NBS News Web Magazine
毎月第1水曜日と第3水曜日更新

*2024年5月のNBS NEWS WEBマガジンの更新日は、第2・第4水曜(5月8日と22日)に変更させていただきます。
 ご了承のほどお願い申し上げます。

NBS日本舞台芸術振興会
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2020年11月

転々点々

2020/11/19(木)

「バレエはただバレエであればよい。雲のやうに美しく、風のやうにさわやかであればよい。人間の姿態の最上の美しい瞬間の羅列であればよい。人間が神の姿に近づく証明であればよい」と三島由紀夫は書き残している。その三島自身がモーリス・ベジャールによってバレエになった。いま評判の東京バレエ団の「M」である。11月21日に神奈川県民ホールでの最終公演の後、三島の50回目の命日である11月25日から30日まで、舞台映像が全世界に向けて配信される。(T)

転々点々

2020/11/10(火)

コロナの第2波が欧米を襲っている。イタリア政府は国内のすべての劇場を閉鎖することを決定した。指揮者のリッカルド・ムーティはそれに反発し、ジュゼッペ・コンテ首相に対し、「心の糧となるものを人々に与えるため、劇場や音楽活動を再開させるべきだ。それがないと社会は野蛮になる」と発言。アメリカ大統領選挙の状況をみても、社会が野蛮になってきていると実感。劇場芸術には精神を安定させ、心を豊かにする力があると、あらためて思った。(T)

転々点々

2020/11/02(月)

三島由紀夫をテーマにしたベジャールのバレエ「M」について、小説家の佐藤究氏が書いた批評が朝日新聞(11月1日付け朝刊)に載った。小説家らしい切り口で感心した。その中で舞踏家の土方巽の「お酒があって、樽をバンと割るでしょ。皆が水被るでしょ。腹切って、おしまいじゃないんだよ。そういう結び目を彼は残していった」という言葉を引いている。11月25日は50年前に樽が割られた日。その4日前に「M」は横浜で再演される。(T)