さあ、恋(オペレッタ)の始まりです!
景気よくシャンパンの栓を抜きましょう!

2016年は春にウィーン・フォルクスオーパー、秋にシュターツオーパーが相次いで来日する「ウィーン・イヤー」です。シュターツオーパーが豊潤な高級ワインなら、フォルクスオーパーはさしずめ口当たりのいいシャンパンといったところ。

いま世の中、どんどん生きにくくなっていると感じている人は多いのではないでしょうか。一時でも日頃の憂さを晴らしたいと思っている人も少なくないはずです。オペレッタはそんな人に効く特効薬です。

誰が言ったか“オペレッタは恋の百科事典”とか。舞台ではあの手この手を恋の駆け引きが繰り広げられ、観客は現実では考えられないような恋を疑似体験することになります。シャンパンの泡のように弾けるワルツやポルカなどのウィーンならではの軽快な音楽が、めくるめく恋を後押しします。ドタバタ劇の末のハッピーエンド。間違いなく上質なシャンパンで酔ったような幸福感を味わっていただけます。

“オペレッタの殿堂”ウィーン・フォルクスオーパーは、1898年に皇帝フランツ・ヨーゼフ1世在位の時代に会館した劇場を祖とし、二つの世界大戦を生き抜いてきた名門劇場。現在、“音楽の都”ウィーンにおいて、国立歌劇場に次ぐ大きな歌劇場として、ウィーンの“顔”になっています。オペレッタの魅力が存分に発揮されるためには、歌手には歌唱力に加え演技力、さらにはアドリブのセンスといったことまで要求されます。演じる人にとって悲劇より喜劇の方が難しいといわれますが、笑いの要素を不可欠とし、ハッピーエンドで人々を幸せにするオペレッタは、実はオペラの大作を上演するのと同様にオーケストラや出演者の充実した技量がモノをいうのです。

さあ、恋の始まりはシャンパンからです。舞台で繰り広げられる恋の駆け引きに心をときめかせてください。非日常の楽しい人生に乾杯!オペレッタで、現実の人生をもっと楽しみましょう。