オペラ「ウィンザーの陽気な女房たち」OPERA DIE LUSTIGEN WEIBER VON WINDSOR
オットー・ニコライ作曲 アルフレート・キルヒナー演出
森の仲間はファルスタッフの味方? 戦闘機に乗ったフェントンの恋の行方は? 美しい旋律とユーモアとファンタジーにあふれた舞台は、 お馴染みの太っちょ騎士ファルスタッフと女房たちのドタバタを鮮烈に描きだす
photo: Dimo Dimov / Volksoper
没落騎士太っちょファルスタッフが、悪だくみを仕掛けたご婦人たちにとっちめられるシェイクスピアの戯曲に基づく物語はヴェルディの『ファルスタッフ』でお馴染みでしょう。ニコライのオペラの魅力は、イタリアのオペラ・ブッファとドイツのジング・シュピール(歌芝居)の両方の楽しさ、さらには美しくてロマンティックな音楽が盛り込まれている点にあります。 今回のアルフレート・キルヒナーの演出は、女性陣が男性陣をやり込めるという現実とファンタジーをミックスした世界として描かれています。たとえば、ファルスタッフはフォルクスワーゲンのミニバスで森に現れます。そこで出会ったウサギちゃんは手紙をタイプで打ってご婦人たちに届けますし、女性からの誘いに喜ぶファルスタッフの周りには大きなジョッキをもって森の仲間たちが集まる・・・といった具合。最終幕の森の仮装大会でファルスタッフがやり込められる場面も、お腹を抱えて笑ってしまうにちがいありませんが、ここではファルスタッフに救いの手が差し伸べられるどんでん返しも・・・。これは見てのお楽しみ!