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2023/10/04(水)Vol.479

〈旬の名歌手シリーズ2024〉
フローレス、イェンデ、グリゴリアン
2023/10/04(水)
2023年10月04日号
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オペラ

〈旬の名歌手シリーズ2024〉
フローレス、イェンデ、グリゴリアン

NBSが〈旬の名歌手シリーズ〉第1弾を開催したのは2022年、長引くコロナ禍により、オペラの引っ越し公演の開催が困難であることから〈オペラ・フェスティバル〉特別企画としての開催でした。日本のオペラ・ファンにとって大きな喜びとなったこの企画は、2023年には、つい先日のローマ歌劇場日本公演で大活躍のヴィットリオ・グリゴーロ、ソニア・ヨンチェヴァの二人、そしてワルトラウト・マイヤーのさよならコンサートというラインナップで開催されました。オペラ全幕公演だけでなく、歌手の多彩な魅力が発揮される〈旬の名歌手シリーズ〉、2024年もスーパー・テノール、フアン・ディエゴ・フローレス、初来日となるプリティ・イェンデ、世界の新女王と話題のアスミク・グリゴリアンを含む聴き逃せない3人を迎えての開催です!

世界に輝く、いま聴くべきトップ歌手のベストが続々!

フアン・ディエゴ・フローレスは2022年のこのシリーズに続いての登場。長いキャリアにおいて常にスーパー・ベルカント・テノールとして活躍を続けるフローレスが、近年はそのレパートリーを広げ、新たな魅力を発揮しています。今回のプログラムでは、モーツァルトのアリア、十八番のロッシーニ、そしてフローレスの新境地での魅力を発揮するヴェルディのオペラ・アリアが予定されています。フローレスの特徴といえば、超高音域を軽やかに歌いあげる美声が第一に思い浮かびます。その美点は保ちつつ、さらに中音域の充実が加わったことがあらわされるプログラムです。こうした"進化"は、生来の声質だけでなく、自身の鍛錬と節制によるもの。今回のコンサートは、フローレス自身が「いま歌うべきもの」として熟考した"フローレスの旬"を堪能できる機会でもあります。

〈旬の名歌手シリーズ2024〉
フアン・ディエゴ・フローレス テノール・コンサートの詳細はコチラから

そしてフローレスはプリティ・イェンデとのデュオ・コンサートでもその"威力"を発揮します。イェンデは今回が初来日ですが、もはや欧米では優れたベルカント・ソプラノとして認められている歌姫。2023年5月、英国王戴冠式において艶やかな黄色いドレスを身にまとい祝典にふさわしい品格のある歌声を聴かせたのは彼女です! フローレスとイェンデは、すでにメトロポリタン歌劇場やウィーン国立歌劇場で共演し、そのいずれ劣らぬコロラトゥーラの競演に熱狂が巻き起こったといわれます。二人によるコンサート、なんて贅沢なんでしょう!

〈旬の名歌手シリーズ2024〉
フアン・ディエゴ・フローレス&プリティ・イェンデ オペラ・デュオ・コンサートの詳細はコチラから

アスミク・グリゴリアンは、一度聴いたら忘れられない歌手といえるでしょう。艶のある声とどこまでも深く強い表現力に圧倒されてしまうからです。彼女の名を世界に広めたのは2018年のザルツブルク音楽祭でのこと。"すべてのサロメに終止符!"と評されたのです。以来、夏のザルツブルクの街にはいたるところにグリゴリアンのポスターが掲げられるシーズンが続いています。このフィーバーぶりは、2005年にアンナ・ネトレプコが"ザルツブルクの女王"と称されたときを思わせると言われています。ネトレプコ同様、グリゴリアンの活躍もまたたく間に世界中へと広がっています。日本での初めてのソロ・コンサートに2つのプログラムが用意されたのは、「限界に挑むことが好き」と語る彼女ならでは! 

〈旬の名歌手シリーズ2024〉
アスミク・グリゴリアン ソプラノ・コンサートの詳細はコチラから