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2021/08/25 2021:08:25:19:07:31

モーリス・ベジャール・バレエ団2021年日本公演 記者会見レポート
世界バレエフェスティバルが無事幕を閉じたその翌日、NBSは10月に予定しているモーリス・ベジャール・バレエ団(BBL)2021年日本公演の記者会見を開催しました。バレエフェスの舞台で熱演で会場を沸かせたジル・ロマンが、会見では、BBL芸術監督として、日本ツアーへの思いをたっぷりと語りました。その様子をご紹介します。

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ベジャールのカンパニーの日本公演は、1967年の20世紀バレエ団初来日から数えて18回目。冒頭で挨拶したNBS専務理事の髙橋典夫は、昨年5月に行われるはずだった本公演が、コロナ禍によって2度の延期を余儀なくされ、10月にようやく実現することに触れるとともに、本公演では、文化庁による子供文化芸術活動支援事業として、18歳以下の子供たちのために全日程で合計3253席の招待席を設けると説明。その後マイクを受け取ったロマン芸術監督は、先の世界バレエフェスティバル開催に対して心からの感謝を述べ、日本ツアーについて、「今度こそ実現したい」と強い思いを明かしました。

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この日本公演の前半には、彼自身の振付による『人はいつでも夢想する』(2019年初演)を含むミックスプログラムが組まれています。自作について彼は、「タイトルはスイスの作家、ルートヴィヒ・ホールから取ったもの。作曲家ジョン・ゾーンの音楽が好きで、彼の音楽で作品を創りたいと、ニューヨークの彼を訪ね、ちょっとしたソロを見せたのです。彼はそれを気に入ってくれて、そこで信頼関係が生まれました。その後2年かけて、この作品を完成させたのです」と創作の経緯を紹介。

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ジル・ロマン振付『人はいつでも夢想する』(2019年初演)

「もう一つは、ベジャールの『ブレルとバルバラ』。踊るたびに感動する作品ですが、この感動が皆さまにも伝わればと思います。『ボレロ』については、あえて説明する必要はないでしょう。誰があの円卓に乗るのかはまだわかりません。10月のお楽しみに!」。

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『ブレルとバルバラ』

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『ボレロ』

後半にプログラムされたのは、クイーンの音楽で踊られるベジャールの傑作、『バレエ・フォー・ライフ』。日本では実に13年ぶりの上演となるだけに、ファン待望の再演です。「作品のテーマは重いけれど、大変なエネルギーを放つ作品。今日の非常に困難な状況下では、それはさらに大きな意味を持つことになります」と訴えます。

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『バレエ・フォー・ライフ』

「日本でまた踊れることを心から楽しみにしています。ぜひこのツアーが実現することを心から願っています」と話すロマン。パンデミックの間は、ダンサーたちの精神面のサポートに努め、ベジャールの過去の作品の復刻にも取り組んだとも。「『わが夢の都ウィーン』という作品です。テーマはまさにロックダウン、制限のかかった都市。この状況の中で、力強い意味を持つ作品です。いつか日本で上演する機会があればと思っています」。
振付家、ダンサーとして、またベジャール亡き後のカンパニーの芸術監督として、重責を担い続ける彼。「全て投げ出したいと思ったことは?」という質問に、「ありますよ!」と即答する場面も。「この重荷から解放されたいと思う時もあるけれど、いっぽうで、このカンパニーが自分の人生にとってとても大切なものだと感じる日もあるんです」と、心の内を明かしました。
モーリス・ベジャール・バレエ団日本公演は、10月9日の開幕。どうぞご期待ください。

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