大和証券グループ Presents リッカルド・ムーティ指揮 シカゴ交響楽団 2019年日本公演 ムーティが振るヴェルディ「レクイエム」の特別 photo: Todd Rosenberg

Photo: Todd Rosenberg

  リッカルド・ムーティの指揮によるヴェルディの「レクイエム」は、異なるオーケストラや歌手たちを率いていても、常に、“特別”なものとして聴く者の心に刻まれてきた、と言っても過言ではないでしょう。
 なにが“特別”を生み出しているのか──。
 グラミー賞を獲得したシカゴ響とのヴェルディの「レクイエム」CDのライナーに紹介されているインタビューからは、その理由を探ることができるかもしれません。
 マエストロが最初にヴェルディの「レクイエム」を聴いたのは、少年時代、南イタリアの伝統としてイースターの週に行われる葬送の聖人の行進に続きながらだったそうです。「この状況で『レクイエム』を聴いたことはとても重要なことでした。なぜなら、ヴェルディはそこに、イタリア人が神とコミュニケーションする方法を非常に劇的に反映しているわけで、それを肌で感じとる絶好の機会だったと感じるからです。私たちは教会で跪きますが、神に助けや永遠の自由を与えることを求めたりしません。時には私たちは彼に非常に怒ります。ヴェルディの『レクイエム』の終わりで、ソプラノは「リベラ メ ドミネ デ モルテ エテルナ」=主よ、永遠の死から解放してください、と言います。最初、彼女はこれを非常に劇的に言います。そして2度目、彼女は神に叫びます「リベラ メ!」と命令するのです。神からの答えは常に「ディエス イレ」=死ぬこと です。ですから、ソプラノの3度目の「リベラ メ」は、ほとんど希望がありません。だからヴェルディの『レクイエム』は悲観的に聞こえるハ長調で終わるのです。ハ長調は、一般的には光、平安、穏やかさ、喜びをもっているのですが、この『レクイエム』の最後の和音は、不確かさを感じさせます。ブラームスの『ドイツ・レクイエム』が大きな安らぎを感じさせるのに対し、ヴェルディの『レクイエム』はは不安感や動揺を感じさせます。
 ヴェルディの『レクイエム』は男、女、そして神の間の闘いなのです。私たちは責任を負うよう神に願います。心を込めて祈りを捧げても、彼の答えは常に攻撃的で哀れみはありません。」
 ヴェルディの「レクイエム」を通して、マエストロのヴェルディとの向き合い方は超自然ではなく、現代の実在として捉えられていること、それが実際の演奏とどう結びついているかも語られています。
「ヴェルディは死を恐れている人の感情を表現することを恐れませんでした。イタリアでは、墓地は死者の都市であり、非常に恐ろしいイメージなのです。私たちがコントロールできない苦痛、死への恐怖は非常に大きなものです。現代に生きる私たちにとってのそれは、戦争であり、実在しています。決して超自然的なことではないのです。神が人間であるかのように、私たちは彼と話しています。冒頭で合唱が「レクイエム」-「平和」を歌うとき、私たちの伝統や文化を知らない人々はピアニッシモで囁くように歌います。しかし、これは間違っています。なぜなら、私たちは最初の言葉から平和を求めているからです。世界のすべての人々が、手を伸ばして平和を求めているかのようです。ヴェルディの『レクイエム』では、人間と死、人間と神との関係を感じ取らなければなりません。しかし、神は私たちを創造し、罰する、私たちと同じ人間の一人であるかのように。なぜか? これはヴェルディにおいて、私が考える私たちの存在の矛盾であり、最も偉大な音楽の表現です。」
 また、ヴェルディが亡くなった時にイタリアの有名な詩人ガブリエレ・ダヌンツィオが書いた「彼はすべての我々ののぞみに声をあげ、悲しみに泣いた。そしてすべての人に愛された」を引用し、「ヴェルディは常に瞬間であり続けます、決して時代遅れになることはありません。50年、100年、200年後にも、ヴェルディは人々と対話する作曲家であると私は確信しています」とも。この確信が、ムーティのタクトから生み出される“特別”へと昇華されているのかもしれません。

リッカルド・ムーティ指揮
シカゴ交響楽団
2019年日本公演

【公演日】

プログラムA
2019年1月30日(水)19:00

ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調op.73

プログラムB 完売
2019年2月3日(日)14:00

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」op.35
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調op.64


オペラ・フェスティバル特別プロ
ヴェルディ作曲「レクイエム」

2019年1月31日(木)19:00
2019年2月2日(土)14:00


会場:東京文化会館

【予定されるソリスト】


合唱:東京オペラシンガース

【入場料[税込]】

[プログラムA・B]
S=¥39,000 A=¥34,000 B=¥29,000 C=¥24,000 D=¥19,000 E=¥14,000 F=¥10,000
[「レクイエム」]
S=¥44,000 A=¥39,000 B=¥34,000 C=¥29,000 D=¥24,000 E=¥19,000 F=¥14,000

ダイワU25 シート ¥5,000 完売

NBS WEB チケットのみで発売。
満25歳までの方を対象に、「C席」相当の席を「ダイワU25シート」として各日30席ずつ、計120席ご用意します。座席はご指定いただけません。チケットは公演当日のお受け取りとなります。公演当日、年齢を確認できる身分証を携行ください。