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ウィーン・フォルクスオーパー記者会見開催

 ウィーン・フォルクスオーパー日本公演開幕前日の5月22日(木)、公演会場の東京文化会館にて、フォルクスオーパーのロベルト・マイヤー総裁、ライナー・シューベルト副総裁、クリストフ・ラートシュテッター事務局長、主催者である(財)日本舞台芸術振興(NBS)専務理事佐々木忠次による記者会見が開催されました。

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 多くのマスコミ関係者を前に、佐々木忠次専務理事は、まず「マイヤー総裁は今も俳優として活躍中で、実は来日直前までフォルクスオーパーの舞台に立っていた。終演後に飛行機に飛び乗り、今朝到着されたばかりです」とマイヤー氏を紹介。その後9年ぶりとなるフォルクスオーパーの日本公演実現に至る過程に触れ、「オペレッタには"笑い"だけでなく、音楽的な質の高さが求められる」という点、また「フォルクスオーパーが音楽的に非常に質の高いものを目指している」と指摘しつつ、その采配をふるうマイヤー総裁にマイクを引き継ぎました。

 マイヤー総裁は、2007年9月にフォルクスオーパー総裁に就任。この来日は、新総裁としての最初のシーズンの、最大のイベントとなりました。
「今回の来日は、ルドルフ・ベルガー前総裁が準備を進めてきたもの。そして今、私が総裁として来日できたことを、この場を借りてもう一度佐々木さんに心から感謝します。今回、日本のお客さまには3つの演目を観ていただきます。『こうもり』は私たちが以前からずっと継続して上演している重要な作品。『ボッカチオ』と『マルタ』はベルガー前総裁時代に初演され、大成功を収めたもの。フォルクスオーパーは、オペラ、オペレッタ、ミュージカル、バレエ、演劇を上演していますが、特にオペレッタにおいては随一の劇場と自負しています」
 マイヤー総裁のもとでのこの最初のシーズンで上演された新プロダクションは10演目(新校訂含む)。シーズン開幕を飾ったオッフェンバック『天国と地獄』や、マイヤー自身の一人芝居であるワーグナーのパロディ『タンホイザー80分』、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』、『屋根の上のヴァイオリン弾き』などは完売となり、追加公演も行われたとのこと。
「幸せなことに、このシーズンで多くの成功を収めることができました。私は33年間、ウィーンのブルク劇場で俳優をしてきましたが、1993年からはフォルクスオーパーにも並行して出演しています。その頃から、フォルクスオーパーを愛する気持ちがどんどん高まっていきました。ブルク劇場のような演劇の劇場では、どんどん"音楽"が失われています。私はとても音楽を欲していたので、そういう意味でも、総裁という立場でこの劇場をリードする仕事ができ、今、とても幸せに思います」  質疑応答で、改革に向けて注力した点について問われると、「一番大切なのは、オペレッタをダメにするのではなく、オペレッタを愛する劇場にすること」とも。

 会見の終盤には、『こうもり』の舞台稽古を控えたロザリンデ役のナンシー・グスタフソンはじめ、アイゼンシュタイン役のテイートマール・ケルシュバウム、アルフレート役のルネ・コロ、オルロフスキー公爵役のヨッヘン・コワルスキーなど10名の歌手と指揮者のレオポルト・ハーガーが衣裳を纏って登場。その華やかさに思わず大きな拍手がわき起こりました。

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 最後に、「日本の皆さまもきっと、オーストリアやドイツのお客さまと同じように、存分に楽しんでいただけることと確信しています。素晴らしい音楽、そしてオペレッタには台詞もあるわけですが、それも、字幕を見ていただくことで、十分にお楽しみいただけることでしょう」とマイヤー総裁。さらに、「今回の3作品は、前任者の時代から上演されているものですが、ぜひとも、新総裁ロベルト・マイヤーがどんな演出を手がけるのか、という点にも興味を持っていただいて、できるだけ早く次の日本公演も実現できたら(笑)!」と満面の笑顔に。
 意欲溢れる新総裁のもとでの、9年ぶりの日本公演はいよいよ今日開幕!公演への期待はさらに高まります。

レポート:加藤智子

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