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エディタ・グルベローヴァ 昨年に続き、津波遺児募金へ 1万ユーロを寄付

2012年11月10日 12:02


12-11.10_01.jpgウィーン国立歌劇場2012年日本公演「アンナ・ボレーナ」で日本での最後の舞台を成功裡に終えたエディタ・グルベローヴァ。
昨年のバイエルン国立歌劇場日本公演に続き、今回の日本公演でも出演料のうち、1万ユーロ(約103万円)をあしなが育英会の「津波遺児募金」に寄付いたしました。

先日開催された共同インタビューでも、日本への愛と日本の観客への感謝を繰り返し語っていたグルベローヴァ。数々の名舞台だけでなく、更にこのような形でも日本への想いを示してくれました。

素晴らしい歌声とともに、素晴らしい想い出を残してくれたグルベローヴァに、改めて心からの感謝の気持ちを伝えたいと思います。


photo:Kiyonori Hasegawa


ウィーン国立歌劇場2012年日本公演 閉幕!

2012年11月 5日 12:00

ウィーン国立歌劇場2012年日本公演は、昨日11月4日の「アンナ・ボレーナ」をもって全10公演を終え、閉幕いたしました。

1980年の初来日以来、32年間にわたり15回の来日を重ね、日本の音楽ファンを魅了し続けてきたエディタ・グルベローヴァにとって、日本での最後の舞台となった「アンナ・ボレーナ」。
最終公演の幕が下りた瞬間、場内のあちこちから「ブラヴォー!」と割れんばかりの拍手が湧きおこりました。

熱い拍手と声援の中、再び幕が上がると舞台の左右に日本とオーストリアの国旗を模した垂れ幕が下り、「日本公演の大成功おめでとうございます。4年後、2016年にまたお会いしましょう!」、「皆さまの熱いご声援に感謝します。4年後にまた会えることを楽しみに!」という日墺のメッセージが。

そして舞台下手からは「我らのディーヴァ、グルベローヴァさん!32年間ありがとうございました」と書かれた横断幕が登場。
その後もグルベローヴァへの、感動と感謝、惜別の想いを伝える拍手は鳴りやまず、場内は総スタンディングオベーションに。
カーテンコールが繰り返され、グルベローヴァは、万感の想いが込められた美しい笑顔で応えていました。
グルベローヴァさん、数々の素晴らしい舞台を本当にありがとうございました!


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ウィーン国立歌劇場2012年日本公演は、22日間にわたり、「サロメ」、「フィガロの結婚」、「アンナ・ボレーナ」、そして外来の歌劇場として初めての子ども向けオペラ上演となった≪小学生のためのオペラ「魔笛」≫の4演目、全10公演を上演してまいりました。
ご来場いただきました多くの皆様に改めてお礼申しあげます。

次回のウィーン国立歌劇場日本公演は、4年後の2016年を予定しています。
その日を楽しみにお待ちください!


photo:Kiyonori Hasegawa


エディタ・グルベローヴァ 共同インタビューが開催されました

本日(11月4日)のウィーン国立歌劇場2012年日本公演『アンナ・ボレーナ』が日本最後の公演となることを表明しているエディタ・グルベローヴァが、2日(金)都内ホテルでマスコミ各社との共同インタビューを行いました。

1980年の初来日以来32年間で15回もの来日を重ねてきたグルベローヴァ。
終始笑顔で、日本での数々の想い出を語ってくれました。

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この共同インタビューの模様は、後日、当サイトでお伝えいたします。


ウィーン国立歌劇場「アンナ・ボレーナ」本日のキャスト

2012年11月 4日 10:00


2012年11月4日(日)15:00開演(会場:東京文化会館)


ガエターノ・ドニゼッティ作曲
「アンナ・ボレーナ」 全2幕



Gaetano Donizetti
Anna Bolena  
Tragedia Lirica in zwei Akten

指揮:エヴェリーノ・ピド
Dirigent Evelino Pidò
演出:エリック・ジェノヴェーゼ
Regie Eric Génovèse
美術:ジャック・ガーベル、クレア・スターンバーグ
Bühne Jacques Gabel und Claire Sternberg
衣裳:ルイザ・スピナテッリ
Kostüme Luisa Spinatelli
照明:ベルトラン・クールデル
Licht Bertrand Courderc
合唱監督:トーマス・ラング
Chorleitung Thomas Lang

エンリーコ8世:ルカ・ピサローニ
Enrico VIII Luca Pisaroni
アンナ・ボレーナ:エディタ・グルベローヴァ
Anna Bolena Edita Gruberova
ジョヴァンナ・シーモア:ソニア・ガナッシ
Giovanna Seymour Sonia Ganassi
リッカルド・パーシー卿:シャルヴァ・ムケリア
Lord Riccardo Percy Shalva Mukeria
ロシュフォール卿:ダン・ポール・ドゥミトレスク
Lord Rochefort Dan Paul Dumitrescu
スメトン:エリザベス・クールマン
Smeton Elisabeth Kulman
ハーヴェイ:カルロス・オスナ
Sir Hervey Carlos Osuna


ウィーン国立歌劇場管弦楽団 Orchester der Wiener Staatsoper
ウィーン国立歌劇場合唱団 Chor der Wiener Staatsoper
ウィーン国立歌劇場舞台上オーケストラ Bühnenorchester der Wiener Staatsoper



◆上演時間


第1幕 Act 1  15:00 - 16:35

休憩 Inter. 25 min

第2幕 Act 2  17:00 - 18:30


ウィーン国立歌劇場「アンナ・ボレーナ」本日のキャスト

2012年10月31日 10:00


2012年10月31日(水)18:30開演(会場:東京文化会館)


ガエターノ・ドニゼッティ作曲
「アンナ・ボレーナ」 全2幕



Gaetano Donizetti
Anna Bolena  
Tragedia Lirica in zwei Akten

指揮:エヴェリーノ・ピド
Dirigent Evelino Pidò
演出:エリック・ジェノヴェーゼ
Regie Eric Génovèse
美術:ジャック・ガーベル、クレア・スターンバーグ
Bühne Jacques Gabel und Claire Sternberg
衣裳:ルイザ・スピナテッリ
Kostüme Luisa Spinatelli
照明:ベルトラン・クールデル
Licht Bertrand Courderc
合唱監督:トーマス・ラング
Chorleitung Thomas Lang

エンリーコ8世:ルカ・ピサローニ
Enrico VIII Luca Pisaroni
アンナ・ボレーナ:エディタ・グルベローヴァ
Anna Bolena Edita Gruberova
ジョヴァンナ・シーモア:ソニア・ガナッシ
Giovanna Seymour Sonia Ganassi
リッカルド・パーシー卿:シャルヴァ・ムケリア
Lord Riccardo Percy Shalva Mukeria
ロシュフォール卿:ダン・ポール・ドゥミトレスク
Lord Rochefort Dan Paul Dumitrescu
スメトン:エリザベス・クールマン
Smeton Elisabeth Kulman
ハーヴェイ:カルロス・オスナ
Sir Hervey Carlos Osuna


ウィーン国立歌劇場管弦楽団 Orchester der Wiener Staatsoper
ウィーン国立歌劇場合唱団 Chor der Wiener Staatsoper
ウィーン国立歌劇場舞台上オーケストラ Bühnenorchester der Wiener Staatsoper



◆上演時間


第1幕 Act 1  18:30 - 20:05

休憩 Inter.  25 min

第2幕 Act 2  20:30 - 22:00




ウィーン国立歌劇場「フィガロの結婚」本日のキャスト

2012年10月28日 10:00


2012年10月28日(日)15:00開演(会場:神奈川県民ホール)


ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲
「フィガロの結婚」 全4幕



Wolfgang Amadeus Mozart
Le nozze di Figaro   
Oper in vier Akten

指揮:ペーター・シュナイダー
Dirigent Peter Schneider
演出・美術:ジャン=ピエール・ポネル
Regie und Ausstattung  Jean Pierre Ponnelle
合唱監督:トーマス・ラング
Chorleitung Thomas Lang

アルマヴィーヴァ伯爵:カルロス・アルバレス
Conte d'Almaviva Carlos Álvarez
伯爵夫人:バルバラ・フリットリ
Contessa d'Almaviva Barbara Frittoli
スザンナ :アニタ・ハルティッヒ
Susanna Anita Hartig
フィガロ :アーウィン・シュロット
Figaro Erwin Schrott
ケルビーノ:マルガリータ・グリシュコヴァ
Cherubino Margarita Gritskova
マルチェリーナ:ドンナ・エレン
Marcellina Donna Ellen
バジリオ:ミヒャエル・ロイダー
Basilio Michael Roider
ドン・クルツィオ:ペーター・イェロシッツ
Don Curzio Peter Jelosits
バルトロ:イル・ホン
Bartolo Il Hong
アントニオ:ハンス・ペーター・カンメラー
Antonio Hans Peter Kammerer
バルバリーナ:ヴァレンティーナ・ナフォルニータ
Barbarina Valentina Naforniţă
村娘:カリン・ヴィーザー
Ein Bauernmädchen Karin Wieser

ウィーン国立歌劇場管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団
Orchester der Wiener Staatsoper, Chor der Wiener Staatsoper


※Cast may change without notice.
※下線部分は、当初の発表より変更となったものです。


◆上演時間


第1幕 (転換) 第2幕  15:00 - 16:50
Act 1 pause Act 2

休憩 Inter.  25 min

第3幕 (転換) 第4幕  17:15 - 18:40
Act 3 pause Act 4



ウィーン国立歌劇場「アンナ・ボレーナ」本日のキャスト

2012年10月27日 10:00


2012年10月27日(土)15:00開演(会場:東京文化会館)


ガエターノ・ドニゼッティ作曲
「アンナ・ボレーナ」 全2幕



Gaetano Donizetti
Anna Bolena  
Tragedia Lirica in zwei Akten

指揮:エヴェリーノ・ピド
Dirigent Evelino Pidò
演出:エリック・ジェノヴェーゼ
Regie Eric Génovèse
美術:ジャック・ガーベル、クレア・スターンバーグ
Bühne Jacques Gabel und Claire Sternberg
衣裳:ルイザ・スピナテッリ
Kostüme Luisa Spinatelli
照明:ベルトラン・クールデル
Licht Bertrand Courderc
合唱監督:トーマス・ラング
Chorleitung Thomas Lang

エンリーコ8世:ルカ・ピサローニ
Enrico VIII Luca Pisaroni
アンナ・ボレーナ:エディタ・グルベローヴァ
Anna Bolena Edita Gruberova
ジョヴァンナ・シーモア:ソニア・ガナッシ
Giovanna Seymour Sonia Ganassi
リッカルド・パーシー卿:シャルヴァ・ムケリア
Lord Riccardo Percy Shalva Mukeria
ロシュフォール卿:ダン・ポール・ドゥミトレスク
Lord Rochefort Dan Paul Dumitrescu
スメトン:エリザベス・クールマン
Smeton Elisabeth Kulman
ハーヴェイ:カルロス・オスナ
Sir Hervey Carlos Osuna


ウィーン国立歌劇場管弦楽団 Orchester der Wiener Staatsoper
ウィーン国立歌劇場合唱団 Chor der Wiener Staatsoper
ウィーン国立歌劇場舞台上オーケストラ Bühnenorchester der Wiener Staatsoper



◆上演時間


第1幕 Act 1  15:00 - 16:35

休憩 Inter. 25 min

第2幕 Act 2  17:00 - 18:30




ウィーン国立歌劇場「フィガロの結婚」本日のキャスト

2012年10月23日 10:00


2012年10月23日(火)17:00開演(会場:神奈川県民ホール)


ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲
「フィガロの結婚」 全4幕



Wolfgang Amadeus Mozart
Le nozze di Figaro   
Oper in vier Akten

指揮:ペーター・シュナイダー
Dirigent Peter Schneider
演出・美術:ジャン=ピエール・ポネル
Regie und Ausstattung  Jean Pierre Ponnelle
合唱監督:トーマス・ラング
Chorleitung Thomas Lang

アルマヴィーヴァ伯爵:カルロス・アルバレス
Conte d'Almaviva Carlos Álvarez
伯爵夫人:バルバラ・フリットリ
Contessa d'Almaviva Barbara Frittoli
スザンナ :シルヴィア・シュヴァルツ
Susanna Sylvia Schwartz
フィガロ :アーウィン・シュロット
Figaro Erwin Schrott
ケルビーノ:マルガリータ・グリシュコヴァ
Cherubino Margarita Gritskova
マルチェリーナ:ゾリャーナ・クシュプラー
Marcellina Zoryana Kushpler
バジリオ:ミヒャエル・ロイダー
Basilio Michael Roider
ドン・クルツィオ:ペーター・イェロシッツ
Don Curzio  Peter Jelosits
バルトロ:イル・ホン
Bartolo Il Hong
アントニオ:ハンス・ペーター・カンメラー
Antonio Hans Peter Kammerer
バルバリーナ:ヴァレンティーナ・ナフォルニータ
Barbarina Valentina Naforniţă
村娘:カリン・ヴィーザー
Ein Bauernmädchen Karin Wieser

ウィーン国立歌劇場管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団
Orchester der Wiener Staatsoper, Chor der Wiener Staatsoper


※Cast may change without notice.
※下線部分は、当初の発表より変更となったものです。


◆上演時間


第1幕 (転換) 第2幕  17:00 - 18:50
Act 1 pause Act 2

休憩 Inter.  25 min

第3幕 (転換) 第4幕  19:15 - 20:40
Act 3 pause Act 4



ウィーン国立歌劇場「フィガロの結婚」本日のキャスト

2012年10月20日 10:00


2012年10月20日(土)15:00開演(会場:神奈川県民ホール)


ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲
「フィガロの結婚」 全4幕



Wolfgang Amadeus Mozart
Le nozze di Figaro   
Oper in vier Akten

指揮:ペーター・シュナイダー
Dirigent Peter Schneider
演出・美術:ジャン=ピエール・ポネル
Regie und Ausstattung  Jean Pierre Ponnelle
合唱監督:トーマス・ラング
Chorleitung Thomas Lang

アルマヴィーヴァ伯爵:カルロス・アルバレス
Conte d'Almaviva Carlos Álvarez
伯爵夫人:バルバラ・フリットリ
Contessa d'Almaviva Barbara Frittoli
スザンナ :シルヴィア・シュヴァルツ
Susanna Sylvia Schwartz
フィガロ :アーウィン・シュロット
Figaro Erwin Schrott
ケルビーノ:マルガリータ・グリシュコヴァ
Cherubino Margarita Gritskova
マルチェリーナ:ゾリャーナ・クシュプラー
Marcellina Zoryana Kushpler
バジリオ:ミヒャエル・ロイダー
Basilio Michael Roider
ドン・クルツィオ:ペーター・イェロシッツ
Don Curzio  Peter Jelosits
バルトロ:イル・ホン
Bartolo Il Hong
アントニオ:ハンス・ペーター・カンメラー
Antonio Hans Peter Kammerer
バルバリーナ:ヴァレンティーナ・ナフォルニータ
Barbarina Valentina Naforniţă
村娘:カリン・ヴィーザー
Ein Bauernmädchen Karin Wieser

ウィーン国立歌劇場管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団
Orchester der Wiener Staatsoper, Chor der Wiener Staatsoper


※Cast may change without notice.
※下線部分は、当初の発表より変更となったものです。


◆上演時間


第1幕 (転換) 第2幕  15:00 - 16:50
Act 1 pause Act 2

休憩 Inter.  25 min

第3幕 (転換) 第4幕  17:15 - 18:40
Act 3 pause Act 4



【ヘロデ役キャスト変更のお知らせ】ウィーン国立歌劇場「サロメ」本日のキャスト

2012年10月19日 15:15


【キャスト変更のお知らせ 10/19(金)15:15】
本日の公演に、ヘロデ王で出演予定だったルドルフ・シャシンクは、急な体調不良による音声障害で本日は歌うことができず、代わってミヒャエル・ロイダーが出演いたします。なお、ロイダーはヘロデ王役をこれまでもウィーン国立歌劇場で歌い、好評を博しております。
この急なキャスト変更に関し、なにとぞご了承いただきますよう、お願い申し上げます。


2012年10月19日(金)19:00開演(会場:東京文化会館)

リヒャルト・シュトラウス作曲
「サロメ」 全1幕



Richard Strauss
SALOME   
Oper in einem Akt


指揮:ペーター・シュナイダー
Dirigent Peter Schneider
演出 :ボレスラフ・バルロク
IRegie Boleslaw Barlogn
美術:ユルゲン・ローゼ
Ausstattung Jürgen Rose



ヘロデ:ミヒャエル・ロイダー
Herodes Michael Roider
ヘロディアス:イリス・フェルミリオン
Herodias Iris Vermillion
サロメ:グン=ブリット・バークミン
Salome Gun-Brit Barkmin
ヨカナーン:マルクス・マルカルト
Jochanaan Markus Marquardt
ナラボート:ヘルベルト・リッペルト
ENarraboth Herbert Lippert
小姓:ウルリケ・ヘルツェル
Page TUlrike Helzel

第1のユダヤ人:ヘルヴィッヒ・ペコラーロ
Erster Jude Herwig Pecoraro
第2のユダヤ人:ペーター・イェロシッツ
Zweiter Jude Peter Jelosits
第3のユダヤ人:カール=ミヒャエル・エブナー
Dritter Jude Karl-Michael Ebner
第4のユダヤ人:ウォルフラム・イゴール・デルントル
Vierter Jude Wolfram Igor Derntl
第5のユダヤ人:アンドレアス・ヘール
Fünfter Jude Andreas Hörl

第1のナザレ人:アルマス・スヴィルパ
Erster Nazarener Almas Svilpa
第2のナザレ人:ミハイル・ドゴターリ
Zweiter Nazarener Mihail Dogotari *
第1の兵士:アレクサンドル・モイシュク
Erster Soldat Alexandru Moisiuc
第2の兵士:ダン・ポール・ドゥミトレスク
Zweiter Soldat Dan Paul Dumitrescu
カッパドキア人:ヒロ・イジチ
Ein Cappadocier Hiro Ijichi
奴隷:ゲルハルト・ライテラー
Ein Sklave Gerhard Reiterer

ウィーン国立歌劇場管弦楽団
Orchester der Wiener Staatsoper


※Cast may change without notice.
※下線部分は、当初の発表より変更となったものです。


◆上演時間:約100分


ウィーン国立歌劇場2012年日本公演『サロメ』指揮者変更のお知らせ

2012年10月 9日 15:00


10月14日に開幕するウィーン国立歌劇場日本公演で、『サロメ』を指揮する予定となっておりました、フランツ・ウェルザー=メストは、右腕に負った怪我により指揮の動きに激痛が伴うことから、医師から数週間指揮を休むように厳しく命じられ、日本公演での指揮を断念せざるを得なくなりました。
ウェルザー=メストに代わり、今回の日本公演で『フィガロの結婚』を指揮するペーター・シュナイダーが『サロメ』を指揮いたします。
シュナイダーは1984年に『ばらの騎士』を振り、ウィーン国立歌劇場にデビューして以来、ウィーンの数々の作品を指揮。『サロメ』も彼の得意とするレパートリーのひとつであり、2012/13年シーズンにも『サロメ』を指揮することが発表されております。
音楽総監督に就任して初めての日本公演に並々ならぬ情熱を注いできただけに、このような事態になったことをウェルザー=メストも非常に残念に思っており、日本の観客に向けてのメッセージが届いております。併せてご一読いただければ幸いです。
フランツ・ウェルザー=メストの『サロメ』にご期待いただいていた皆さまには、たいへん申し訳ございませんが、この指揮者変更に何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

公益財団法人日本舞台芸術振興会





■フランツ・ウェルザー=メスト 日本の観客の皆さまへのメッセージ

親愛なる観客の皆様

このたび、ウィーン国立歌劇場日本公演の一員としてではなく、こうしてウィーンより皆様にご挨拶をお送りせねばならないことを大変残念に思っております。

大変遺憾ながら、腕の怪我によりウィーン国立歌劇場の日本公演を降板せざるをえなくなりました。数週間、指揮を休むよう厳しく医師より命じられているのです。

これまで日本に何度となくご招待いただき、日本の皆様のクラシック音楽、とりわけオペラへの特別な情熱に触れる機会を得てきました。この皆様の音楽への真の愛情、深い関心を感じることは、アーティストにとっていつも素晴らしく、そして比類のない経験です。加えて、私個人におきましても、今回の日本公演はとても楽しみにしておりました。ウィーン国立歌劇場の音楽総監督として初めて来日し、ウィーンのレパートリーの中でも大変重要な『サロメ』を3公演指揮し、歌劇場の長年にわたる伝統を素晴らしい皆様の国と一緒に称えるという、私にとって大変意義深い公演となるはずでした。

音楽を愛する皆様と日本またはウィーン、いずれかの地で再びお目にかかれますように。そして、8回目となるウィーン国立歌劇場日本公演が皆様に大きな喜びをもたらし、いつまでも思い出に残る素晴らしい公演となりますことを心より願っております。


ウィーン国立歌劇場音楽総監督
フランツ・ウェルザー=メスト


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■ペーター・シュナイダー Peter Schneider


 ウィーン生まれ。ウィーン少年合唱団で活躍した後、ウィーン音楽院で作曲と指揮を学んだ。ザルツブルクとハイデルベルクでコレペティトールやカペルマイスターとして研鑽を積んだ後、ライン・ドイツ・オペラの指揮者となる。ここで数々のオペラのレパートリーを習得した。1978年にブレーメンで音楽監督に就任。1981年からは、バイロイト音楽祭にも出演を重ねている。
 1993/94年シーズンより、バイエルン国立歌劇場およびバイエルン国立管弦楽団の首席指揮者、現在も主席客演指揮者を務めている。
 1995年にはメトロポリタン歌劇場にデビューした。
 ウィーン国立歌劇場には、1984年に『ばらの騎士』を振ってデビュー。以来、『カプリッチョ』、『ドン・ジョヴァンニ』、『フィガロの結婚』、『フィデリオ』、『魔笛』、『さまよえるオランダ人』、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』、≪ニーベルングの指環≫、『パルシファル』、『トリスタンとイゾルデ』、『影のない女』、『パレルトリーナ』など数々の作品を指揮している。2012/13年シーズンには、『サロメ』、『ワルキューレ』、『フィデリオ』などが予定されている。



【ウィーン国立歌劇場】 コンサートマスター フォルクハルト・シュトイデ インタビュー ~『サロメ』の演奏は、大嵐の中飛行機を着陸させるようなもの~

2012年9月28日 11:34

ウィーン国立歌劇場日本公演もいよいよ目前となりました。
開幕を飾る『サロメ』は、" オーケストラのオペラ"と呼ばれることもあるほど、管弦楽が重要な作品です。音楽総監督フランツ・ウェルザー=メストは「まず、オーケストラありき、でこの作品を選んだ」と語りました。
それもそのはず、ウィーン国立歌劇場管弦楽団で演奏するのは、世界に冠たるウィーン・フィルなのですから。
日本公演開幕を前に、『サロメ』でコンサートマスターを務めるフォルクハルト・シュトイデさんに、緊急電話インタビューを行いました。



「私たちのオーケストラには、R. シュトラウスが好きだったサウンドが
 知識と経験によって受け継がれ、息づいているのです」



12-09.28.jpg――ウィーン国立歌劇場では、名だたる名指揮者たちが『サロメ』を振ってきました。たとえば、ヘルベルト・フォン・カラヤンは、ウィーンを去った後も多くの録音をしましたが、こと、『サロメ』に関しては、ウィーン・フィル以外とは演奏されなかったそうです。いわば世界最高の演奏を認められた『サロメ』演奏です。オーケストラのもつ最大の"威力" はどんなところにあると思われますか?

シュトイデ:まず、『サロメ』のようなオペラを常にレパートリーとして演奏できるオーケストラは、たしかに少ないと思います。私たちは『サロメ』を含む年間約50 本の作品をレパートリーとしています。ですから、『サロメ』のようにオーケストラにとって難しいオペラでもすぐに演奏できるのです。2 ~ 3 年上演機会が無く、最初からやり直してリハーサルするのは大変だと思います。
次に、なぜ私たちのオーケストラがこの作品をうまく演奏できるかという理由としては、オペラがオーケストラの中に生き続けているからだと思います。R. シュトラウスは、ウィーン・フィルが好きだったと思いますし、私たちのサウンドを敬愛していました。自ら指揮もしています。このように作曲家が、あるオーケストラをとても近く感じていたということは、その間には、きっと目に見えない絆、そして人間的な絆もあると思うのです。オーケストラの団員は、学んだことを必ず次の世代に伝えていきますから、その当時どう演奏されたかが、全部でなくとも継承され続けていきます。もちろん、オーケストラ自身も変わっていきますし、サウンドも変わっていきますが、その当時の記憶や特別なことは、残り伝わっていくものがあるのです。たとえば私たちの楽譜のなかには作曲された時代からのものもあり、そこには当時の楽団員による書き込みがあります。単に古い昔の楽譜というのではなく、その作品がまだ生き生きと息づいているのです。そのような楽譜を開くと作曲家の息吹が感じられます。楽譜の書庫に行き様々なオペラの楽譜を手にすると、私たちはオペラハウスのオーケストラとして多くのオペラをレパートリーとしてこれまでに演奏してきたことが良く分かります。楽譜だけでなく、その作品演奏の知識もまた、受け継がれているのです。
私は「ウィーン・フィルの伝統」「伝統」とあまりに言われすぎるので、「知識と経験が次の世代に受け継がれる」という言い方をしたいと思いますが、これは、とても家庭的で、家族の中で受け継いでいくような感じなのです。大好きでよく演奏していた曲についての知識や、それを偉大な指揮者のもとで演奏した時の思い出などと共に次の世代に伝えていくのです。そうすると、とても特別な、興味深い演奏へと繋がっていくのです。R. シュトラウスの作品は、彼の人間性や感情の表現だと思います。彼の作品には、その気持ちが天才的に表現されています。ですから彼が好きだったオーケストラで、そのサウンドで演奏することは、きっと作曲家の気持ちに近いものが表現できると思うのです。


――コンサートマスターとして、また個人的に、「サロメ」演奏について特に重要に考えていらっしゃることはありますか。

シュトイデ:R. シュトラウスのオペラは特別で、バランスをとることが大変に重要です。とても濃厚なオーケストレーションで多くの楽器が演奏しますが、同時に舞台上で歌う歌手の歌詞が大切なのです。
この美しい詩的な歌詞がオーケストラに掻き消されて聴こえないのは大変に残念なことですから。でもオーケストラピットで演奏していると、R. シュトラウスのオペラの音楽はシンフォニーのように素晴らしく、オーケストラとしてブレーキが利かなくなりそうなほどなのです。まさに交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」を演奏する時のように演奏したくなるのですが、それは抑えなければなりません。それが、コンサートマスターとしての役目の一つでもあります。どうしても音が大きくなりがちなときに、同僚を押さえる方向に持っていくようにも努力しています。楽譜に書いてあるフォルテ、ピアノだけではなく、演出により歌手が舞台の後ろの方で歌わなければならない場合は、楽譜がフォルテになっていても、歌手の声が聴こえる大きさにしなければならないのです。そういう強弱は楽譜には書いてありませんから、舞台上の歌手の声を聴きながら、よいバランスを探って演奏することが大切です。




「オペラ『サロメ』の演奏は、例えて言えば、
 大嵐のなかに飛行機を着陸させるようなもの。
 強力な体制で最高の演奏に臨みます」



―― "香りたつような" という表現がぴったりの豊かな響きは聴衆に陶酔感を与えることになりますが、演奏していらっしゃる方たちも、『サロメ』の演奏中に他のオペラとは異なる感覚を持つことはあるのでしょうか。

シュトイデ:このオペラはとても官能的で魅惑的ですよね。特にサロメの踊りのシーンはエロチックな音楽です。豊かで、非常に深くインテンシブな感情に満ち溢れ、メロディーが雰囲気をかもし出すところだけでなく、パーカッションが入るところなどのリズムも、本当に魅惑的なオペラです。
A私は、『サロメ』は、緊張感溢れる映画のようだと思っています。この作品が書かれた当時の人たちは、現在の私たちが映画館で"すごい映画" を見るような感覚をもったのではないでしょうか? ストーリーの最後は、死人の首が運ばれて、それにサロメは接吻するのですから、何と恐ろしい話でしょう。これは恐ろしくぞっとする映画のよう。特にサロメがヨカナーンの首に接吻するところでは、鳥肌が立つほど! 恐ろしい話ですが、その音楽がすごくて、ゆっくり、ゆっくりと恐ろしさが忍び寄ってくるのです。単にあっと驚くのではなく、徐々に忍び寄る恐ろしさ、その音楽には、演奏するたびに特別の感情を持ちます。


――『サロメ』は1幕のなかに濃縮したドラマと音楽が詰まった作品です。演奏に際して、今回の日本公演のほかの2作品と異なる点は?

シュトイデ:『サロメ』は、オーケストラへの要求度が最も高いオペラです。もちろんモーツァルトが簡単というわけではありません。モーツァルトは微妙に難しいですが、大切なのは演奏スタイルとサウンドです。モーツァルトの演奏自体も、この50 年で変わってきてはいますが、ウィーン・フィルは、やはり他のオーケストラとは違うモーツァルトを演奏していると思います。しかし『サロメ』は、例えていうなら、大嵐の中に飛行機を着陸させるようなものなのです。オーケストラの最大の力を出して、演奏しなければなりません。今回の日本公演では、コンサートマスターは私一人なので、『サロメ』には、リタイヤーしているヴェルナー・ヒンクさんにも手伝ってもらうことになりました。彼は経験豊かな私たちの誇るコンサートマスターでしたし、日本が大好きですし、強力な体制で最高の『サロメ』をお聴かせできると思います。
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「ウェルザー=メストの指揮で演奏すると、
 躍動していくような音が出せるのです」


――コンサートマスターの立場から、マエストロ ウェルザー=メストのR.シュトラウス作品における音楽づくりの魅力や特徴はどのようなところにあると感じていらっしゃいますか。

シュトイデ:『サロメ』以外のR. シュトラウスのオペラ『アラベラ』や『影のない女』も、マエストロの指揮で演奏しています。とても良いですよ。特に彼の指揮は、常に落ち着きがあり、決して硬くならないのです。指揮者によってはR. シュトラウスを指揮すると、手も身体もこわばらせてしまうことがあったり、または演奏中に何か問題が起こると、指
揮の動きが止まってしまう場合もよくあるのですが、彼の場合はそうしたことはまったくない。力を込めすぎて指揮されると、オーケストラも変に硬くなってしまうのですが、彼の指揮は、オーケストラからとても良いR. シュトラウスのサウンドを引き出します。彼の指揮で演奏すると、躍動していくような音が出せるのです。素晴らしい指揮のテクニ
ックの持ち主だと思います。また、指揮者によっては"寸分たがわずこうあるべき"、と決め付けてかかってくることもありますが、彼の場合は"上から強制する"という指揮ではありません。私たちにパルス( 脈拍) を与えてくれるのです。指揮者ですから、もちろんオーケストラや歌手をリードするのですが、彼はとても繊細で、しかも私たちの自由裁量に任せてくれる部分もあり、それがオーケストラから良いサウンドを引き出すのに貢献していると思います。大きな音量のところでも、指揮者の圧力で押し出されるのではなく、とても自然に、大きな音がでて、それが良いサウンドになります。

――最後に、日本のファンへのメッセージを。

シュトイデ:日本の皆さまのクラシック音楽に対する造詣の深さ、その愛情の深さを、こころから尊敬しています。世界の反対側に、こんなにたくさんの音楽を愛する人たちがいることは、感激です! 多くの音楽ファンのいる日本に行けること、そしてそこでオペラを演奏できることは大いなる喜びです。皆さまに喜んで頂けるよう最高の演奏をお約束します。


NBSニュースvol.308より転載
(電話インタビュー:松田暁子)

舞台写真:WienerStaatsoper/Michael Poehn


ウィーン国立歌劇場「フィガロの結婚」 スザンナ役変更のお知らせ

2012年9月20日 11:00

ウィーン国立歌劇場日本公演「フィガロの結婚」のスザンナ役を、当初、アニタ・ハルティッヒと発表いたしましたが、ウィーン国立歌劇場側の都合により、10月20日、23日の2公演にシルヴィア・シュヴァルツが、10月28日の公演にアニタ・ハルティッヒが出演することになりました。なにとぞご了承ください。


「フィガロの結婚」スザンナ:
◎シルヴィア・シュヴァルツ  10月20日(土)3:00p.m.、10月23日(火)5:00p.m.
◎アニタ・ハルティッヒ  10月28日(日)3:00p.m


シルヴィア・シュヴァルツ

12-09.20_01.jpg スペイン人の両親のもと、ロンドンで生まれた。声楽はマドリードの音楽学校で学び、その後ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学に学び、卒業後ミラノ・スカラ座で『ドン・ジョヴァンニ』のツェルリーナでデビューした。
 2005年にベルリン国立歌劇場のメンバーとなり、同劇場で『フィガロの結婚』のスザンナ、『魔笛』のパミーナ、『ドン・ジョヴァンニ』のツェルリーナ、『ばらの騎士』のソフィー、『ファルスタッフ』のナンネッタ、『仮面舞踏会』のオスカルなどを歌って評価を高め、ミュンヘン、ボリショイ、フィレンツェ、パリほかへと活躍の場を広げた。2007年の同歌劇場日本公演でも、『ドン・ジョヴァンニ』のツェルリーナを演じ、好評を得た。
 2010/11年シーズンよりウィーン国立歌劇場のメンバー。これまでに『フィガロの結婚』のスザンナ、『ファルスタッフ』のナンネッタ、『ドン・ジョヴァンニ』のツェルリーナなどを歌っている。2012/13年シーズンには、『ドン・ジョヴァンニ』のツェルリーナ、『愛の妙薬』のアディーナ、『ばらの騎士』のゾフィー、『魔笛』のパミーナでの出演が予定されている。


ウィーン国立歌劇場 明日9/8(土) 10時より第2次発売!

2012年9月 7日 16:34


4年ぶりとなるウィーン国立歌劇場日本公演の開幕まで1か月となりました。

明日9月8日(土)10時より、第2次発売の受付を開始いたします。
第2次発売は、各前売所からの回収分等、そしてカンパニー用に確保しておりました席を一部開放して、NBSチケットセンター(電話予約)とイープラスのみで受付します。一斉前売でご希望のチケットが入手できなかった方は、この機会にいま一度お問合せください。


ウィーン国立歌劇場第2次発売 申込先


●NBSチケットセンター[電話受付] 03-3791-8888

●e+(イープラス)[パソコン&携帯] http://eplus.jp/wso/


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ウィーン国立歌劇場日本公演関連記事を、NBSニュースweb版にてご覧いただけます!
ぜひアクセスしてください!


☆「サロメ」 グン=ブリット・バークミン(サロメ) インタビュー →こちら

☆「アンナ・ボレーナ」 エディタ・グルベローヴァからのメッセージ  →こちら


エディタ・グルベローヴァ ウィーン・レポート(音楽ジャーナリスト:山崎睦)


"エディタ、ダンケ!"沸き起こるウィーンの拍手と歓声


12-07.03_02.jpg 目下、ウィーン国立歌劇場のマーラー・ザールでは伝説の写真家、リリアン・ファイアーの95才の誕生日を祝って歌手の写真展が開催され、オペラの幕間には大勢の人々で賑わっている。ドミンゴ、シュヴァルツコップ、テバルディなど、戦後を代表する世界的名歌手が綺羅星のごとく並ぶなかで、ほぼ中央に位置を占めているのが等身大より大きなエディタ・グルベローヴァのパネルだ。マスネ『マノン』のタイトルロールに扮し、ポネルのデザインによる、目の覚めるようなパープルの衣装を纏った当時37才のグルベローヴァがまっ先に目に飛び込んでくる。ウィーン・デビューから13年、ツェルビネッタ、ルチアと連戦連勝を重ね、オペラ界の頂点に立った頃の艶姿であり、眺める人それぞれに彼女の栄光の軌跡を辿ることになる。
 ウィーンにおける最近のグルベローヴァの実際の活動は、まず4月29日の国立歌劇場での独唱会で、アレクサンダー・シュマルツのピアノ伴奏によりシューベルトの「4つカンツォーネ」などイタリア語による作品と、「ズライカ」、「糸を紡ぐグレートヒェン」等、ヴォルフ「ヴァイラの歌」、「庭師」、「子供と蜜蜂」等、R.シュトラウス「花輪を編みたかった」、「あなたの歌が私の心に響くとき」等、非常に凝ったプログラム。それでアンコールは、やはりシュトラウスの「響け」、そしてデラックワ「ヴィルネル」、ミレッカー「私たち、哀れなプリマドンナ」の3曲で会場を熱狂させた。このプログラムでベルリン、ミラノ・スカラ座等を一巡している。
 その後、5月26日から6月10日にかけてドニゼッティの『ロベルト・デヴェリュー』を4回歌った。共演はホセ・ブロス(ロベルト・デヴェリュー)、ナディア・クラステヴァ(サーラ)、甲斐栄次郎(ノッティンガム公爵)で、指揮はエヴェリーノ・ピド。現在の彼女の当たり役のひとつ、エリザベッタ(エリザベス1世)で老境のイギリス女王の悲哀を余すところなく歌い演じて、まさに圧倒的な大舞台だ。大きなアッチェレランドをかけて音楽を追い上げ、旋律線が上へ上へと駆け上がって、ドラマティックな緊迫度を高めていく彼女のアジリタ技法は依然として最大の武器であり、最強のソプラクート(3点ドより高い音)で最後を決める迫力は比類がない。
 カーテンコールになって、ステージ寄りのロージェ(ボックス席)の手すりに「エディタ、ダンケ!(ありがとう)」と大書された垂れ幕が掛けられ、忠誠を誓う昔からの親衛隊が相変わらず張り切っている一方、立見席に居並ぶ、ほんとうに若い客層からも元気な拍手歓声が飛んで、そのような光景が30分は続いている。ウィーンはグルベローヴァにとって揺るぎない牙城なのだ。ニューヨーク・メトロポリタンオペラでカルロス・クライバーと共演した『椿姫』やミラノ・スカラ座でのドニゼッティ『シャモニーのリンダ』等の成功の後、近年はこれらの劇場からは距離を保っているものの、ヨーロッパではウィーンの他にミュンヘン、チューリッヒ、バルセロナと、彼女の崇拝者はとどまるところがない。
 なお、『ロベルト・デヴェリュー』の指揮者、ピドはグルベローヴァとは今回がはじめての共演になり、今秋の日本での『アンナ・ボレーナ』でも指揮することになっている。誇り高いプリマドンナをサポートしなければならないのが指揮者の役割だが、いまやベルカント・オペラの第一人者たるピドは、その辺の呼吸も確かで、今回の『ロベルト』公演を輝かしいフィナーレに導いた功労者に違いない。

12-07.03_01.jpg
 さらに、6月20日からはじまる国立歌劇場の今シーズン最後の演目、ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』4公演で大混乱が生じている。予定されていたディアナ・ダムラウの不都合により、はじめの2公演がロシア人のヒブラ・ゲルスマーワに交代。ところがそのヒブラもダウンして、1回目はフランクフルト専属のアメリカ人、ブレンダー・レーを登場させるという二転三転ぶり。
 周知のように、従来この演目はグルベローヴァが長年歌っていて、キャンセルもほとんどなく、つねに抜群の安定度を誇っていたものだが、彼女がこの役を歌わなくなった途端の騒動だ。ウィーンのランクの劇場でルチアを歌える歌手を探すのが困難なわけで、この様子では今後ますますベルカント・オペラの上演は減少するだろう。そこで、あらためてわかるのが、"不世出のディーヴァ"、グルベローヴァの偉大さなのだ。


山崎 陸(在ウィーン 音楽ジャーナリスト)
NBSニュース vol.305より転載



※写真は4月29日に行われたリサイタルより(photo:Wiener Staatsoper / Michael Poehn)

◆ウィーン国立歌劇場公式サイト「アンナ・ボレーナ」>>>


ウィーン国立歌劇場<小学生のためのオペラ「魔笛」>公式サイトオープン&7/2より親子券の先行抽選予約受付開始

2012年7月 2日 09:29

ウィーン国立歌劇場が今秋の日本公演で初めて上演する<小学生のためのオペラ「魔笛」>の公式サイトがオープンいたしました!

また、本日7月2日(月)10時より、親子券[子ども(小学生)+大人]の先行抽選予約の受付をスタートします。
公式サイトにアクセスしていただき、先行抽選予約のメールフォームよりお申込みください。


世界最高峰のウィーン国立歌劇場が、日本で初めて上演する子どものためのオペラ。
"びっくりするような歌声や美しい演奏と、わくわくする楽しさ"に溢れた本物のオペラをご家族で体験してください!

12-07.02Magic.png
●ウィーン国立歌劇場<小学生のためのオペラ「魔笛」>公式サイト


ウィーン国立歌劇場日本公演 「サロメ」ヘロディアス役がイリス・フェルミリオンに決定!

2012年6月28日 16:59

12-06.28_cast.jpgウィーン国立歌劇場日本公演『サロメ』のヘロディアス役は、イリス・フェルミリオンが演じることが決定いたしました。
ウィーン国立歌劇場のほか、バイエルン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座でも成功をおさめているフェルミリオンのヘロディアス、どうぞお楽しみに。














photo:WienerStaatsoper/MichaelPoehn


ウィーン国立歌劇場 小学生のためのオペラ「魔笛」公演詳細決定!

2012年6月 8日 15:59


ウィーン国立歌劇場が誇る、子どもの心に届く"本物"の楽しさ!


12-06.07_02.jpg今回のウィーン国立歌劇場日本公演では、3つのオペラ上演のほかに、「小学生のためのオペラ『魔笛』」の公演も実現します。これまで外来の歌劇場が子ども向けの作品をもってきたことは一度もありませんでした。わが国のオペラの観客も年々高齢化が目立ちますが、次世代の観客を育てることは差し迫った課題になっています。また近年の情報機器の急激な発達・普及により、子どもたちの情操の問題が取り沙汰されておりますので、情操教育の一環としてオペラ鑑賞の機会を子どもたちに提供することは、子どもの心の健全な育成のために大きな意義があると考えています。こうした背景から、このたび世界最高峰のウィーン国立歌劇場が来日するにあたり、NBS では初めて子どものためのオペラ上演に踏み切ることにいたしました。これをきっかけにこうした子ども向けの活動が関心を呼び、子どもたちの舞台鑑賞の機会が増えることを願っています。
ウィーン国立歌劇場で毎年2 月に行われる大舞踏会は世界的にも有名ですが、この催しのために客席を取りはらった平土間を使って、子どもたちにオペラを体験させようと、2003 年から前総裁イオアン・ホーレンダーと前音楽監督小澤征爾によって始められたのがこの子どものためのオペラです。パパゲーノ役の歌手がナビゲーターとなって、オペラの物語や楽器を紹介していきます。およそ1時間とコンパクトにまとめられていますが、主要アリアは網羅されているうえ、演奏がウィーン・フィルのメンバーとなれば上演の質は世界の一級品にほかなりません。
「オーストリアの子どもたちに、オペラを観たことがあるかというアンケートをとったところ、Yes と答えた子どもの80%が、この子どものためのオペラを挙げました。子どもにとっては、舞台と客席ではなく、手が触れられる距離であることはとても重要な経験なのです」と、現総裁のドミニク・マイヤーは語ります。今回の日本公演では、ウィーン国立歌劇場でも活躍している甲斐栄次郎がパパゲーノ役を演じ、日本語で直接子どもたちに語りかけます。子どもたちが最も大きな反応を見せる「夜の女王のアリア」を歌うアルビナ・シャギムラトヴァはこの役でウィーン国立歌劇場にデビューした実力派。さらに、パパゲーナ役のヴァレンティーナ・ナフォルニータはマイヤー総裁のお墨付き。「彼女はカーディフなどの大きな国際コンクールで優勝していますが、私はそれよりも前にイタリアのコンクールで彼女の才能に出会い、すぐにウィーンに来て勉強するようにしたのです」 「オペラは長時間、お行儀よく聴かなければならない」と考えるのは、残念ながら子どものころに「わくわくするような楽しさとびっくりするような歌声や美しい演奏が次々出てくる」"本物" の体験をしていないからなのではないでしょうか。


* * * * * * *



ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
〈小学生のためのオペラ 「魔笛」〉

Wolfgang Amadeus Mozart Die Zauberflöte für Kinder

第19回神奈川国際芸術フェスティバル



12-06.07_01.jpg[指揮]パウル・ヴァイゴルト Conductor:Paul Weigold

[演奏]ウィーン国立歌劇場管弦楽団
Orchester:Orchester der Wiener Staatsoper


[出演]
ザラストロ:イル・ホン
Sarastro:Il Hong

タミーノ:カルロス・オスナ
Tamino:Carlos Osuna

夜の女王:アルビナ・シャギムラトヴァ
Die Königin der Nacht:Albina Shagimuratova

パミーナ:アレクサンドラ・ラインプレヒト
Pamina:Alexandra Reinprecht

パパゲーノ:甲斐栄次郎
Papageno:Eijiro Kai

パパゲーナ:ヴァレンティーナ・ナフォルニータ
Papagena:Valentina Naforniţă

モノスタトス:ヘルヴィック・ペコラーロ
Monostatos:Herwig Pecoraro


[公演日] 2012年 10月26日(金) 6:00p.m. 開演

[会場] KAAT神奈川芸術劇場 ホール

[チケット発売方法]
●親子券(子ども席+大人一般席) FAX先行抽選予約 7月下旬より受付開始予定

●親子券(子ども席+大人一般席) 一斉発売 8月下旬開始予定
 ※先行抽選予約で残券があった場合に発売いたします。

●大人一般席 一斉発売9月中旬 開始予定
 ※親子券発売後、残席があった場合のみ、発売いたします。

[お問い合わせ お申し込み]
NBSチケットセンター TEL03-3791-8888(平日10:00~18:00、土曜10:00~13:00)


[主催] 公益財団法人日本舞台芸術振興会/日本経済新聞社
[提携] KAAT神奈川芸術劇場(指定管理者:(公財)神奈川芸術文化財団)
[後援] オーストリア大使館/神奈川県教育委員会/横浜市教育委員会


photo:Wiener Staatsoper/Michael Poehn


「アンナ・ボレーナ」が日本最後の公演となるエディタ・グルベローヴァ 最新インタビュー

2012年6月 1日 15:10


30年間にわたってオペラ・ファンを熱狂させた"女王"の告別公演に! 
「今度の『アンナ・ボレーナ』が日本で最後のオペラになります」


取材・文:山崎睦(在ウィーン 音楽評論家)


12-06.01_01.jpg4月24 日、ウィーン国立歌劇場の監督部門が置かれている3階廊下で広報部スタッフとともに待機するなか、エディタ・グルベローヴァが現れた。ターキッシュ(トルコ)がかった鮮やかなブルーのコスチュームがよく似合って、見るからに元気そうな彼女に一堂ほっと一安心。2日後に同劇場でのリサイタルを控えているのだ。今回のインタビューにあたり、劇場側は"女王様" にふさわしい設えということで、もっとも豪華で格式の高い"皇帝のティーサロン"を準備して、すべてが特別待遇だ。この秋のウィーン国立歌劇場日本公演で彼女の演目になる『アンナ・ボレーナ』をテーマに話を進め、それ以降の来日について尋ねたところで、衝撃の引退宣言が出たのだ。「ちょうど良い機会ですから、ここではっきりさせておきたいのですが」と前置きしてから、「今度の『アンナ・ボレーナ』が日本で最後のオペラになります」といきなり言われて、筆者は動転。気を取り直してリサイタルなどでの単独来日の可能性を打診したところ、「それも、もう考えていません。長年にわたって私を応援してくださった日本のファンの方々にお別れするのはつらいですし、お世話になった主催スタッフの皆さんに対しても同様の気持ちですが、ここで区切りを付けます。SAYOU-NARA !」。そしてヨーロッパでも2015 年春以降の予定は入れていないのだと語った。
1980 年の初来日以来、30 年以上を通じてわが国では熱烈なファン・グループが形成されて、一人の歌手に対する広範な支持層の広がりという点では例を見ない存在がグルベローヴァだ。たしかに現在65 才(1946 年12 月23 日生まれ)のグルベローヴァは、一般に歌手生命が短い高音歌手としては、すでに記録的な年齢に達しているわけであって、ここで引退宣言があっても不思議ではない。だが"天下無敵" のコロラトゥーラであり、不世出のディーヴァには、いつまでも歌っていてもらいたいという願望が大きすぎるあまり、もう彼女のライブが聴けなくなるなどとは想像もしたくなかったのだ。じつに潔い、見事な引き際である。


* * * * * * * * *



1970 年のウィーンで、まずモーツァルト『魔笛』の夜の女王で認められ、76 年にR. シュトラウス『ナクソス島のアリアドネ』のツェルビネッタで世界的にブレークしたグルベローヴァだが、このままドイツオペラに留まっても、自分のリリコ・レッジェーロの声がカヴァーできる役柄は制限され、発展の可能性は限定される。悩んだ末にトライしたのがドニゼッティ『ランメルモールのルチア』だ。


――『ルチア』での空前の大成功により、ベルカント・オペラの方向が開けたのですよね。

グルベローヴァ:はい、そのときからドニゼッティ、ベッリーニの作品が私の中心的レパートリーとなり、ライフワークになりました。そのなかでもドニゼッティの"女王三部作" といわれる『マリア・ストゥアルダ』、『ロベルト・デヴェリュー』、そして今度日本で歌う『アンナ・ボレーナ』は私にとってひときわ重要です。このうち『ボレーナ』は作曲家の出世作と評価され、実際に歌っていても若い意欲と活気あふれる音楽に啓発される素晴らしい作品です。私自身、イギリス・チューダー朝の歴史に強い関心があるので、様々なかたちでエリザベス一世が出てくるこれらの作品は史実としても
興味深く、『ストゥアルダ』は若きエリザベス、『ロベルト』は最晩年のエリザベス、そして『ボレーナ』は彼女の母親、アン・ブリンの物語です。ここでドニゼッティは娘を役柄として登場させませんが、今回のウィーンの演出でも子役が出てきて、観客に二人の親子関係を印象付けるような舞台になっているんですよ。


――長い歌手生活は、まさに波乱万丈でしたでしょうね。

グルベローヴァ:ウィーンに出てきて、最初の7年間はたいへん苦労しました。たまに『魔笛』や『ホフマン物語』のオランピアのチャンスがありましたが、座付きソプラノとして『パルジファル』の花の乙女グループ1の1、『メデア』や『ダフネ』で女中1、とか名前もなく番号で呼ばれる役が多く、意気消沈の毎日でした。


――若い頃から最強の高音をお持ちだったから、グループでも一番上の1番ですけど。ほかに『椿姫』のフローラ、『蝶々夫人』のケート・ピンカートンとか、いまではとても考えられない端役ですね。そうそう、ワーグナー『ジークフリート』の森の小鳥を聴いていますよ。

グルベローヴァ:ああ、あれはちょっとしたお遊びというか(笑)。ただ、ここで言いたいのは、小さい役柄というのは先の発展に継らないですよ。物事はすべてそうでしょうが、大きく困難な課題を与えられて、それを乗り越えようとがんばる、その努力が将来の発展に繋がっていくものです。


――大きな挑戦ということで、ドニゼッティ、ベッリーニの数々の大役を歌ってこられて、あなたのおかげで長年埋もれていた作品が再び上演されるようになったことはオペラ史上、たいへん意義のあることに違いありません。

グルベローヴァ:この夏からベッリーニの、上演される機会のない『異邦人』に着手します。まずミュンヘンにおける演奏会形式で、それで13 年にはチューリッヒで舞台上演にかけます。15 年冬にはアン・デア・ウィーン劇場を予定していて、私の最後のオペラということになりますね・・・。


photo:Wiener Staatsoper/Michael Poehn


ウィーン国立歌劇場音楽総監督 フランツ・ウェルザー=メスト インタビュー

2012年5月11日 17:34

『サロメ』を選んだのは、
"ウィーン・フィル"によってのみ可能な、最高の上演を確信するから!



取材・文:山崎睦(在ウィーン 音楽評論家)



音楽総監督としての展望、日本で振る"ウィーンの『サロメ』"の魅力など、4月初旬のインタビューでは、フランツ・ウェルザー=メストの自信と確信が語られました。


Q:まずは3月の叙勲おめでとうございます。"勲一等学術芸術栄誉勲章"はオーストリアでは最高位の勲章であって、いま52才でこの勲章が授けられると、次はどうなるのでしょう。

フランツ・ヴェルザー=メスト(以下FWM):ありがとうございます。じつはこの国の叙勲システムをよく知らないので、将来については見当が付きません(笑)。


Q:ウィーン国立歌劇場の音楽総監督(GMD)に就任されて、ほぼ2シーズンとなりますが、事前の期待と、その後の現実とのギャップについて、どのように考えられますか。

12-05.11_WELSER-MOEST.jpgFWM:私が国立歌劇場にデビューしたのは1987年のことだから、当時のことはともかく、2010年のGMD就任前に、06年からR.シュトラウス『アラベラ』、ワーグナー《ニーベルングの指環・四部作》、『タンホイザー』と続けてプレミエで出しているので、様子はすでに良く分かっていて、いまのポストに就いた後も、ことさらギャップはありません。


Q:国立歌劇場でオーストリア人が音楽面のトップに立つのはカラヤン以来、じつに46年ぶりとなります。世界最高の歌劇場の頂点に当たる地位だから、あらゆる指揮者にとっての究極のポストであることに違いはないですが。

FWM:カラヤンの前にはベームがいて、彼らの同国人の後継者として、たいへん栄誉なことであると同時に大きな責任も感じています。ただ、当時といまでは歌劇場を取り巻く環境がまったく異なるわけで、それらを踏まえたうえで21世紀における前進、充実をつねに考えているところです。


Q:ウィーン国立歌劇場の魅力や特徴について、最高責任者としての見解は。

FWM:歴史、伝統、格式といったこととは別に、まず毎晩の上演内容のレベルの高さに注目すればウィーンに匹敵する歌劇場はないでしょう。たとえばこの3月に限っても、私自身がR.シュトラウス『影のない女』、『トスカ』、ヒンデミット『カルディヤック』を、ド・ビリが『タンホイザー』を指揮し、復活祭の『パルジファル』をティーレマンが準備しています。他に『フィガロの結婚』、『ドン・ジョヴァンニ』、『シモン・ボッカネグラ』、『蝶々夫人』、『愛の妙薬』等を、それぞれ第一線級の歌手で提供しているオペラハウスはないですよ。演目数が年間55程度と数が多いだけではなく、フランス・オペラ、スラヴ物などのバランスといい、素晴らしい充実度を誇っています。


*  *  *  *  *



Q:今回、日本で指揮される『サロメ』に話題を移しましょう。国立歌劇場は1980年に一度『サロメ』を日本で客演していますが、再度上演する意味、またバルロク演出のプロダクションの魅力について。

FWM:私がGMDとしての最初の日本ツァーに『サロメ』を決めたのは、"まずオーケストラありき"ですよ。国立歌劇場管弦楽団は周知のようにウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(VPO)と重複していて、このオケあってこそのシュトラウスということを強調しておきたいです。カラヤンはウィーンを退出した後、ベルリン・フィルと多数のオペラをレコーディングしていますが、自分が大切にしていたR.シュトラウスの作品、なかでも『サロメ』に限っては、夏のザルツブルク音楽祭もふくめて、VPO以外とは演奏しようとはしなかったですよね。私も彼とまったく同意見であり、作曲家のイメージした世界が、多様な色彩感、自由で即興的な速度と音量の揺れ、そしてなによりも世紀末の雰囲気をこれほど見事に再現できるのはVPOをおいて他にはないでしょう。ウィーンの『サロメ』こそ、稀代の管弦楽法の名人であったシュトラウスの真髄をつたえるものであると確信します。バルロク制作のステージに関しては、世紀末ウィーンのユーゲントシュティールの画家であり、今年生誕150年になるクリムトを大胆に写した舞台美術・衣裳とあわせて作曲当時の世相である爛熟、退廃した空気感が濃厚に伝わってくる素晴らしいステージです。プレミエから40年経っていることなど、まったく超越していて、VPOの演奏と織りなす絶妙のコンビネーションが今回の『サロメ』の見どころ、聴きどころとなります。


Q:ドイツ人ソプラノで題名役に扮するグン=ブリット・バークミンについて。

FWM:バークミンを、私が直接ウィーンでオーディションして起用することにしました。たいへん個性的で演劇的才能があり、なによりもテキストを舞台に反映させる表現力が非常に優れています。私がサロメ役の歌手に求めるものに、まさに該当するからです。


Q:2007年のチューリッヒ歌劇場との『ばらの騎士』以来、日本ではR.シュトラウス指揮者というイメージが強くなりますが。

FWM:そういうふうに見られることに関しては、むしろたいへん名誉なことだと思いますよ。20世紀のオペラ作家として傑出した彼の作品を演奏するのに最適なVPOを擁する歌劇場で、私が指揮できる境遇にあることを感謝したいほどです。来シーズンに『ナクソス島のアリアドネ』、その先に彼の晩年の『ダーナエの愛』、『エジプトのヘレナ』も取り上げるつもりで、私のこの作曲家に対する偏愛は、いっそう強くなっています。


photo:WienerStaatsoper/Michael Poehn


※NBSニュースvol.303より転載


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