ウィーン国立歌劇場2025年日本公演『フィガロの結婚』でアルマヴィーヴァ伯爵を演じるアンドレ・シュエンが、メール・インタビューに答えてくれました。イタリアの南チロル州出身のシュエンはいま最も注目のトップ・バリトン。数々の役で演技・歌唱における表現力が高く評価されていますが、なかでもアルマヴィーヴァ役はいくつもの新しいプロダクションに招かれるほどの当たり役。彼自身が『フィガロの結婚』のアルマヴィーヴァ伯爵にどう取り組んでいるかを聞きました。
僕はあらゆるジャンルの音楽を歌うのが大好きでした。母語である「ラディン語」の伝統音楽から、ポップス、クラシック、コーラス、四重唱などなど。プロの歌手として活動できるかもしれない、と気づいたのはわりと遅くて18歳頃のことでした。姉妹の一人がモーツァルテウムで勉強していたのですが、ある日僕に、シューベルトの歌曲のアルバムを持ってきてくれました。僕はたちまち心を奪われ、楽器ではなく声による音楽で自分を表現できるのではないかと気づいたのです。シューベルトの歌曲によってクラシックの歌唱の魅力に出会い、やがてオペラへの愛が芽生えていきました。
バリー・コスキーのプロダクションは素晴らしいです。まずクラシックでありながら、とてもモダンです。またテキストと音楽の両方にしっかりと基づいているので、すべてが理に適っています。そして、喜劇の要素と悲劇の要素がみごとに嚙み合っているのです。
公演中のすべての瞬間に、自分が歌っていること、話していることを理解し、感じることがとても大事だと思っています。コスキーのプロダクションでは、ブロッキング(演者の立ち位置や、動きに関する指示、演出)ががとても緻密でありながら、言葉や動きを邪魔することはありません。これは理想的で素晴らしいことです。しかしそれは同時に歌手たちにとってはチャレンジでもあります。なぜなら、こうした緻密さのなかでは、自分のエネルギーのレベルが落ちる瞬間はすぐに分かってしまいますから......。
リハーサル期間のことはよく覚えています。とても楽しかった。素晴らしいチームで、全員が、それぞれの歌唱や演技のベストを引き出そうとしているのがよく分かりました。だからオーバーペースになって、本番前に体力を落としてしまわないように気をつけるのが難しいくらいでした。
シェフですね。友達や家族のために料理をするのが大好きです。
東京を再び訪れ、この美しいプロダクションを皆さまの前で歌えることを心待ちにしています! 舞台でお会いしましょう!
指揮:ベルトラン・ド・ビリー
演出:バリー・コスキー
10月5日(日)14:00 東京文化会館
10月7日(火)15:00 東京文化会館
10月9日(木)18:00 東京文化会館
10月11日(土)14:00 東京文化会館
10月12日(日)14:00 東京文化会館
[予定される主な出演者]
アルマヴィーヴァ伯爵:アンドレ・シュエン
伯爵夫人:ハンナ=エリザベット・ミュラー
スザンナ:イン・ファン
フィガロ:リッカルド・ファッシ
ケルビーノ:パトリツィア・ノルツ
演奏:ウィーン国立歌劇場管弦楽団
指揮:フィリップ・ジョルダン
演出:オットー・シェンク
10月20日(月)15:00 東京文化会館
10月22日(水)15:00 東京文化会館
10月24日(金)15:00 東京文化会館
10月26日(日)14:00 東京文化会館
[予定される主な出演者]
陸軍元帥ヴェルテンベルク侯爵夫人:カミラ・ニールンド
オックス男爵:ピーター・ローズ
オクタヴィアン:サマンサ・ハンキー
ファーニナル:アドリアン・エレート
ゾフィー:カタリナ・コンラディ
演奏:ウィーン国立歌劇場管弦楽団
―平日料金
S=¥79,000 A=¥69,000 B=¥55,000
C=¥44,000 D=¥36,000 E=¥26,000
サポーターシート=¥129,000(S席+寄付金¥50,000)
U39シート=¥19,000 U29シート=¥10,000
―土日料金
S=¥82,000 A=¥72,000 B=¥58,000
C=¥47,000 D=¥39,000 E=¥29,000
サポーターシート=¥132,000(S席+寄付金¥50,000)
U39シート=¥21,000 U29シート=¥13,000