3幕
アレクサンドル・プーシキン原作によるジョン・クランコ振付の全3幕のバレエ
音楽 | :ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー |
編曲 | :クルト=ハインツ・シュトルツェ |
装置・衣裳 | :ユルゲン・ローゼ |
「オネーギン」は世界屈指のバレエ団がこぞって上演し、ダンサーたちが踊ることを夢見る、天才振付家ジョン・クランコによる奇跡のドラマティック・バレエです。
「舞台となるのは1820年代のロシアの、素朴な人々が暮らす田舎と、華やかな帝都ペテルブルク。ロシアの理想の女性と称えられる誠実なタチヤーナと、遅まきにその気高さに打たれる憂愁の貴公子オネーギンの悲劇的な恋のゆくえが、同名オペラとは別のチャイコフスキーの音楽にのせて描かれます。タチヤーナとオネーギンをめぐる出来事が、まるで映画を見るように流暢に進んでいくなか、現れるのは、全編の白眉ともいえる二つの鮮烈な場面──オネーギンを慕うタチヤーナの初恋の高まりを描く第1幕最後のパ・ド・ドゥと、二人のすれ違ってしまった恋の葛藤を表現する最終場のパ・ド・ドゥは、バレエ・ファンなら胸高鳴る、これぞドラマティック・バレエといえる名シーンです。
「オネーギン」が、クランコを創設者とするシュツットガルト・バレエ団以外の外来バレエ団によって日本で上演されるのは、これが初めてのことになります。芸術監督のデュポンが自慢する、伸び盛りの若手エトワールや、それにつづく期待の新星たちが魅せる舞台に、どうぞご期待ください。
photos:Julien Benhamou / OnP
田舎の地主の娘タチヤーナは、帝都育ちの洗練された青年オネーギンに憧れ、恋文をしたためる。いっぽう若くして人生に飽いたオネーギンは一途なタチヤーナの愛を疎んじ、友人レンスキーをつまらぬ諍いから決闘で殺して失意のうちに去る。
数年後、将軍の妻となったタチヤーナとオネーギンが再会。オネーギンはタチヤーナの気高い美しさに心を打たれ、熱烈に求愛。しかし胸に恋心を残しながらも人妻としての矜持を失わないタチヤーナは、これを拒絶する。