「マノン」をパリ・オペラ座で観たいという熱烈な声に応え、いよいよ初披露!

 男性たちを翻弄し破滅へと導くファム・ファタールの代名詞「マノン」。繊細な心理描写で18世紀同時代の知識人に多大な影響を与えたアベ・プレヴォーの原作は、フランス・ロマン主義文学の先駆として今もフランス人の必読書とされています。

 愛、嫉妬、憎悪、誘惑、権力に翻弄される登場人物たちの人間味あふれる描写に魅了された振付家ケネス・マクミランが、流麗かつ演劇的な振付・演出を駆使し仕立てたドラマティック・バレエは、20世紀後半を代表する傑作としてガラ公演でも頻繁に上演され、シルヴィ・ギエムをはじめ錚々たるダンサーたちによって名演が残されてきました。このフランスでは学校の授業でも取り上げられるという恋愛物語を、物語の神髄を深く理解するパリ・オペラ座が日本で初めて披露します!

 1幕のマノンとデ・グリューの燃え上がるような出会いと甘いひと時、2幕のすれ違いから3幕沼地での非業の死まで、時に贅沢に、時に愛にまっすぐなつかみどころのないマノンと、誠実さゆえに翻弄され破滅の道をたどっていく青年の物語は、本家のロイヤル・バレエとはまた違う、愛の国のダンサーならではの香りとエレガンスに満ちています。マスネの甘美な調べにのせ、演じるダンサーごとに異なる舞台をどうぞお楽しみください。

ケネス・マクミラン Kenneth MacMillan (振付家 1929〜1992)

スコットランド生まれ。1970〜1977英国ロイヤル・バレエ団芸術監督。主席振付家も長く務めた。「ロミオとジュリエット」で一躍台頭し、18世紀の文学をもとにした 「マノン」、オーストリア皇太子のスキャンダルな死を題材とした「マイヤリング (うたかたの恋)」ほか、現代の観客を惹きつける多くの作品を創作した。

photo: Donald Southern / ROH

 修道院に入る予定のマノンと若い学生デ・グリューは出会ってすぐに恋に落ちる。一方、金に目がくらむマノンの兄レスコーは彼女に惚れ込む老紳士や、金持ちのムッシューG.M.に妹の身柄を売りつけてしまう。パリの下宿で逢瀬を交わす恋人たち。マノンは彼が不在の間に兄が連れてきたムッシューG.M.の誘いを思わず受けてしまうのだが、富の誘惑とデ・グリューへの愛の板挟みとなる。宴の場でデ・グリューは、ムッシューG.M.にカードのいかさまを仕掛け彼女を連れ去るが、警察とともに二人のもとに現れたムッシューG.M.によってマノンは売春の罪で逮捕、レスコーは殺されてしまう。アメリカへ流刑されるマノン。夫と偽りデ・グリューは追いかけるが恋人たちの行く末は...。

photos: Svetlana Loboff / OnP

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(月-金 10:00~16:00 土日祝・休)

03-3791-8888

英国ロイヤル・オペラ 2024年日本公演  「リゴレット」
  • 2024/06 会場:神奈川県民ホール、NHKホール