〈オペラ・フェスティバル〉2009-2011 第3弾、第4弾
オペラは指揮者の力で決まる! 春のイタリア・オペラ 秋のドイツ・オペラ 2種の醍醐味を満喫できる2011年!
名門歌劇場が威信をかけて贈る極め付けの3本
バイエルン国立歌劇場 2011年9月-10月公演
注目のケント・ナガノが伝統に新風を吹き込む
「静かなるスター」とは、2006年シーズンからのバイエルン国立歌劇場音楽監督就任を前に、ケント・ナガノに付された期待の言葉。もっとも、実際の就任から4シーズンを経た現在、その存在は「静か」どころか、世界中から熱い視線を浴びるものとなっています。バイエルン国立歌劇場がもつ、伝統の重みを讃えながら現代に生きる人のためのオペラを追求するという姿勢は、日系4世のアメリカ人指揮者であるナガノの音楽性とぴったりマッチするもので、伝統を踏まえたなかに新風を吹き込むナガノの手腕は、バイエルン国立歌劇場をドイツのオペラ界をリードし、世界のオペラ界の注目を集める存在としているのです。2011年の日本公演には、ケント・ナガノ指揮により2008年と2009年に新演出された話題の2作と、ベル・カント・オペラでは高い評価をもつフリードリッヒ・ハイダーの指揮による現代の決定版と称されている『ロベルト・デヴェリュー』がプログラムされました。ケント音楽監督率いるバイエルン国立歌劇場の新時代の威力をみせつけるものといって間違いありません。 『ローエングリン』は、伝説の国王ルートヴィヒ2世がワーグナーに心酔するきっかけとなった作品。国王とワーグナーの密接な関係は、バイエルン国立歌劇場に黄金時代と誇るべき"財産"を遺しました。今回の上演は、目下、大ブレイク中のテノール、ヨナス・カウフマンの登場、リチャード・ジョーンズの"斬新"な演出にナガノ音楽監督の綿密な音楽づくりと、他に譲ることのできない歌劇場の威信がかけられたものなのです。 ワーグナーとともにバイエルン国立歌劇場が誇りにしているのがミュンヘン生まれのR.シュトラウス。指揮者として、作曲家として、多大な功績を残したことから、ミュンヘン・オペラ・フェスティバルでは、R.シュトラウスの作品はワーグナー、モーツァルトとともに3本柱になっています。ロバート・カーセン演出による『ナクソス島のアリアドネ』は、オペラ・ファンを唸らせるに違いありません。読み替えや奇を衒った手法とはまったく別の、カーセンのセンスが光る洒脱な演出なのです。 『ロベルト・デヴェリュー』は、ドニゼッティが書いたイギリス女王三部作の一つですが、目下この役を演じられるのはオペラ界の"女王"エディタ・グルベローヴァひとりと言っても過言ではありません。2008年のウィーン国立歌劇場日本公演では演奏会形式にも関わらず、舞台上演に勝る感動を与えたグルベローヴァが、今度は定評あるクリストフ・ロイ演出の舞台で、さらに大きな感動を与えます。