「ニジンスキー」全2幕
音楽: | フレデリック・ショパン、ロベルト・シューマン、ニコライ・リムスキー・コルサコフ、 ドミトリー・ショスタコーヴィッチ |
振付・舞台装置・衣裳: | ジョン・ノイマイヤー |
1919年1月19日、スイス、サンモリッツのスヴレッタ・ハウス・ホテルのホールで行われた、稀代の天才ヴァスラフ・ニジンスキーの最後の公演。舞台はニジンスキー自身が「神との結婚」と呼んだその公演から始まり、いつしか彼の記憶と幻影の中へと分け入っていきます。
20世紀のはじめ、東方ロシアからやってきて、ヨーロッパの芸術界と社交界をあっという間に魅了した伝説の〈バレエ・リュス〉。その花形スターだったニジンスキーが人々を熱狂させた「シェエラザード」「ばらの精」、彼の革新的な創作の才能をあらわにした「牧神の午後」「遊戯」……。第1幕は、ニジンスキーの分身たち、あるいはニジンスキー自身がこれら伝説の作品の断片を見せながら、バレエ・リュス時代の創造的で華やかで波乱に満ちた彼の人生が巧みに重ねられ、語られていきます。
第2幕は〈バレエ・リュス〉を追われたニジンスキーに、第一次世界大戦の恐怖が押し寄せるさまが描かれます。ニジンスキーの鋭敏な神経はさまざまな幻影を生み出し、ついには兵士たちと、ニジンスキーが演じたキャラクターたち──黄金の奴隷やばらの精、ペトルーシュカらが共に踊り狂う壮絶な「戦争」のダンスに発展。混とんとして悲愴なニジンスキーの心の世界へと観る者を飲み込んでいきます。
バレエ界のまぎれもない神話であるニジンスキー。本作は、光と闇が交錯するその人生と魂をまるで追体験するような、ノイマイヤー渾身のマスターピースです!
Photo:Kiran West
バレエ・リュスとニジンスキー
1909年、芸術プロデューサーのセルゲイ・ディアギレフは、ロシアのバレエ界の才能を集めて、パリで〈バレエ・リュス〉と題した公演を開催。異国の香りを放つ斬新なバレエはたちまち大評判となる。その舞台の花形スターが、高い跳躍力と演技力、両性具有的なオーラを備えた天才ダンサー、ニジンスキーだった。「シェエラザード」「ばらの精」「ペトルーシュカ」といった作品で観客を魅了したニジンスキーは、自身でも振付を始め、「牧神の午後」「春の祭典」などで革新的な才能をみせて劇場を騒然とさせた。しかしニジンスキーは、愛人で庇護者だったディアギレフに無断でバレエ団の女性ロモラと結婚。ディアギレフの怒りを買い、バレエ・リュスを解雇される。その後、仕事で不遇をかこつうちに第一次世界大戦が勃発。戦後に一時バレエ・リュスに復帰するが、しだいに精神をむしばまれ、1919年の静養先のホテルでの公演を最後に病院での療養生活に入り、バレエ界から姿を消す。1950年死去。『ニジンスキーの手記』と呼ばれる回想録を残した。
2月10日(土)14:00
(ニジンスキー):アレクサンドル・リアブコ | ||
(ディアギレフ):イヴァン・ウルバン | / | (ロモラ):エレーヌ・ブシェ |
(ブロニスラヴァ・ニジンスカ):パトリシア・フリッツァ | / | (スタニスラフ・ニジンスキー):アレイズ・マルティネス |
(タマラ・カルサーヴィナ):シルヴィア・アッツォーニ | / | (レオニード・マシーン):ヤコポ・ベルーシ |
【ダンサーとして役を演じるニジンスキー】 | ||
(『謝肉祭』のアルルカン):アレクサンドル・トルーシュ | / | (『ばらの精』):アレクサンドル・トルーシュ |
(『シェエラザード』の黄金の奴隷):マルク・フベーテ | / | (『遊戯』の青年):ヤコポ・ベルーシ |
(『牧神の午後』の牧神):マルク・フベーテ | / | (ペトルーシュカ):ロイド・リギンズ |
2月11日(日)14:00
(ニジンスキー):アレクサンドル・トルーシュ | ||
(ディアギレフ):カーステン・ユング | / | (ロモラ):カロリーナ・アグエロ |
(ブロニスラヴァ・ニジンスカ):ルシア・リオス | / | (スタニスラフ・ニジンスキー):コンスタンティン・ツェリコフ |
(タマラ・カルサーヴィナ):シュー・リン | / | (レオニード・マシーン):リロイ・ブーン |
【ダンサーとして役を演じるニジンスキー】 | ||
(『謝肉祭』のアルルカン):クリストファー・エヴァンズ | / | (『ばらの精』):クリストファー・エヴァンズ |
(『シェエラザード』の黄金の奴隷):マルセリーノ・リバオ | / | (『遊戯』の青年):リロイ・ブーン |
(『牧神の午後』の牧神):マルセリーノ・リバオ | / | (ペトルーシュカ):ロイド・リギンズ |
2月12日(月・祝)14:00
(ニジンスキー):アレクサンドル・リアブコ | ||
(ディアギレフ):イヴァン・ウルバン | / | (ロモラ):エレーヌ・ブシェ |
(ブロニスラヴァ・ニジンスカ):パトリシア・フリッツァ | / | (スタニスラフ・ニジンスキー):アレイズ・マルティネス |
(タマラ・カルサーヴィナ):シルヴィア・アッツォーニ | / | (レオニード・マシーン):ヤコポ・ベルーシ |
【ダンサーとして役を演じるニジンスキー】 | ||
(『謝肉祭』のアルルカン):アレクサンドル・トルーシュ | / | (『ばらの精』):アレクサンドル・トルーシュ |
(『シェエラザード』の黄金の奴隷):マルク・フベーテ | / | (『遊戯』の青年):ヤコポ・ベルーシ |
(『牧神の午後』の牧神):マルク・フベーテ | / | (ペトルーシュカ):ロイド・リギンズ |
※記載の配役は2018年1月20日現在の予定です。
※上記は、ダンサーの病気・怪我のほかに、ジョン・ノイマイヤーの芸術的な判断やカンパニーの都合等で、今後、変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
※ここで発表している出演者は、ハンブルク・バレエ団から変更の連絡があり次第、随時更新していきます。
※出演者変更にともなうチケットの払い戻し、公演日・券種の変更はお受けできません。正式な配役は公演当日に発表いたします。