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2018/10/15 2018:10:15:16:45:00

デヴィッド・ムーア(シュツットガルト・バレエ団) スペシャル・インタビュー

 シュツットガルト・バレエ団で若き実力派プリンシパルとして注目されるデヴィッド・ムーア。今秋初めて映像化されるクランコ版「ロミオとジュリエット」の主演もつとめており、まさに今"波にのって"いるダンサーの1人です。日本公演では「オネーギン」のレンスキーと「白鳥の湖」のジークフリート王子を踊ります。

 シュツットガルト現地ではただいまマカロワ版「ラ・バヤデール」の"影の王国"の初演で大忙しですが、そんな多忙なリハーサル・本番の合間をぬって快くインタビューに応じてくれました。ぜひご一読ください。



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王子の人格、人生の岐路を観客に示すことが重要です


ーー「白鳥の湖」の王子を演じるうえで大切にしていることはありますか?

 ジョン・クランコ版「白鳥の湖」のジークフリート王子役は要求度がとても高く、全ての幕に登場し、踊りも多いのです。王子が何者なのかを説明するために費やしている第一幕は特にそうです。クランコの「白鳥」では、ジークフリートの人格、つまり彼の人生の旅路を、しっかりと観客に示すことが重要です。旅は、王子が友人たちと森で戯れているところに始まり、母親との争い、王子の地位、そして人生で最高の女性に出会い、失う。クランコの「白鳥」は、結末とジークフリートの運命が全くハッピーエンドではないという意味でもとてもユニークな版です。


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ーー 王子はなぜ、オディールをオデットと間違い、愛を誓ってしまったのだと思いますか?

 ジークフリートは魔法使いのロットバルトに操られているのです。ロットバルトは悪魔をオデットそっくりに化けさせ、王子をたぶらかすのです。ロットバルトは変身させた悪魔を「オディール」と名付け、自分の娘として紹介します。そして結婚式で王子がオディールの手を取るように導くことで、オデットにかけられた、白鳥として生き続けなければならないという呪いが解かれないようにするのです。


ーーパートナーのアンナ・オサチェンコはあなたからみてどのようなダンサーでしょうか?

 アンナは才能あふれる素晴らしいバレリーナです。以前にも一緒に踊ったことがありますが、彼女は舞台ごとに何か違うものを表現し、魅せてくれます。


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レンスキーにはさまざまな色調と感情があります


ーー「オネーギン」は日本ではレンスキーを踊りますが、あなたにとってレンスキーはどのような役でしょうか? 

 レンスキー役は、クラシック・バレエの難しい技術と感情の高ぶりの二つの組み合わせが要求される役です。そのために難しい役ではありますが、同時に演じがいあります。第1幕には、明るく軽快ななヴァリエーションとパ・ド・ドゥがあり、第2幕のパーティーの場面では、オリガとオネーギンのふるまいに傷心と怒り、そして落胆があります。第2幕の終わりには抒情的な美しいアダージオのソロがあります。レンスキーにはさまざまな色調と感情があり、それこそがこの役の素晴らしさです。


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ーーレンスキーの視点からみて、作品の魅力はどのような点にあると思いますか?

 「オネーギン」は傑作です。全ての場面、人物、音楽、そしてステップの一つ一つに存在意義があり、物語を語っています。レンスキーはプロットの展開で大きな役割を果たしますし、非常に劇的な瞬間もあるので、この作品を踊るのが大好きです。


ーー 日本のファンに向けたメッセージをお願いします。

 シュツットガルト・バレエ団として日本で踊れることをとても楽しみにしています。団員全員が、東京、西宮、福岡公演でみなさんの前で踊ることを心待ちにしています!


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