2025/07/03 2025:07:03:12:59:15[NBS最新情報]
64年もの長きにわたり「オペラ・バレエの殿堂」として、わが国のバレエやオペラの公演を支えてきた東京文化会館。NBS主催公演の拠点でもあった東京文化会館が、発表されておりますとおり、来年(2026年)5月より3年間の工事休館に入ります。建物の老朽化が進んでおり、改修工事はやむを得ないとはいえ、この3年間の空白にはさまざまな想いが巡ります。すでに休館まで1年を切り、カウントダウンが始まっています。東京文化会館の休館はオペラ・バレエ愛好家の皆さまにとって、海外の芸術団体による大型公演を観る機会が失われることを意味します。
当ホームページをご覧になっている方の中には「ほかにもオペラやバレエをやっている劇場はあるのにどうして?」と不思議に思われる方も少なからずいらっしゃると思います。それぞれの劇場によって事情は異なるものの、大型の舞台装置を飾れる舞台スペースや機構がなかったり、1団体が連続で使用できる日数に制限があったり、客席数が少なくて興行的に成立しないなど、オペラやバレエ公演に適した劇場が首都圏には致命的に不足しているのが現状なのです。
「大阪や名古屋、福岡や札幌のような大都市でやればいいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。それらの都市にも素晴らしい機構を備えた劇場がありますが、集客という観点では現状で1公演かせいぜいで2公演しかできないのが実態と言わざるを得ません。
首都圏の劇場不足によって一番懸念されることが、観客の皆さまの鑑賞機会が失われることと、わが国のバレエやオペラ活動そのものが衰退することです。とはいえ、我々にはこの如何ともしがたい事実を受け入れるほかなく、この3年間をいかに乗り切るという難題に、全身全霊をかけて取り組むほかありません。観客の皆さまには大変不本意ながらご不便をおかけしたり、物足りなさを感じさせてしまうなど、これまで通りに行かないことが多くなるに違いありません。我々自身が首都圏の劇場不足によって苦境に立たされていることを、ぜひともご賢察のうえご理解をたまわりたくお願い申し上げます。
東京文化会館が来年5月に工事休館に入るまでに、NBSは同会館において下記の主催公演を予定しています。3年間はあまりにも長いと感じますが、ここであらためて、東京文化会館を愛し、公演に足を運んでくださったお客様への感謝と、劇場への慰労の気持ちをこめ、「3年後にまた会いましょう!東京文化会館」と銘打ち、休館に入る最後の日まで、皆さまとともに一公演ごとにカウントダウンしながら、東京文化会館に想いを馳せたいと思っています。そして2029年の春まで皆さまと心を一つにして、東京文化会館がリノベーションを終えて再開場する日を待ちたいと思います。再開場の暁には東京文化会館の新しい門出を祝い、一緒に祝杯を上げられることを願っています。
NBSによる東京文化会館休館までのラインナップをご紹介します。
英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団
『眠れる森の美女』、『シンデレラ』
※休館前、最後の大型招聘バレエ公演となりました。
ウィーン国立歌劇場『フィガロの結婚』、『ばらの騎士』
※休館前、最後の大型オペラ招聘公演となります。このような350名規模の来日による招聘公演は、今後ますます貴重になります。
東京バレエ団『くるみ割り人形』
※休館前最後の『くるみ割り人形』となります。
東京バレエ団公演
東京バレエ団公演
大型オペラ公演予定
※本公演が東京文化会館休館前、最後のオペラ公演になります。
東京文化会館 さよなら公演予定。