〈オペラ・フェスティバル〉2009-2011 第3弾、第4弾
オペラは指揮者の力で決まる! 春のイタリア・オペラ 秋のドイツ・オペラ 2種の醍醐味を満喫できる2011年!
ロバート・カーセンの才気溢れる演出が魅せる軽妙洒脱な舞台
R.シュトラウス作曲『ナクソス島のアリアドネ』
演出:ロバート・カーセン 指揮:ケント・ナガノ
ロバート・カーセン演出によるこの『ナクソス島のアリアドネ』は、2008年のミュンヘン・オペラ・フェスティバルで最大の評価を獲得した作品です。批評家も、オペラ・ファンの誰もが『ナクソス島のアリアドネ』というオペラの上演にはこんな方法があったのか?! と驚嘆し、そして、このオペラの面白さにあらためて気づかされたのです。 前半の〈プロローグ〉ではオペラ開演前までに巻き起こるすったもんだの出来事、後半はギリシャ悲劇と喜劇的人物の組み合わせによるオペラ「アリアドネ」の上演というこの作品は、いわば舞台裏と舞台を劇中劇で見せるというつくり。オペラ上演となる後半では、エンターテインメントと芸術をどう融合させるかが上演の鍵を握ることになります。 カーセンの演出は、舞台だけにとどまらず、会場の隅々までをも使い、登場人物のキャラクターを強烈に発揮させながら、あれよあれよという間に聴衆を「舞台裏と舞台」の世界へと引き込んでしまいます。芸術とエンターテインメントは相容れないと主張するはずだった「アリアドネ」の作曲家がツェルビネッタに魅了されてしまうことも、一途な愛に固執するアリアドネを変貌させることも、ひとつの大きな流れのなかで動いていくのだと納得せざるを得ないのです。もともとは18世紀前半のウィーンの富豪の館と設定されている物語ですが、カーセンがつくり出したのは、現代のスタイリッシュな舞台です。"目からウロコが落ちる"ような、驚くほど素敵で楽しいロバート・カーセンの『ナクソス島のアリアドネ』、必見です!
■予定される主な配役
プリマ・ドンナ/アリアドネ:アドリエンヌ・ピエチョンカ バッカス:ロバート・ディーン・スミス ツェルビネッタ:ダニエラ・ファリー 他
アドリエンヌ・ピエチョンカ Adrianne Pieczonka ロバート・ディーン・スミス Ropert Dean Smithj ダニエラ・ファリー Daniela Fally
存在感バッチリ、華のあるアドリエンヌ・ピエチョンカはこのプリマ・ドンナ役の申し子のよう。みずみずしい歌声、変貌する女アリアドネの表現力もみどころ。バッカス役はワーグナー・テノールの系統に属す英雄的な人物だから、ワーグナーの諸役で美声テノールと評価の高いロバート・ディーン・スミスへの期待大。この演出のキーパーソン、ツェルビネッタを演じるダニエラ・ファリーは、ウィーン・フォルクスオーパーで腕を磨き、近年はヨーロッパ各地で大注目を集めている。この役柄に何よりも必要なコケティッシュな魅力の持ち主。
※表記の配役は2010年6月10日現在の予定です。病気や怪我などのやむを得ない事情により出演者が変更になる場合があります。今回の引越し公演においても、予定されていた出演者がやむを得ず出演できない場合、(指揮者、出演の歌手であっても)代役を立てて上演することになっておりますので、あらかじめご了承ください。出演者変更にともなうチケットの払い戻し、公演日・券種の変更はお受けできません。最終出演者は当日発表とさせていただきます。