“最後の巨匠”ムーティ&
最強のヴィルトゥオーソ・オーケストラ!
Photo: Todd Rosenberg

2016年1月、ムーティ指揮シカゴ交響楽団の来日公演が行われた直後、音楽ファンが集まると「ムーティ、シカゴ聴いた?」「聴いた!」というのが合言葉となっていました。それほど、インパクトのあるコンサートでした。

シカゴ交響楽団といえば、1891年の創立から60年ほどで“全米随一”の評価を獲得し、さらに1970年代からはベルリン・フィル、ウィーン・フィルと肩を並べる世界の三大オーケストラと称されてきました。それまで行われたショルティやバレンボイムとの来日コンサートでも、その力量は実証済みでしたので、ムーティに代わってどうか、音楽ファンの間では興味と期待が渦巻いていたのです。その神秘のヴェールを脱いだとき、期待を上回るという程度では言い足りないほどの衝撃が、聴衆のハートを射抜いたのでした。

今度の2019年1月の来日演奏会では、3年前の興奮と感動がさらに増幅して蘇ることでしょう。ブラームスとリムスキー=コルサコフ、チャイコフスキーによるオーケストラ・コンサートと、ヴェルディの「レクイエム」という強力なプログラムが組まれているからです。

ブラームスの交響曲は、作曲家独特の「歌への憧れ」が宿っているといわれます。すべての音楽に「歌」を感じとるムーティが、この作品において求める美しいカンタービレやしなやかさが、メンバー一人ひとりがソリスト級であるシカゴ交響楽団によって紡ぎ出されることになります。「シェエラザード」でのまばゆいばかりの響きも、チャイコフスキーの旋律美も、ムーティ&シカゴ響の演奏は、聴き手の想像を軽々と超えます。

一方、ヴェルディの「レクイエム」は、ムーティ&シカゴ響にとって特別な作品。2009年1月にこのコンビで演奏した「レクイエム」のライブ録音はグラミー賞を獲得しましたし、2010年の音楽監督就任披露演奏会、そして2013年のヴェルディ生誕200年の記念演奏会でも演奏されています。ソリスト4名にはムーティ自身が厳選した旬の歌手が並びます。メゾ・ソプラノのダニエラ・バルチェッローナもテノールのフランチェスコ・メーリも、いまやイタリアを代表するスター歌手。バスのディミトリ・ベロセルスキーは、2014年にローマ歌劇場日本公演の際にはまだ若手ながら、ムーティ指揮のもと堂々たる声を聴かせましたが、いまや世界中で引っ張りだこの存在です。最も注目されるのはソウル出身のソプラノ、ヴィットリア・イェオではないでしょうか。パルマやシエナで学び、イタリアで開催された数々の国際コンクールで優れた成績を獲得しているイェオは、ここ数年、ムーティ指揮のオペラにたびたび登場しています。作品に必要な“イタリアの声”を厳しく求めるムーティが、イェオの声を高く評価していることに他なりません。

今度の来日コンサートの後も、「ムーティ、シカゴ聴いた?」「聴いた!」という興奮を抑えられない声が、音楽ファンの間で飛び交うことになりそうです。

CHICAGO SYMPHONY ORCHESTRA
Bank of America
コンサート

プログラムA

2019年 1月30日(水)19:00

ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73

プログラムB

2019年 2月3日(日)14:00

チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調op.64
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」op.35

オペラ・フェスティバル特別プロ
ヴェルディ作曲「レクイエム」

2019年
1月31日(木)19:00
2月2日(土)14:00

ソプラノ:
ヴィットリア・イェオ

メゾ・ソプラノ:
ダニエラ・バルチェッローナ

テノール:
フランチェスコ・メーリ

バス:
ディミトリ・ベロセルスキー


合唱:東京オペラシンガーズ

※表記の出演者と曲目は2018年7月15日現在の予定です。出演者の怪我や病気、出演団体の都合で出演できなくなったり曲目が変更になる場合があります。出演者及び曲目変更にともなうチケットの払い戻し、公演日・券種の変更はお受けできません。最終出演者及び曲目の発表は公演当日とさせていただきます。