「ナクソス島のアリアドネ」新着トレイラー

公演関連情報 2016年10月 7日 20:19


 ウィーン国立歌劇場から『ナクソス島のアリアドネ』の新しいトレイラー(映像)が届きました。気宇壮大な声を聴かせるステファン・グールドのテノール/バッカス、コケティッシュな魅惑にあふれたダニエラ・ファリーのツェルビネッタをはじめ、極上の歌と演奏が、洗練された演出の舞台とともにご覧いただけます。10月25日の開幕が待ち遠しくなること請け合いの2分20秒、どうぞお楽しみください!
 
 


【ウィーン国立歌劇場】もっと知りたい歌手紹介⑨

インタビュー・レポート 2016年10月 5日 12:12


今秋の来日公演で歌う選りすぐりの歌手たちを音楽評論家の奥田佳道さんの解説でご紹介します。11月6日(日)から始まるワルキューレに出演する5人の歌手のプロフィールを5回にわたってお送りしています。


ミヒャエラ・シュースター Michaela Schuster
(「ワルキューレ」メゾソプラノ/フリッカ)


「フリッカ」役は十八番!愛すべき"舞台女優"


2006年、アダム・フィッシャー指揮「ワルキューレ」のジークリンデでウィーン国立歌劇場にデビューし、翌年からウィーンではフリッカを持ち役としているミヒャエラ・シュースターが、十八番を携えて東京のステージに立つ。彼女はもちろん「ラインの黄金」のフリッカもレパートリーにしている。今年は「ローエングリン」のオルトルートも歌った。

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Photo:Nikola Stege


ドイツ・バイエルン州フュルト出身。ザルツブルクのモーツァルテウム音楽大学とベルリン芸術大学で学ぶ。1999年から2002年までダルムシュタット州立歌劇場に所属し、当初はフランス並びにイタリア・オペラで頭角を表す。

シュトゥットガルト州立歌劇場などでフリッカのほか、「パルジファル」のクンドリ、「トリスタンとイゾルデ」のブランゲーネ、「タンホイザー」のヴェーヌスを手がけ、ワーグナー歌いとしての評価を確立。ミュンヘンのバイエルン国立歌劇場、ドレスデン、ベルリン、ハンブルク各国立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ブリュッセルの王立モネ歌劇場、オスロのノルスケ・オペラ(国立歌劇場)、バルセロナのリセウ歌劇場、シカゴ・リリック・オペラへの客演も好評を博した。ロンドンのロイヤル・オペラハウスでは「サロメ」のヘロディアス、「エレクトラ」のクリテムネストラも歌った。

2013年春、ザルツブルク復活祭音楽祭での「パルジファル」のクンドリで存在感を醸す。クリスティアン・ティーレマン指揮ドレスデン国立管弦楽団との共演。パルジファルは、先ごろ51歳で召されたヨハン・ボータだった。


愛すべき「舞台女優」ミヒャエラ・シュースターは、今年初めにもウィーンでフリッカを歌った。冬以降は「ヘンゼルとグレーテル」のお菓子の魔女を任されている。マーラーの交響曲第3番やドイツ・ロマン派歌曲のCDも素晴らしい。


【ウィーン国立歌劇場】もっと知りたい歌手紹介⑧

インタビュー・レポート 2016年10月 3日 19:18

今秋の来日公演で歌う選りすぐりの歌手たちを音楽評論家の奥田佳道さんの解説でご紹介します。11月6日(日)から始まる「ワルキューレ」に出演する5人の歌手のプロフィールを5回にわたってお送りしています。


クリストファー・ヴェントリス  Christopher Ventris

(「ワルキューレ」テノール/ジークムント)


イギリスが世界に誇るヘルデン・テノール


 今年1月、ウィーン国立歌劇場でのジークムントで大喝采を博したヴェントリスが、この役で東京のステージに舞い戻ってくる! もちろんウィーンで指揮をしたアダム・フィッシャーも一緒だ。叙情美も烈しい情趣もお任せあれの、今をときめくヘルデン・テノール(ワーグナーの上演に適した英雄的な声のテノール)で味わう「ワルキューレ」。期待は限りない。ジークムントは昨年6月にサー・サイモン・ラトル指揮のウィーン国立歌劇場で、この夏にはマレク・ヤノフスキ指揮によるバイロイト音楽祭でも歌っている。

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 イギリス出身。グラインドボーン音楽祭でデビュー後、オペラ・ノース、イングリッシュ・ナショナル・オペラで頭角を表す。2004年バーデン・バーデン祝祭劇場でのケント・ナガノ指揮ベルリン・ドイツ響、レーンホフ演出の「パルジファル」で脚光を浴びた。
その後、ウェルザー=メスト指揮チューリヒ歌劇場での「ピーター・グライムズ」、ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管、オランダ・オペラでのショスタコーヴィチの「ムツェンスク群のマクベス夫人」のセルゲイで喝采を博すとともに、ワーグナーの主要なレパートリーをヨーロッパ、アメリカの主要オペラハウス、フェスティヴァルで歌う。

現代最高峰のワーグナー・テノールで、前述のマエストロのほか、これまでにロリン・マゼール、クリスティアン・ティーレマン、セミヨン・ビシュコフ、ハルトムート・ヘンヒェンなどの指揮者と共演。ワーグナー以外でも「魔弾の射手」のマックス、プフィッツナーの「パレストリーナ」、ヤナーチェクの「イェヌーファ」のシュテヴァ、「ボリス・ゴドゥノフ」のドミトリーも得意のレパートリーだ。
 あらためて記す。今、ワーグナーのジークムント、パルジファル、それにローエングリン、タンホイザー、エリックと言えば、イギリスが世界に誇るテノール、クリストファー・ヴェントリスの出番となる。



【ウィーン国立歌劇場】もっと知りたい!歌手紹介⑦

インタビュー・レポート 2016年9月30日 20:00

今秋の来日公演で歌う選りすぐりの歌手たちを音楽評論家の奥田佳道さんの解説でご紹介します。11月6日(日)から始まる「ワルキューレ」に出演する5人の歌手のプロフィールを5回にわたってお送りしています。

このヴォ―タンを聴かずして、「ワルキューレ」を語ることはできない



トマス・コニエチュニー Tomasz Konieczny

(「ワルキューレ」(バス・バリトン/ヴォータン)



 ワーグナーのバス・バリトンと言えば、アルベリヒとヴォータンで世界のファンを魅了しているトマス・コニエチュニーだ。特にこの人のヴォータンを聴かずして、昨今の「ワルキューレ」を語ることは出来ないのではないか。


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Photo: Michael Poehn



 1972年ポーランド出身。同国唯一の映画アカデミーで演劇を学び、オスカー(アカデミー賞)受賞歴もあるアンジェイ・ワイダ監督の<鷲の指環>で映画界にデビューした経歴をもつ。テレビや映画の俳優、ディレクターとして活動した後、ワルシャワのショパン音楽院とドレスデンの音楽大学で声楽を学ぶ。



 1997年、母国を代表する商工業都市ポズナニの歌劇場での「フィガロの結婚」でデビュー。翌年、チェコの温泉保養地カルロヴィ・ヴァリ(カールスバート)で開催された第33回ドヴォルザーク国際声楽コンクールに入賞し、マンハイム国民歌劇場やライン・ドイツ・オペラと専属契約を交わした。2006年以降アダム・フィッシャーが指揮する<ブダペスト ワーグナーの日またはワーグナー・イン・ブダペスト音楽祭>に度々出演。2008年にはドレスデン国立歌劇場でも成功を収めた。ミュンヘン、パリ、シカゴにも客演。



 2008年4月、「ジークフリート」のアルベリヒでウィーン国立歌劇場にデビュー。フランツ・ウェルザー=メストの指揮だった。以来ウィーンでは「ニーベルングの指環」の諸役を任されている。アルベリヒは徐々に卒業するとのこと。「ワルキューレ」のヴォータンは、ウェルザー=メスト、ジェフリー・テイト、コルネリウス・マイスター、サー・サイモン・ラトル、アダム・フィッシャーの指揮で歌っている。


ウィーン国立歌劇場「ナクソス島のアリアドネ」出演者変更のお知らせ

公演関連情報 2016年9月30日 18:03


 9月8日付NBSホームページでお知らせしましたように、ウィーン国立歌劇場2016年日本公演『ナクソス島のアリアドネ』に"テノール/バッカス"役で出演予定だったヨハン・ボータが同日急逝し、ウィーン国立歌劇場は代わりの歌手の調整を急いでおりました。
 このたびその代役にステファン・グールドが決定いたしましたのでお知らせいたします。
 ステファン・グールドは今回上演されるベヒトルフ演出『ナクソス島のアリアドネ』が2012年にウィーンで初演された際にテノール/バッカス役を歌ったプレミエ・キャストで、これ以上の適任はないとウィーン国立歌劇場側が判断したものです。
 
 また、同公演で"作曲家"の役を歌う予定だったヴェッセリーナ・カサロヴァが、近親者の死去を理由にウィーン国立歌劇場に本公演への不参加を申し出、歌劇場が了承しました。
 カサロヴァに代わりまして、ステファニー・ハウツィールが『ナクソス島のアリアドネ』の"作曲家"を歌います。ハウツィールは近年ウィーンにおいてこの演出版で"作曲家"を歌い、成功を収めております。
 以上の配役変更につき、なにとぞご理解をいただきますようお願い申し上げます。
 
 なお、カサロヴァの降板につきましては、ウィーン国立歌劇場及びドミニク・マイヤー総裁よりメッセージが届いております。また、グールドとハウツィールのプロフィールを以下に掲載いたします。併せてご一読いただければ幸いです。
 
 
公益財団法人日本舞台芸術振興会
 

 
ウィーン国立歌劇場2016年日本公演
『ナクソス島のアリアドネ』

■ テノール/バッカス:ヨハン・ボータ → ステファン・グールド
■ 作曲家:ヴェッセリーナ・カサロヴァ → ステファニー・ハウツィール




ウィーン国立歌劇場からのメッセージ
 
 ヴェッセリーナ・カサロヴァが、家族の不幸により、このたびのウィーン国立歌劇場日本公演への参加が不可能となり、『ナクソス島のアドリアネ』の作曲家役から降板することとなりました。この降板について、カサロヴァは大変残念に思っており、主催者、カンパニー、そして聴衆の皆様に対しまして心からお詫びするとともに、理解を求めてきております。

 つきましては、ステファニー・ハウツィールを代役に立てることが可能となりましたことを謹んでお知らせ申し上げます。ハウツィールは先日のウィーンでの同演出版の同役において絶賛されたばかりです。また世界各地の主要オペラハウスにて様々な主役を務め、数々の成功を収めております。




ウィーン国立歌劇場総裁ドミニク・マイヤーからのメッセージ

 ステファニー・ハウツィールは素晴らしい歌手で、この夏も、バイロイトの公演で絶賛されました。マエストロ ヤノフスキをはじめ、共演した多くの偉大な指揮者から最大級の評価を受けています。ハウツィールは現在、ウィーンにおいて新演出の『アルミード』のリハーサルを行っておりますが、私は彼女をこの『アルミード』公演シリーズの後半から特例的に外して、日本の聴衆の皆さまに万全の形で彼女の"作曲家"役をご披露できるようにいたします。


 
 


ステファン・グールド
Stephen Gould

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  アメリカのヴァージニア州生まれ。優れたヘルデン・テノールとして世界中で活躍している。
 近年の活躍としては、バイロイト、チューリッヒ、ロンドン、東京、ドレスデン、ベルリンでの『トリスタンとイゾルデ』のタイトルロールで成功をおさめているほか、『ナクソス島のアリアドネ』のテノール/バッカス役をウィーン、ドレスデン、グラーツで、『フィデリオ』のフロレスタンをハンブルク、ミュンヘン、ドレスデン、東京、フィレンツェで、『道化師』のタイトルロールをベルリンで、『ローエングリン』のタイトルロールをハンブルク、ドレスデン、トリエステで、『神々の黄昏』のジークフリートをアムステルダム、ウィーン、ベルリン、ミュンヘン、バイロイト、ニューヨークで歌っているほか、ブエノスアイレス、ザルツブルク、ドレスデンの『影のない女』、ウィーン、ベルリン、ドレスデン、グラーツの『パルシファル』、トリノ、マドリッド、ニューヨーク、ミュンヘン、パレルモの『さまよえるオランダ人』、ヴァレンシア、フィレンツェの『トロイ人』、東京、ドレスデン、フィレンツェの『オテロ』、ブダペスト、ウィーン、パリ、東京、ジェノヴァ、バイロイトの『タンホイザー』、ドレスデン、ジェノヴァの『ピーター・グライムズ』、ベルリン、ウィーン、ロンドンの『死の都』などで成功をおさめている。
 2017年には、ドレスデンでジークフリート、ベルリンでタンホイザー、ウィーンとミュンヘンとバイロイト音楽祭のトリスタン、東京で『神々の黄昏』のジークフリートを歌う予定。





ステファニー・ハウツィール
Stephanie Houtzeel

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  ニューヨークのジュリアード音楽院を優れた成績で卒業。
 すでにパリ・オペラ座、チューリッヒ歌劇場、ドレスデン国立歌劇場、ニューヨーク・シティ・オペラ、アン・デア・ウィーン劇場。リヨン・オペラ、デンマーク王立歌劇場、イスラエル・オペラ、グラーツ歌劇場、ザルツブルク音楽祭で主演歌手として活躍している。
 2010/2011 年シーズンより、ウィーン国立歌劇場のアンサンブル・メンバーとなり、これまでに『ナクソス島のアリアドネ』の作曲家、『ばらの騎士』のオクタヴィアン、『コシ・ファン・トゥッテ』のドラベッラ、『カーチャ・カバノヴァ』のヴァルヴァラ、『ホフマン物語』のニクラウス、『メデア』のクレオサ、トーマス・アデス作曲『ザ・テンペスト』のミランダ、『こうもり』のオルロフスキー、『マハゴニー市の興亡』のジェニー・ヒルなどを歌っている。
 このほか、レパートリーはモーツァルトからシュトラウスまで幅広く、『ウェルテル』のシャルロット、グルックの『オルフェオ』、ヘンデルの『アリオダンテ』、『ファウストのごう罰』のマルグリートなども含まれている。
 今後の予定には、ベルリン・コーミッシェ・オーパーの『クセルクセス』、バスティーユ・オペラ『ばらの騎士』のオクタヴィアン、バイロイト音楽祭とアムステルダム・コンセルトヘボウでの『ワルキューレ』(ゲルギエフ指揮)などがある。






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ウィーン国立歌劇場『ナクソス島のアリアドネ』バッカス/テノールを歌うステファン・グールド
photo:Wiener Staatsoper/Michael Poehn


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