東京バレエ団が令和元年度( 第74回)文化庁芸術祭 大賞を受賞しました。受賞対象となったのは、勅使川原三郎による新作世界初演とベジャール、バランシンの3作品が上演された公演。
受賞理由は「勅使川原三郎の新作とベジャール、バランシンの傑作という豊富な内容に、バレエ団が一丸となって挑み、 極めて完成度の高い舞台に仕上げた。舞踊史に残る2作品を抜群の安定感で上演したことに加え、呼吸と動きが溶け合うような勅使川原振付と真摯に向き合い、音楽や照明と新鮮な響き合いを見せた団員の演技が高く評価された」と発表されました。
この春、4年ぶりの上演となる「ラ・シルフィード」では、第2幕のコール・ド・バレエとジェイムズの衣裳がリニューアルされます。その理由がちょっと面白いのでご紹介。
ロマンティック・バレエの代表作である「ラ・シルフィード」は長めの丈のロマンチック・チュチュで踊られます。ところが、現在の東京バレエ団のコール・ド・バレエのダンサーたちはみな、身長が高くなったこともあり、従来の衣裳を着るとヒザ丈くらいになってしまうことから、新調することになりました。
長さがあっても決して重く見えてはならないこのチュチュは、日本国内でつくることは難しいそう。そこでこれらの衣裳の製作をロシアの工房に発注、軽くしなやかなチュールを使い、職人たちの手作業によって仕立てられました。森の風景の中に出現するシルフィードたちの幽玄の世界、どうぞお楽しみに。