1981年ベネズエラのバルキシメト生まれ。トロンボーン奏者の父と声楽家の母をもち、5歳のころから、ベネズエラで行われているクラシック音楽の教育制度「エル・システマ」による音楽教育を受けた。はじめヴァイオリンを学んだが、12歳ごろより地元のユース弦楽合奏団で指揮にも取り組み始める。1999年にはシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラの音楽監督に就任した。
 シャルル・デュトワのマスタークラス受講、ベルリンやザルツブルクでのサイモン・ラトルのアシスタントとしての活動により研鑽を積み、2004年にバンベルクで開催された第1回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクールで優勝し、一躍注目を集める存在となった。
 2005年にロサンゼルス・フィルを振って全米デビュー。翌2006年には「ドン・ジョヴァンニ」でスカラ座へのデビューを飾る。2007年にはルツェルン音楽祭でウィーン・フィルを、翌08年にはヴァルトビューネでベルリン・フィルを指揮。2007年からはエーテボリ交響楽団の首席指揮者に、2009年からはロサンジェルス・フィルハーモニックの音楽監督に就任している。
 2009年までに欧米のトップ・オーケストラの多くに招かれたこともあり、2009年「タイム」誌の『最も影響力のある100人』に選ばれた。
 現在、新しい時代を担う世代の指揮者として最も注目を集めている指揮者の一人。彼の振るコンサートは“現在最もチケットの入手が難しい”ともいわれる。

 1978年イタリア、サルディーニャ島生まれ。サッサリの音楽院で学んだ。
 パルマの『ルイザ・ミラー』でオペラ・デビュー。この成功を機に、イタリア国内外の劇場に招かれることとなった。これまでに、ウィーン国立歌劇場、ベルリン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場、英国ロイヤル・オペラ、パリのシャンゼリゼ劇場をはじめ、トリノ、パルマ、アテネ、ハンブルク、ドレスデン、ヴェローナ、フランクフルト、サンフランシスコなど、世界の舞台で『リゴレット』のマントヴァ公爵、『椿姫』のアルフレード、『マクベス』のマクダフ、『ランメルモールのルチア』のエドガルド、『ボエーム』のロドルフォ、『愛の妙薬』のネモリーノなどを演じ、活躍している。
 スカラ座には、2010年2月に『リゴレット』のマントヴァ公爵役で初登場。ステファノ・セッコの代役として、急遽リハーサルなしでの出演となったこのデビューは、衝撃的な大成功となった。マントヴァ公爵役は、パヴァロッティ亡き後、イタリアから輩出された本格的テノールと評されるデムーロの代表的なレパートリーとなっており、これまでに、トリノ王立歌劇場へのデビューを飾ったほか、パルマのヴェルディ・フェスティバル、ハンブルク、サンフランシスコではルイゾッティ指揮で演じている。また、2011年ウィーン芸術週間でリュック・ボンディ新演出による『リゴレット』でもマントヴァ公爵を演じた。

 イタリアのピサ生まれ。ローマ交響楽団でソロ・クラリネット奏者として活躍していたが、2008年にヴェネツィアで「ボエーム」のロドルフォを歌って歌手デビューを果たした。同役は、ドレスデン国立歌劇場やトッレ・デル・ラーゴのプッチーニ音楽祭でも歌い、その成功により注目を集めることとなる。2010年にドレスデン国立歌劇場のアンサンブル・メンバーとなり、ここで『カルメン』のドン・ホセ、「仮面舞踏会」のリッカルド、「トスカ」のカヴァラドッシ、「愛の妙薬」のネモリーノ、「ドン・ジョヴァンニ」のドン・オッターヴィオほか、ヘンツェ作曲「ギゼラ」の世界初演ではエンナリーノを演じた。
 今後、ベルリン・ドイツ・オペラの「ボエーム」、ミラノ・スカラ座の「シモン・ボッカネグラ」、ドレスデン国立歌劇場の「リゴレット」、「マノン・レスコー」、「ヴェスタの巫女」、ヴェローナの「ナブッコ」への出演が予定されている。優れた音楽性と恵まれた容姿を備えた新鋭テノールとして期待と注目が高まっている。2012年5月に、〈サントリーホール・オペラ・ガラ〉で初来日した。

 1942年ボローニャのカスティリオーネ・デイ・ペーポリ生まれ。1967年にスポレートで「セビリャの理髪師」のフィガロを歌ってデビュー。その後ミラノ・スカラ座合唱団に入り、1975年にフィガロを歌ってソロ・デビューした。国際的なキャリアの契機となったのは、1978年英国ロイヤル・オペラ「ルイザ・ミラー」のミラーおよび1980年メトロポリタン歌劇場「仮面舞踏会」のレナートだった。以後、イタリアのベル・カントものからヴェリズモまで、幅広いレパートリーで世界中の舞台で活躍。朗々とした声と確かなテクニック、ドラマティックな表現力が最大に活かされるのは「マクベス」のタイトル・ロール、「トロヴァトーレ」のルーナ伯爵、「椿姫」のジェルモン、「アイーダ」のアモナスロ、「オテロ」のイアーゴといったヴェルディ・オペラ。なかでも、リゴレット役は1973年に初めて歌って以来450回以上も歌っており、自身が最も得意とするだけでなく、世界中のファンから“至宝”とも称される当たり役となっている。

 グルジアのティフリス生まれ。1996年にトビリシの歌劇場で「仮面舞踏会」のレナートを歌ってデビューした。2000年には、イスタンブールで開催されたレイラ・ゲンジェル国際オペラコンクールでファイナリストとなり、特別賞を受賞。2001年にはエレナ・オブラスツォワ・ヤング・オペラ・シンガーズ・コンクールで第1位獲得。さらに2005年にはヴェルディを歌う歌手にとって、最も重要な国際コンクールである“ヴェルディの声”で第1位を獲得した。2005/06年シーズンよりワイマールのドイツ劇場のメンバーとなり、「サロメ」のヨカナーン、「ナブッコ」のタイトル・ロール、「ルイザ・ミラー」のミラー、「ウィリアム・テル」のタイトル・ロールなどを演じた。
スカラ座には2007年に「椿姫」のジェルモンでデビュー、「トスカ」のスカルピア、「リゴレット」のタイトル・ロールなどを演じている。リゴレット役は、2008年にパルマのヴェルディ・フェスティバル、2008/09年にはメトロポリタン歌劇場でのデビュー、2009年にはパルマのテアトロ・レッジョの北京公演、2011年ウィーン芸術週間でも成功をおさめている。

 ルーマニアのラーシ生まれ。ブカレストのジョルジュ・エネスク音楽院で学んだ。在学中にすでに生地のオペラハウスでデビューし、「魔笛」の夜の女王、「ランメルモールのルチア」のルチア、「リゴレット」のジルダ、「椿姫」のヴィオレッタなどを歌った。1990年にドイツの“ARD”テレビ主催のテレビコンクール優勝、1991年にはモンテカルロ・オペラコンクール優勝、1995年には“ベッリーニ金賞”、2001年ヴェローナ野外劇場財団より “ザナテッロ賞”、2004年にはモデナ市より“ヴェルディ賞”など多数の受賞歴をもつ。
 キャリアの初期からチューリッヒ歌劇場を活動の中心とし、数々のレパートリーで成功をおさめ、ミュンヘン、ドレスデン、ハンブルク、ベルリン、ウィーン、パリ、ローマ、パルマ、ナポリ、アムステルダムなど世界の主要歌劇場へと活躍の場を広げ、超絶技巧的コロラトゥーラのトップ・ソプラノとして人気を博している。
 「リゴレット」のジルダ役は、スカラ座のほか、パルマのテアトロ・レッジョ、ウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場、トリエステのテアトロ・ヴェルディなどで成功をおさめている。

 1984年メキシコ・シティ生まれ。3歳からヴァイオリンとピアノを学び、後にメキシコ・シティの音楽学校で声楽を学んだ。2004年ペルゴレージ作曲「奥様女中」のセルピーナでオペラ・デビュー。2008年にプラシド・ドミンゴ「オペラリア」で第1位およびサルスエラ賞を獲得。北米での活躍を経て、2009年5月フランス・ロワールのサン・エティエンヌで「ロメオとジュリエット」のジュリエットでヨーロッパ・デビューを果たした。同役は2009/10年シーズンにヴェローナのテアトロ・フィラルモニコとトリエステのテアトロ・ヴェルディで歌ったほか、英国ロイヤル・オペラ、ローザンヌ・オペラへのデビューも飾った。スカラ座でも、2011年6月に歌っている。ジュリエットのほか、「ランメルモールのルチア」のルチア、「リゴレット」のジルダ、「椿姫」のヴィオレッタなどをレパートリーとしている。優れたコロラトゥーラ・ソプラノのニュー・スターとして注目されている。

 1976年ウクライナのオデッサ生まれ。2003年にオデッサの音楽院を卒業。パータ・ブルチュラーゼ、クルト・モル、トーマス・モーザ―らに師事した。2006年エレナ・オブラスツォア国際コンクール、2007年リッカルド・ザンドナイ国際コンクール優勝とチャイコフスキー国際コンクール第1位入賞。“シャリアピンの再来”と言われる豊かな声量と広い音域、情感にあふれた表現力を持つ注目の若手バス。2009年以降、ハンブルク州立歌劇場を中心に活躍しているが、今シーズンは、バイエルン国立歌劇場に「ボリス・ゴドゥノフ」のタイトル・ロールでデビュー、メトロポリタン歌劇場「オテロ」のロドヴィーコ、フィレンツェ歌劇場「ドン・カルロ」の宗教裁判長など、重要な役で活躍の場を広げる。スカラ座でも、「リゴレット」のスパラフチーレ、「ジークフリート」と「ラインの黄金」のファーフナーに加え、バレンボイム指揮で行われるモスクワ公演「ドン;ジョヴァンニ」の騎士長も演じる。黒髪の長身甘いマスク、恵まれた容姿が人気に拍車をかける。

 グルジアのトビリシ生まれ。生地の音楽院で学んだ後、ハンス・ガボール・ベルヴェデーレ国際声楽コンクール特別賞を獲得し、入学試験なしでスカラ座アカデミーに入学を認められた。その後、プラシド・ドミンゴ「オペラリア」をはじめ、数々の国際コンクールで優れた成績をおさた。ベルリン・ドイツ・オペラ、トゥールーズ・市立歌劇場、パルマのテアトロ・レッジョ、パレルモのマッシモ劇場、モンペリエやマルセイユ、ワシントン・ナショナル・オペラなど、世界のメジャーな歌劇場で演じたチャーミングな「セビリャの理髪師」のロジーナ役で、優れた才能が注目されることとなった。2010年には英国ロイヤル・オペラに「ロメオとジュリエット」のステーファノでデビュー。2011年11月のスカラ座「リゴレット」のマッダレーナ役は絶賛を得た。2013年にはロサンゼルスで「チェネレントラ」のタイトル・ロールが予定されている。今後の目覚ましい活躍が期待される実力派新進美人メゾ・ソプラノ。

※表記の出演者は2013年7月30日現在の予定です。病気や怪我などのやむを得ない事情により出演者が変更になる場合があります。その場合、指揮者、主役の歌手であっても、代役を立てて上演することになっておりますので、あらかじめご了承ください。出演者変更にともなうチケットの払い戻し、公演日・券種の変更はお受けできません。最終出演者は当日発表とさせていただきます。