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NBS日本舞台芸術振興会
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2020/07/15(水)Vol.402

世界の劇場に緊急アンケート実施! 〜コロナ禍とこれから〜(2)
2020/07/15(水)
2020年07月15日号
世界の劇場を知ろう
特集

世界の劇場に緊急アンケート実施! 〜コロナ禍とこれから〜(2)

各地の最新情報

NBSからのアンケートは6月下旬に実施しました。その後、7月初旬にかけて、国の新しい施策が発表されたり、カンパニーが動き出したりと、日々動きがあります。報道などをもとに速報として、ご紹介します。

英国

●英国政府、実演芸術実現のための5段階のロードマップを発表

6月25日に発表された5つの段階は下記の通り。

第1段階 リハーサルとトレーニング(観客なし、ソーシャル・ディスタンスのガイドライン順守)
第2段階 放送および録音目的のパフォーマンス(ソーシャル・ディスタンスのガイドライン順守)
第3段階 観客がいる屋外での公演と、距離をとった観客がいる制限された規模内での実験的な屋内公演
第4段階 屋内/屋外での公演実施(ただし、屋内では規模の制限と観客同士の距離をとること)
第5段階 屋内/屋外での公演許可(屋内でも満員の観客で公演可能)

未来に向けた政府の指針発表は明るいニュース!と思いきや、BBCNewでは、このニュースを伝えるとともに、「5つのステップのロードマップには、日付や金銭的支援がない」として、俳優の団体や劇場関係者からの「具体的なスケジュールが無い限り、大きな意味はもたない」といった声も報じています。まだまだ厳しい状況が続いている、ということのようです。

フランス:パリ・オペラ座

●パリ・オペラ座バレエ団が秋にガルニエでの公演開催を発表

7月6日、オレリー・デュポン芸術監督がパリ・オペラ座バレエ団の2020年秋の公演再開を発表したと報じられました。RTBF(ベルギーの公共放送)は、「数カ月の乱気流の後にバレエが復活」という見出しで、昨年12月5日以来の歴史的なストライキと、その後に続く新型コロナウイルスの流行によって翻弄されたことを「長い乱気流」とたとえています。
古典作品は10月2日から、エトワールやプルミエ・ダンスールが踊るソロやパ・ド・ドゥ中心の20公演程度を予定。11月5日からは現代作品で、シディ・ラルビ・シェルカウイとダミアン・ジャレによる作品での公演が行われる予定。
「たしかに制約はありますが、それによって自分自身を再発見し、新たなかたちのパフォーマンスを提供することはできます」というデュポン芸術監督の前向きな言葉は印象的です。

イタリア:ミラノ・スカラ座

●133日ぶりに再開コンサート

7月6日、ミラノ・スカラ座は133日ぶりに劇場の扉を開けました。600名の聴衆のためのコンサートが行われたのです。座席はペアで配置され、価格は24ユーロから48ユーロ、ボックス席も2名までしか座ることは許されません。もし一人しか座らないとしても、ソーシャル・ディスタンスを保つために、空席は販売されません。
7月6日の出演はルカ・サルシ(バリトン)、ベアトリス・ラーナ(ピアノ)、ミッシャ・マイスキー(チェロ)。この後も、8日にはフェデリカ・ロンバルディ(ソプラノ)、フランチェスコ・メーリ(テノール)、パトリシア・コパチンスカヤ(ヴァイオリン)、ジュリオ・ザッパ(ピアノ)によるコンサート、13日には「スカラ座の新しい声」と題したアカデミー出身者とイタリアのコンクールなどの入賞者たちによるコンサートの開催が予定されています。

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