オーケストラも合唱団も演奏以外の苦労があった。ドゥオモには楽屋がない。「三密」を避けて200名全員が着替えられる場所はスカラ座しかなかった。彼らは劇場の楽屋で着替え、ドゥオモまでの約400mの道を衣装を着て移動したのだった。
全身全霊を捧げた演奏は素晴らしかった。客席には医療従事者や救急隊員も招かれていたが、一般の聴衆の中には家族を失った人もいただろう。感激に涙を浮かべて聴き入る人もいたという。
Photo: Brescia e Amisano / Teatro alla Scala
そして、スタッフに連絡をとった今日(9月8日)には、『椿姫』のリハーサルが始まっていた。日本公演で上演されるはずだった 『椿姫』は、マエストロ・メータ指揮のもと、コンサート形式でスカラ座で上演される。いよいよ半年ぶりにスカラ座がその幕を再び開く日が来たのだ。
『椿姫』リハーサルの様子。
メータ指揮『椿姫』は、日本公演に予定されていたキャストによって、スカラ座で9月15日から演奏会形式で公演される。
Photo: Brescia e Amisano / Teatro alla Scala
取材・文:田口道子
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