349年の輝かしい伝統と洗練!圧倒的人気を誇るバレエの殿堂、華やかに来日!
パリ・オペラ座バレエ団 2010年日本公演
「ジゼル」全2幕
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あらすじ
ブドウ栽培を営む村。母親とともに暮らす娘ジゼルはある若者と恋に落ちている。ジゼルは踊ることが何より好きだが、母親は心臓の弱いジゼルの身体を心配し、「そんなに踊っていると、ウィリになってしまうよ」と言ってやめさせる。そんなとき、貴族の一行が狩の休息にやってくる。その中に婚約者バチルドの姿を見たアルブレヒトは身を隠すが、ジゼルを慕う森番のヒラリオンがアルブレヒトの正体をあばき、真実を知ったジゼルは正気を失って息絶える。
夜。妖気漂う森の中で、ウィリとなったジゼルが墓から現れる。深い悔恨の思いで墓を訪れたアルブレヒトは、いまやジゼルの仲間である、魔性のウィリたちに捕まるが・・・。

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第1幕
祭りに沸く村。村で最も美しい娘の一人ジゼルは、ロイスと名乗る村の外から来た美しい若者と恋に落ちる。ジゼルはロイスの正体を知らない。しかしジゼルを恋する森番ヒラリオンは、嫉妬からくる勘の鋭さで、ロイスが領主ではないかと疑っている。
村中がダンスの輪に加わる。ジゼルの母親は、身体の弱いジゼルが激しいダンスに耐えられないのを心配して、彼女に不幸なウィリたちの運命を語る。婚礼の前に死んだ娘はウィリとなって、毎晩、朝が来るまで踊り続けることを宿命付けられるのだ。


ジゼルは母親の警告を笑い飛ばし、若く美しいロイスと一緒にダンスに加わる。村の人々はジゼルを祭りの女王に選ぶ。村の近くをクールランド大公が従者らを連れて通りかかり、ジゼルの家のそばで休憩して飲み物の世話を頼む。大公の娘バチルド姫の婚約者は、シレジア公爵アルブレヒトである。そしてヒラリオンは恋敵ロイスの持ち物から貴族の紋章入りの剣を見つけ出し、彼がアルブレヒトその人であることを暴き出す。この暴露にショックを受けたジゼルは、正気を失い、息絶える。


第2幕
真夜中の森。十字架のついた墓石がある。にわかに、いくつもの白い影がひっそりと通り過ぎては、再び現れる。この非物質的な存在の正体は何か?これが不実な恋人に棄てられた娘たちの魂、ウィリである。夜が来ると、ウィリたちは復讐のため、若い男を惹き寄せては、暗闇の中で迷わせるのだ。
ウィリの女王ミルタは、ウィリたちを呼び集め、これから彼女らの仲間に加わる娘を迎え入れる。青白いベールを纏ったジゼルが現われる。


ジゼルの墓にたくさんの花を捧げに来たアルブレヒトは、愛する女性が白い幻影、浮遊する亡霊となって現れるのを見る。彼はそれを捕えようとするが、そのたびに幻影は逃げ去る。逃れる彼女を、幻覚に囚われたアルブレヒトは追いかける。
不意に現れるのは、軽率なヒラリオンだ。ウィリたちは常軌を逸した死へと向かうダンスに彼を引き込む。ヒラリオンはウィリの最初の犠牲者になる。アルブレヒトも、これと同じ運命をたどらなくてはならない。ジゼルはミルタとウィリたちに慈悲を請うが、彼女らはびくとも動かない。力尽きるまで踊ることを強いられたアルブレヒトを支えるのは、ジゼルの愛のみである。絶望のダンスによって、つかのま二人は結ばれる。


やがて夜明けの光が射し始め、亡霊たちが立ち去るときがやってくる。ジゼルもまた、消えていく。アルブレヒトを生者の世界に残して。

