真夏にハイ・ボルテージ! 最高にノリがいい、ゴキゲンなバレエ!
ドン・キホーテ 全3幕
振付:マリウス・プティパ アレクサンドル・ゴールスキー ウラジーミル・ワシーリエフ 音楽:レオン・ミンクス 美術:ヴィクトル・ヴォリスキー 衣裳:ラファイル・ヴォリスキー
WBF(世界バレエフェスティバル)以来の熱烈リクエストにお応えして、シムキン旋風ふたたび!
マーフィー版「くるみ割り人形」 全2幕 ─クララの物語
オージー・クララの思い出・・・ それは初めてオーストラリアにバレエがもたらされた日々。
Story
第1幕 1950年代末期のメルボルン、酷暑のクリスマス・イヴ。かつてその名を馳せたロシア人バレリーナのクララも歳をとり、わずかな買物を手に、うだるような暑さの中をやっとの思いで家に帰る。彼女の暮らし向きでは、ほんの少しの食料と卓上用の小さなクリスマスツリーを買うのがやっと。ラジオから聞こえてくるチャイコフスキーの音楽「くるみ割り人形」にクララの胸は懐かしさで一杯になる。 この日は毎年、ロシア人の友だちが青春時代の女神に敬意を表してクララの家を訪れる。 かかりつけの若い医師が、ロシア帝国バレエ団のバレリーナだった往年のクララを写したフィルムを持ってやってくる。素晴らしい思い出が部屋を満たし、クララは踊ってみる。彼女のか細い身体は疲れ果て、ひどく心配した医師は、自分が様子を見ているから引き揚げてほしいと客たちに告げる。 なかなか寝つけないクララは幻覚をみる。夢の中に子どもの頃の自分が出てきて、またも夜に浮かぶ影におびえる。時計が深夜12時を打ち、最後のクリスマスになる。すると彼女はかつて愛した男性の死を目にし、ロシア革命の破滅的な混乱にとらわれる。 クララは悲劇の記憶を受け入れようとせず、まだ若く生命力に溢れていた自分を夢の中に描く。彼女は起き上がり、最愛の将校と再会する。恋人同士は、永遠の情熱を確かめあう。夏の空から雪が舞い降り、クララは恋しい人に誘われて、子ども時代へ、離れて久しいロシアの雪の大地を訪れる。そこではクララの母親が待っていて、彼女の運命へと導いてゆく。 第2幕 子供時代のクララは、帝室バレエ学校で猛練習の日々を送っている。何年にもわたる訓練が報われて卒業を迎え、マリインスキー劇場の帝室バレエ団の一員となる。 クララは若い将校と深く愛し合うようになり、ふたりは友人たちと連れだって田舎でピクニックを楽しむ。 バレリーナとして有名になったクララは、帝室舞踏会で皇帝夫妻に踊りを披露する。「くるみ割り人形」の金平糖の精を踊り、プリマとして華々しいデビューを飾る。 喜びの絶頂にあった1917年、ロシア革命が起こり、クララの恋人は戦場に赴く。彼が亡くなると、クララは世界を閉ざし、踊りだけが友となる。 ディアギレフのバレエ・リュスに加わり、ロシアの地を永遠に後にする。 クララは何年も世界中を巡業する。スペインではさすらいのジプシーたちにお金を払って踊ってもらい、スエズ運河を通るときは、ドックで働くアラブ人たちを見る。中国では、不思議な東洋の体操に驚く。 1940年、クララはド・バジル大佐のバレエ・リュスとともに、魅力的なスターとしてオーストラリアに渡る。世界大戦がまたも勃発し、彼女はこの新しい土地に留まらざるを得なくなる。やがて終戦を迎え、新たに結成されたボロヴァンスキー・バレエとともに、クララは最後の舞台に立つ。 観衆の大喝采のなか、クララはみるみるうちに歳をとる。クリスマス・イヴの幻想は闇の中へ消えていくが、クララの過去と現在は完結し、彼女の夢は今や永遠のものとなる。