アニエス・ルテステュ インタビュー

アニエス・ルテステュ インタビュー

アニエス・ルテステュ(エトワール)


1983年 パリ・オペラ座バレエ学校入学。
1987年 16歳でパリ・オペラ座バレエ団入団。
1988年 コリフェに昇格。
1989年 スジェに昇格。
1993年 プルミエール・ダンスーズに昇格。
1997年 10月31日「白鳥の湖」(ルドルフ・ヌレエフ振付)の終演後、エトワールに任命される。


09-10.31Agnes01.jpg 幼い頃に観たヌレエフの舞台で、「バレエに関する二つの夢が芽生えた」というアニエス・ルテステュ。それは「将来こういう衣裳をデザインして、この男の人(ヌレエフ)と踊りたい」とかなり具体的なものだったとか。
「自分でデザインを手がけるようになってから、より明確に気づいたんだけど、チュチュって少し前傾しているというか、真っすぐじゃない方が踊りやすいの。そう、美しくて踊りやすいというのが絶対条件なのよ」
 1幕と2幕の衣裳の違いも楽しめるのが、来日演目一つ『ジゼル』だ。
「『ジゼル』って、どうしても精霊たちが踊る、第2幕のほうが注目されがちだし、私自身も踊るのは大好きだけど、第1幕だって振付・演出によっては皆さんが考えているようもエキサイティングなのよ。少なくともパリ・オペラ座バレエ団が今度日本に持って来るパトリス・バール版には、これまで語られなかった秘密があるし(笑)」
 「秘密」という言葉を口にする時は、大げさにわざと周囲をうかがうようなしぐさをしてみせるアニエス。すっかりドラマティック・ダンサー、女優ダンサーの雰囲気十分だ。
「1幕で私が踊るジゼルは、身体が弱いという従来の解釈だけではない、何か決定的に他の村娘と違うニュアンスがある。それって、村にやって来た公爵と、ジゼルの母親のアイ・コンタクトがヒントで、2人はヨーロッパの国々に昔あった領主の初夜権で関係を持ち、ジゼルはその落しだね、という解釈なのよ。びっくりした?だからたぶん母親もそうやって村娘ジゼルを育てただろうし、ジゼルがアルブレヒトと恋に落ちるのも、他の村娘にないエレガンスというか高貴さゆえ、と。そう考えると、なおさらアルブレヒトの裏切りを知ったときのショックが大きいのは当然でしょう」
 パリ・オペラ座バレエ団のレパートリーになっているもう一つのマッツ・エック版『ジゼル』の「人間関係の濃さもどこかで反映させてるわ(笑)」という。その相乗効果による、さらなる深みが楽しみ!

佐藤友紀(フリーライター)


09-10.31Agnes02.jpg

「ジゼル」ジゼル


◆アニエス・ルテステュ出演予定日

「シンデレラ」
2010年3月12日(金)6:30p.m. (シンデレラ)

「ジゼル」
2010年3月18日(木)7:00p.m. (ジゼル)
2010年3月20日(土)1:30p.m. (ジゼル)

photo:Icare(舞台写真)、Nobuhiko Hikiji

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.nbs.or.jp/global/mt/mt-tb.cgi/270

コメントする