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NBS日本舞台芸術振興会

NEW2020/07/15(水)Vol.402

世界の劇場に緊急アンケート実施! 〜コロナ禍とこれから〜(2)
2020/07/15(水)
2020年07月15日号
世界の劇場を知ろう
特集

世界の劇場に緊急アンケート実施! 〜コロナ禍とこれから〜(2)

NBSニュースが、各国劇場にコロナ禍における状況、今後について行ったアンケートにより、劇場閉鎖期間に行ったこと、再開の予定やプラン、またビデオやライブ配信の活用などについてご紹介する2回目です。6月中旬より、EU域内での移動制限が解除されましたが、感染状況や各国施策の違いにより、まだまだ安心できる段階ではなさそうです。
7月7日現在で回答されている内容の紹介、そして7月初旬に発表された各国施策ニュースもあわせてお知らせします。

ウィーン国立歌劇場

有料、無料で全世界への配信あり!

劇場閉鎖3月9日の『トゥーランドット』の公演を最後に閉鎖。

再開または再開予定6月8日、国立歌劇場で再開の初コンサートを実施。100人の聴衆(それ以上は許可されていなかった)を前にギュンター・グロイスベックのリサイタルを開催。その後6月末まで、最大100名の聴衆を迎えて14のコンサートを実施。豪華ゲスト・アーティストたちによる歌曲リサイタル、ウィーン国立歌劇場のアンサンブルメンバーによるコンサート、そしてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーによる室内楽コンサートを開催した。

閉鎖期間中施策3月15日に、オペラ、バレエ、子どものためのオペラなど、過去の公演映像の配信を開始。全世界に向けて毎日、無料で配信。
また、6月に行った14のコンサートは全公演とも、www.staatsoperlive.comで全世界に無料配信された。
安全対策として、6月の公演では、会場の1階前方エリアのシングル席のみを販売。聴衆には、着席までお互いに適切な距離を保つことと、手指の消毒、マスク着用をお願いした。

再開後のスケジュールへの影響秋以降の公演に関する座席計画等の安全対策は、現在検討中。なお、秋は9月7日の新演出『蝶々夫人』のプレミエで開幕する。

ハンブルク・バレエ団

ノイマイヤー、"ソーシャル・ディスタンシング"をバレエ作品に!

劇場閉鎖ハンブルク国立歌劇場は3月13日に閉鎖。バレエ団は3月14日にリハーサルをストップした。

再開または再開予定衛生面の総合的な判断に基づき、4月29日より、団員を少人数に分け、1日あたり10のグループごとにクラスを実施している。
ロックダウン直後から、ジョン・ノイマイヤーは、「ソーシャル・ディスタンシング」について、単にそれに則るというだけではなく、「ソーシャル・ディスタンシング」そのものを考察し、組み立てる、というバレエの創作に着想し、アイデアを発展させた。それが「Ghost Light(ゴースト・ライト)」。当初は、いつ、どこで、あるいは、そもそも観客に披露するのかも、定まってはいなかった。むしろ、振付家と彼のダンサーたちにとって、創作活動のエクササイズとして必要な活動、というものだった。しかし完成された作品は、2020年9月6日のシーズン開幕に初演されることになった。 同作品のジョン・ノイマイヤーのコンセプトは、バレエ団57人の全ダンサーにまつわる。ソーシャル・ディスタンシングを守るため、ダンサーを2人から8人の単位で、パートごとに創っていった。(ハンブルク国立歌劇場は2020年9月5日にオペラで再開する)

閉鎖期間中施策ジョン・ノイマイヤーは「ウィークリー・ストリーミング・シリーズ」として、自身のバレエ作品をビデオ・オンデマンドで配信してきた。同シリーズは4月9日に「マタイ受難曲」(2005年、バーデン=バーデン祝祭劇場で録画。ジョン・ノイマイヤーが、主役イエス役として出演した最後の舞台)でスタート。その後、「椿姫」(4月16日)、「ヴェニス」(4月23日)、「ベートーヴェン・プロジェクト」(4月30日)、「幻想~『白鳥の湖』のように」(5月7日)。いずれの映像も、配信開始後48時間、無料のビデオ・オンデマンドとして、ハンブルク・バレエ団のウェブサイトより提供。それぞれの配信から9日後に、再度48時間配信した。
同シリーズでは5月14日から、ジョン・ノイマイヤーについて過去30年以上にわたって記録された3つのドキュメンタリー映像「ニジンスキーとノイマイヤー」(2009)、「ジョン・ノイマイヤー・アット・ワーク」(1987)、「ジョン・ノイマイヤー ~オン・ザ・ロード」(2018/19)を配信。
そのほか、ロックダウン直後より「オンライン特別プログラム」として二人のプリンシパル、菅井円加とロイド・リギンズによる「バーチャル・バレエ・トレーニング」や、ジョン・ノイマイヤーの最新作「ガラスの動物園」のメイキングビデオを2本、先にキャンセルとなった公演「Young Choreographers 2020」に向けて制作されていた作品の創作過程の記録を抜粋、編集した3編、また「ワークアウト」のビデオなども配信。さらにバレエ団のブログでは、プリンシパルやソリストたちのプロフィールを紹介するシリーズとして「Steckbrief(シュテックブリーフ)」なども紹介している。

再開後のスケジュールへの影響ハンブルク国立歌劇場は、法律で定められた衛生およびソーシャル・ディスタンシングの指針を遵守する。具体的な対策については現在検討中。2020年秋のプログラムの変更は8月7日に発表予定。

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