2020/08/19(水)Vol.404
2020/08/19(水) | |
2020年08月19日号 | |
バレエ TOPニュース インタビュー |
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バレエモンテカルロ・バレエ団 |
Photo: Mizuho Hasegawa
今秋、モナコ公国モンテカルロ・バレエ団5年ぶりの日本公演が実現する。同団のプリンシパルとして活躍する小池ミモザさんに、自身の近年の活動について、また日本公演の上演作品である『じゃじゃ馬馴らし』についてインタビューした。
ーープリンシパルになって10年。あらためて振り返ると、どのような10年でしたか。
小池ミモザ:もしかしたら少し、余裕を持つことができるようになってきたかもしれません。私の場合、20代前半から主役を踊らせてもらうようになったのですが、たとえば、当初はパレットの中の絵具の色が少なくて、思い通りの色を出すのにどうしたいいか思い悩むことが多かったけれど、いまの私のパレットには色がいっぱいあって、これとこれを混ぜたらこうなる、試してみよう!という感覚に。
マイヨーとクリエーションする時も、彼がやりたいと思っていることをすぐに想像できるし、シェアすることができる。それはすごく楽しい時間です。
ーー振付のキャリアも着実に重ねていますね。
小池:裏方のスタッフがいなければ創作はできないと実感、皆さんに感謝して仕事ができるようになりました。もちろん、最終的にはお客さまの前で踊ることを目指してやっています。そういったすべての人たちとの繋がりや、その場その場でできることを探していくことが好きです。
フランス語で「額縁が柔らかかったらいいな」と表現することがあるんです。枠組みは必要だけれど、それがガチガチに固められたものだと息苦しい。モンテカルロ・バレエ団も私にとっての額縁で、そこにのびのびとできる場所がある。それが好きなんですね。
ラ・グヴァナントの衣裳で。
Photo: Mizuho Hasegawa
ーー日本公演で上演する『じゃじゃ馬馴らし』は、シェイクスピアの喜劇が原作、バレエではジョン・クランコ版がよく知られていますが、マイヨー版はまた違った雰囲気で、とてもお洒落ですね。
小池:装置も衣裳もぐんとモダン! 楽しいバレエですが、原作とちょっと捉え方が違っていたり、新しいキャラクターがいたりするんです。原作では2組のカップルが描かれますが、マイヨーのバレエでは4組ものカップルが登場します。世の中にはいろんなカップルの形があって、たとえ「なんでこの人と!?」と思われようと、その人に合う人が見つかって、それで幸せならいいじゃない、というわけなんです。私が演じている役柄も原作にはない人物で、ラ・グヴァナント──日本語でいうと家庭教師、家政婦、家のことをすべてコントロールしている存在で、セクシーでチャーミングだけど、すごく強くて、宝石が大好き(笑)。
ーー冒頭に登場して、物語を引っ張っていく役割を担いますね。
小池:そうですね、幕を開けて、その後もちょくちょく場面に登場します。冒頭の場面は、上演する劇場によってちょっと変えているのだけれど、バレエが始まる15分くらい前から幕の前に出てきて、役になりきってアドリブでお客さんを笑わせて──。とても楽しいです(笑)。登場人物は皆、憎めないキャラクターです。
ーーもともとモスクワのボリショイ・バレエに振付けられた作品でしたね。
小池:私たちにとって、マイヨーが他のカンパニーのために振付けた初の作品。それをどうやって私たちなりのものにしていくかという仕事は、とても新鮮でした。
ーー11月の日本公演は、ぜひ劇場でこのバレエを楽しみたいです。
小池:自粛生活という不思議な状況の中で、いろんなものを映像では見る機会があったけれど、やはり、劇場に足を運び、作品に接していただくと、ビデオや言葉だけでは表せない何かが感じられるはずです。それは生きる力の源にもなるはず。そのエネルギーを皆さんとシェアできたらと思っています!
取材・文 加藤智子 フリーライター
◾️「じゃじゃ馬馴らし」プロモーション映像 はこちらから
11月6日(金)19:00
11月7日(土)13:00
11月7日(土)17:00
11月8日(日)13:00
会場:東京文化会館
※配役はモンテカルロ・バレエ団の方針により、公演当日に発表いたします。
※音楽は特別録音による音源を使用します。
S=¥17,000 A=¥15,000 B=¥13,000 C=¥9,000 D=¥7,000 E=¥5,000
●特別ペア割引 [S、A、B席]あり
●親子割引 [S、A、B席]あり
U25シート ¥2,000
※NBS WEBチケットのみで10/2(金)20:00から引換券を発売。
★プレトーク開催のお知らせ★
※11月7日(土)17:00の回の開演前、16:20より予定