ジョン・ノイマイヤーの80歳誕生日ガラ Photo: @staatsoperHH

ジョン・ノイマイヤーの80歳誕生日ガラ
〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉
各国からアーティストが集結!

Photo: @staatsoperHH

終演後のノイマイヤーと出演者たち

 去る2月24日、ジョン・ノイマイヤーの80歳の誕生日を祝うガラ公演が、ハンブルク州立歌劇場で催されました。〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉と題された公演は、2016年と2018年の日本公演でも上演されましたので日本のバレエファンにはおなじみかも知れませんが、じつはお膝元のハンブルクでは初めて。今回の80歳ガラに関しては、昨年2月の日本公演をきっかけに検討し始めたと、ハンブルク・バレエ団の事務局長ウルリケ・シュミット氏。ふつうはノイマイヤー自身が出演者として舞台上に登場することはないので、この〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉こそ、ガラにふさわしいと考えたようです。この舞台に出演者として最初に登場するのがノイマイヤーなのですが、ノイマイヤーが登場するやいなや拍手とともに客席総立ち。観客がひとりふたりと「ハッピー・バースデー…‥」と歌い出すと、期せずして大合唱になって、ノイマイヤーの台詞がかき消されてしまいました。ノイマイヤーは戸惑ったようでしたが、その目は潤んでいるように見えました。
 出演のゲスト・ダンサーは、サプライズとして当日まで発表されていませんでしたが、レティシア・プジョル&マニュエル・ルグリ(「シルヴィア」)、ロベルト・ボッレ(「オルフェウス」)、ナショナル・バレエ・オブ・カナダのヘザー・オグデン&ギョーム・コテ(「ニジンスキー」)、アレッサンドラ・フェリ(「ドゥーゼ」)、シュツットガルト・バレエ団のアリシア・アマトリアン&ジェイソン・レイリー(「オテロ」)、ボリショイ・バレエのオルガ・スミルノワとアルチョム・オフチャレンコ(「アンナ・カレーニナ」)など、豪華な顔ぶれが登場。ノイマイヤーの代表作の一つである「椿姫」はアンナ・ラウデール&エドウィン・レヴァツォフが踊りました。その他、「ロミオとジュリエット」、「マーラー交響曲第5番」、「マタイ受難曲」などが上演されました。また、ノイマイヤーとは親しい友人関係にあるクリストフ・エッシェンバッハのピアノ演奏でシューマンの〈子どもの情景〉からの2曲がノイマイヤーの振付で踊られるなど、スペシャル感満載の〈ジョン・ノイマイヤーの世界〉でした。
 劇場のロビーは着飾った紳士淑女であふれ、休憩時間にはシャンパンも振舞われ、華やかなお祝いムード。各地から訪れたバレエ界の重鎮たちの姿も見受けられました。ノイマイヤーが地元ハンブルクをはじめ、世界中の多く人々から愛されていることが実感できる特別な一夜でした。