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Photo: Paulina Jowita Koltun

2025/09/03(水)Vol.525

ウィーン国立歌劇場2025年日本公演

リッカルド・ファッシ メール・インタビュー
2025/09/03(水)
2025年09月03日号
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Photo: Paulina Jowita Koltun

ウィーン国立歌劇場2025年日本公演

リッカルド・ファッシ メール・インタビュー

ウィーン国立歌劇場2025年日本公演『フィガロの結婚』でフィガロを演じるリッカルド・ファッシ。2014年のデビュー以来、世界中のメジャーなオペラハウスに次々とデビューを飾り、ウィーン国立歌劇場でもモーツァルトだけでなくヴェルディでも活躍。いまや同世代の若手バス歌手の中で最も大きな期待を寄せられる存在となっています。メール・インタビューで、フィガロを花びらにたとえるあたりでは"詩人"を思わせますが、メタルバンドのミュージシャンに憧れたこともあるとか......。未知の魅力がまだまだありそうです。

「フィガロは他の役柄とともに、この傑作の花を咲かせる花びらの一枚。
間違いなく最も演じ甲斐のある役です」

『フィガロの結婚』とフィガロという役は、あなたにとってどのような作品、役ですか? あなたのレパートリーの中で、どのような位置づけになるのでしょう?

『フィガロの結婚』は、希望や感情、嘘といった人間の本質と個々の存在を巡る美しくもワイルドな旅です...... 。フィガロは、他の役柄とともに、この傑作の花を咲かせる花びらの一枚です。それは、台本の精神に忠実なカーネーションあたりでしょうか。
フィガロ役は、キャリアの駆け出しの頃からずっと私とともにありました。歌唱的には、最もやりがいのある役というわけではないかもしれませんが、間違いなく最も演じ甲斐のある役と言えるでしょう。

様々なプロダクションで『フィガロの結婚』を歌われてきたと思いますが、バリー・コスキーのプロダクションの魅力はどのようなところにありますか?

コスキーのこの豪華なプロダクションの特徴は、何と言ってもその美しい舞台装置です。登場人物たちが物語に命を吹き込むことのできる豊かな空間を作り出しています。音響的にも効果を発揮し、歌手たちの登場の仕方や動きに独特の躍動感を与えてくれます。おそらく観客の皆さんの物語に対する理解も、より深められていると思います。

バリー・コスキー演出『フィガロの結婚』より
リッカルド・ファッシ(フィガロ)
Photo: Wiener Staatsoper / Stephan Brueckler

コスキーのプロダクションでフィガロを演じるにあたり、最も大事だと思われる点や最も難しかった点などがあれば教えてください。

唯一の難しい動作は、最初のアリアで、歌いながら、"ほうき"を逆さまに持ってバランスをとることです。これには少々練習が必要ですが、残念ながらその"ほうき"というのが、かなり大きくてなかなかよそで見つけられないので、筋肉の記憶を新鮮に保っておくのに苦心しています。

コスキーのプロダクションは、歌手の動きがとても重要だと思います。また歌のアンサンブルに関して、緊密さも大切です。リハーサルで大変なことはありましたか? 歌手同士で工夫されたことはありますか? なにかエピソードがあれば教えてください。

リハーサルは私たちの仕事において、とても素敵な瞬間です ―― 正直なところ、最も興味深く、面白い部分です。私にとっては、(コスキーの演出で)演技面で難しい場面はありません。というのも、それぞれの役柄が持っているであろう意図が、演者の中で明確に結びついているからです。その明確さがあれば、すべてが自然に流れていきます。でもすべての演出が、この論理的なプロセスを尊重しているわけではありません ―― そしていわゆる"難しい演出"に遭遇するのは、まさにそういう場合です。

バリー・コスキー演出『フィガロの結婚』より
リッカルド・ファッシ(フィガロ)
Photo: Wiener Staatsoper / Stephan Brueckler

ウィーン国立歌劇場で仕事をすることは、あなたにとってどのような意味を持ちますか?

ウィーン国立歌劇場は私が出演した初めてのメジャーなオペラハウスであり、私の心の中では常に特別な場所です。そして私が最初に恋に落ちた街でもあります。ウィーン国立歌劇場のステージでのリハーサルや本番は、いつもしっかりと準備されていて、魔法のようです。劇場は本当に協力的で、リハーサル期間が短いときは残念な気持ちになるほどです。

『マクベス』のバンクォーを演じるリッカルド・ファッシ(ウィーン国立歌劇場公演より)
Photo: Wiener Staatsoper / Michael Poehn

オペラ歌手のほかになりたかったものはありますか?

夢はありすぎるほどありました、本当に。幼い頃は、科学者になってみたいと思っていました。でも幸い早い段階で、科学の方面には向いていないと気づきました。大学時代には考古学者になることを夢見ていましたが、もはや19世紀後半や20世紀初頭ではありませんし。最後に夢見た職業は、メタルバンドのミュージシャンでした。

日本のファンへメッセージがありましたら、お願いします。

ティーンエイジャーの頃までは、米国に行くのが夢でした。でも時とともに、日本文化へのあこがれが大きくなっていきました。今では日本を訪れることが最大の夢です。今回、皆さんの、美しく魅惑的な国を初めて訪問します。短い期間ではありますが、どっぷりと日本に浸ることを心から楽しみにしています。

ウィーン国立歌劇場2025年日本公演公式サイト

https://www.nbs.or.jp/stages/2025/wien/

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ウィーン国立歌劇場2025年日本公演
『フィガロの結婚』全4幕
『ばらの騎士』全3幕

公演日

W.A.モーツァルト作曲
『フィガロの結婚』全4幕

指揮:ベルトラン・ド・ビリー
演出:バリー・コスキー
10月5日(日)14:00 東京文化会館
10月7日(火)15:00 東京文化会館
10月9日(木)18:00 東京文化会館
10月11日(土)14:00 東京文化会館
10月12日(日)14:00 東京文化会館

[予定される主な出演者]
アルマヴィーヴァ伯爵:アンドレ・シュエン
伯爵夫人:ハンナ=エリザベット・ミュラー
スザンナ:イン・ファン
フィガロ:リッカルド・ファッシ
ケルビーノ:パトリツィア・ノルツ

演奏:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

R.シュトラウス作曲
『ばらの騎士』全3幕

指揮:フィリップ・ジョルダン
演出:オットー・シェンク
10月20日(月)15:00 東京文化会館
10月22日(水)15:00 東京文化会館
10月24日(金)15:00 東京文化会館
10月26日(日)14:00 東京文化会館

[予定される主な出演者]
陸軍元帥ヴェルテンベルク侯爵夫人:カミラ・ニールンド
オックス男爵:ピーター・ローズ
オクタヴィアン:サマンサ・ハンキー
ファーニナル:アドリアン・エレート
ゾフィー:カタリナ・コンラディ

演奏:ウィーン国立歌劇場管弦楽団

入場料[税込]

―平日料金
S=¥79,000 A=¥69,000 B=¥55,000
C=¥44,000 D=¥36,000 E=¥26,000
サポーターシート=¥129,000(S席+寄付金¥50,000)
U39シート=¥19,000 U29シート=¥10,000 

―土日料金
S=¥82,000 A=¥72,000 B=¥58,000
C=¥47,000 D=¥39,000 E=¥29,000
サポーターシート=¥132,000(S席+寄付金¥50,000)
U39シート=¥21,000 U29シート=¥13,000