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NBS日本舞台芸術振興会
Photo: Mizuho Hasegawa

2020/07/15(水)Vol.402

『バレエ・フォー・ライフ』とはつまり、「生きるためのバレエ」
2020/07/15(水)
2020年07月15日号
バレエ
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インタビュー

Photo: Mizuho Hasegawa

公演中止のお知らせ

本年9月に予定しておりましたモーリス・ベジャール・バレエ団日本公演は、現在の状況を鑑み公演中止とさせていただくことになりました。公演を楽しみにお待ちいただいておりましたお客様には大変申し訳なく、深くお詫び申し上げます。
詳細はコチラのページでご確認くださいますようお願い申し上げます。

『バレエ・フォー・ライフ』とはつまり、「生きるためのバレエ」

「クイーンの音楽、ヴェルサーチの衣裳で踊られるバレエを観て、芸術が、アーティストたちが、悲しんでいる人たちの心を回復させる力を持つと知っていただけたら!」

4月に東京バレエ団との合同公演『第九交響曲』を、5月には単独での日本公演を予定していたモーリス・ベジャール・バレエ団(BBL)。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、これらの公演を含む今シーズンのツアーはすべて中止となった。7月上旬、ローザンヌから一時帰国中のBBL芸術監督補佐・那須野圭右さんに、最近のカンパニーの様子、また9月の日本公演について話を聞いた。

ーースイスでは3月中旬に「非常事態宣言」が発出、自粛生活が始まったそうですね。

那須野圭右:バレエ団も活動を休止せざるを得なくなり、団員は全員自宅待機。僕も最初の1、2週間はずっと自宅で過ごしました。食事はデリバリー、現金を使う機会がないから銀行にも行かず、毎日テレビを見ていた(笑)。その後バレエ団がスタジオを開放し、皆それぞれに自習を重ねていました。

ーーダンサーたちは不安な日々を過ごされたでしょう。

那須野:日本とは少し、状況が違います。たとえば、自国の爆発的な感染者数増加の報せを受けたイタリア出身のダンサーたちは、家族のことをすごく心配しました。が、公演ができないから不安、ということは全くない。生活の保障がしっかりしているからです。
海外に住んでいると、日本のことを客観視できますね。ヨーロッパでは、芸術は気分が落ち込んだ人々をハッピーにし、助けることができるという意識がある。だから、そこにお金を使う、アーティストたちを守ろうとする。日本とは大きく違うな、と強く感じます。そんななか、僕たちが最初に上演するのがベジャールさんの『バレエ・フォー・ライフ』とは、なんというタイミングかと!

ーー9月の日本公演が、活動再開後の最初の公演となるというわけですね。

那須野:『バレエ・フォー・ライフ』とはつまり、「生きるためのバレエ」。モーツァルトと、エイズで亡くなったダンサー、ジョルジュ・ドン、クイーンのフレディ・マーキュリーに捧げられていますが、今回は新型コロナウイルスで多くの人が亡くなった、その状況下での上演ですね。

ーー初演は1996年。那須野さんも現役時代、幾度も踊られました。

那須野:男性パートはほぼすべて踊りました。でも、作品について簡単には語れません。
たとえば、後半に登場する「ミリオネア・ワルツ」。よく聴いてみるとすごく悲しい歌詞なのに、ベジャールさんの振付は力強く、楽しげです。単純ではないんです。
が、すべてを解き明かす必要はないでしょう。むしろ、この危機の時代に、命に関する芸術を、決して深刻にではなくポップに──クイーンの音楽、ヴェルサーチの衣裳で踊られるバレエを観て、芸術が、アーティストたちが、悲しんでいる人たちの心を回復させる力を持つと知っていただけたら!

「バレエ・フォー・ライフ」より Photo: BBL-Ilia Chkolnik

ーー『ボレロ』を含む3作品によるプログラムも予定されています。

那須野:『ボレロ』については皆さんよくご存じですし、僕に言えることは何もないです(笑)。が、この機会に、他のどのカンパニーでもないBBLの『ボレロ』を観ていただきたいです。ベジャールさんの『ブレルとバルバラ』はシャンソンの二大スターの音楽で創られたバレエで、彼らの青春時代、二人が恋人同士だったら、という夢想、ファンタジーです。芸術監督ジル・ロマンの作品『人はいつでも夢想する』も、ジルが人間という生き物について夢想した作品です。
いま、芸術を取り巻く状況はとても厳しいけれど、生きていくために芸術が心の支えになるということを、今度の舞台で実感していただきたいと思っています。

取材・文 加藤智子 フリーライター

◾️「人はいつでも夢想する」(ジル・ロマン振付)プロモーション映像 はこちらから
◾️「バレエ・フォー・ライフ」プロモーション映像 はこちらから


*コロナ禍におけるBBLの活動については「世界の劇場を知ろう」で紹介しています。

公式サイトへ チケット購入

モーリス・ベジャール・バレエ団
2020年日本公演
「バレエ・フォー・ライフ」/
「人はいつでも夢想する」「ブレルとバルバラ」「ボレロ」

公演日

「バレエ・フォー・ライフ」

2020年
9月20日(日)14:00
9月21日(月・祝)13:00
9月21日(月・祝)17:00
9月22日(火・祝)13:00
9月22日(火・祝)17:00

会場:東京文化会館

上演時間:約1時間45分(休憩なし)
※開演時間に遅れるとご自分の席に着席いただけませんので、時間に余裕をもってお越しください。

「人はいつでも夢想する」/
「ブレルとバルバラ」/「ボレロ」

2020年
9月13日(日)13:00
9月13日(日)17:00

会場:東京文化会館

上演時間:約2時間30分(休憩含む)

入場料[税込]

S=¥17,000 A=¥15,000 B=¥13,000 C=¥10,000 D=¥8,000 E=¥6,000
●ペア割引 [S、A、B席]あり

U25シート ¥3,000
※NBS WEBチケットのみで8/14(金)20:00から引換券を発売。