モーリス・ベジャール振付「ザ・カブキ」 Photo: Kiyonori Hasegawa

東京バレエ団第34次海外公演
30年ぶりにウィーン国立歌劇場に

Photo: Kiyonori Hasegawa

モーリス・ベジャール振付「ザ・カブキ」

Photo: Michael Poehn

ウィーン国立歌劇場

Photo: Teatro alla Scala/Marco_Brescia

ミラノ・スカラ座

 来たる6月19日から7月16日までのおよそ1カ月におよぶ東京バレエ団第34次海外公演が行われます。創立55周年記念プロジェクトの一環となるこの海外公演は文化庁の「国際芸術交流支援事業 海外公演」として、ポーランド、オーストリア、イタリアの3カ国5都市で計11回の公演を、各地の主催者(歌劇場)から招聘されて行うものです。
 演目はモーリス・ベジャール振付「ザ・カブキ」に加え、古典バレエとベジャールやバランシンなど20世紀の傑作を組み合わせたミックス・プログラム。

 東京バレエ団にとっては“初上陸”の国となるポーランドでの初日は「ザ・カブキ」の上演回数通算200回達成を迎えることとなり、ツアーのスタートを華やかに祝すこととなりそうです。
 2014年につづいて2度目の出演となるローマのカラカラ野外劇場では「ラ・バヤデール」より“影の王国”や「タムタム」、「春の祭典」などを上演。
 その後、いよいよウィーン国立歌劇場での「ザ・カブキ」公演へ。東京バレエ団がウィーン国立歌劇場に出演するのは1986年、1989年以来3度目、30年ぶりのこととなります。
 ウィーンの後はイタリア、ジェノヴァ近郊のネルヴィ国際フェスティバルへの出演を経て、ミラノ・スカラ座での4公演でツアーを締めくくります。
 東京バレエ団は1966年の第1次海外公演以来、33次764回の海外公演を行っており、"日本が生んだ世界のバレエ団"として国内外で高く評価されています。欧州歌劇場の名門であるウィーン国立歌劇場とミラノ・スカラ座の両劇場を含む今回の第34次海外公演は、東京バレエ団のさらなる飛躍と充実をもたらすこととなるはず。ツアーの模様は本紙およびNBSのホームページなどでもご紹介していきますので、どうぞご注目ください。

東京バレエ団 第34次海外公演概要

国際芸術交流支援事業 海外公演

期間: 2019年6月19日(水)~7月16日(火)
公演回数: 11公演
訪問都市: ポーランド1都市2公演(ウッチ☆、ウッチ歌劇場)☆初訪問となる都市
  オーストリア1都市3公演(ウィーン、ウィーン国立歌劇場)
  イタリア3都市6公演(ローマ、カラカラ野外劇場  ネルヴィ国際フェスティバル ミラノ・スカラ座)
参加人数: 計111名予定

東京バレエ学校開校60周年記念事業
ノイマイヤー振付『ヨンダーリング』
出演者オーディション開催のお知らせ

Photo: Kiran

ジョン・ノイマイヤー

 東京バレエ団の母体であるチャイコフスキー記念東京バレエ学校開校60周年を迎えるにあたり、特別企画として、今夏7月末にジョン・ノイマイヤー振付の『ヨンダーリング』出演者オーディションを開催いたします。上演は2020年夏の予定。
『ヨンダーリング』はジョン・ノイマイヤー氏がカナダ・ナショナル・バレエ学校の生徒たちのために創った作品で、これまでにハンブルク・バレエ学校やパリ・オペラ座バレエ学校などの名門校で上演されています。ローザンヌ国際バレエコンクールでは課題曲だったこともあり、エキシビションで上演されたこともある作品なので、バレエダンサーを志している方にはよく知られている作品ではないでしょうか。今回特別に日本での上演許可をいただき、ノイマイヤー氏と公認の指導者がハンブルクより来日しリハーサル指導を行います。現代最高峰といわれる振付家であるノイマイヤー氏の作品に参加し、指導を受けることが出来る大きなチャンスです。
 今回の上演にあたって、全国のプロのダンサーを志す学生の皆さんを募集します。
 詳細は6月上旬に東京バレエ学校ホームページに掲載いたします。


ローマ市長、東京バレエ団を来訪&
桜沢エリカ「バレエで世界に挑んだ男」
英語版刊行

ヴィルジニア・ラッジ氏(写真中央)のTwitterより。
東京バレエ団とローマ歌劇場との親善のために、NBSを訪れたとツイート。高橋典夫専務理事(右)と、斎藤友佳理東京バレエ団芸術監督(左)

 “美人市長”の誉れ高いローマ市長のヴィルジニア・ラッジ氏が、去る5月21日一行7名で東京バレエ団を訪れました。東京都開催の国際会議への出席や、小池百合子知事との会談の模様はニュースでも報じられたので、ご覧になった人も多いのでは。
ローマ市長は、NBSが昨年秋に招聘したローマ歌劇場の理事長でもあり、今年7月に東京バレエ団がローマのカラカラ野外劇場で公演することになっていることから、過密なスケジュールをぬっての来訪となりました。「オペラもバレエも好き」とおっしゃる市長は、ローマでも上演することになっているベジャールの『春の祭典』のリハーサルをしばし芸術監督の斎藤友佳理の解説つきでご覧になりました。

A Japanese Diaghilev(「バレエで世界に挑んだ男」英語版)
■発行:公益財団法人日本舞台芸術振興会
■発売:新書館 ■定価:1700円(税別)

 東京バレエ団からラッジ市長にプレゼントしたのが、完成したばかりの東京バレエ団の創設者佐々木忠次を題材に桜沢エリカが描いたコミック『バレエで世界に挑んだ男』の英語版(A Japanese Diaghilev)。興味ぶかそうにページをめくった後、ローマでの再会を約して帰りの車に乗り込まれました。